熟柿 の商品レビュー
初めは主人公の我を失うほどの衝動や、ポジティブとも狂気とも取れるような行動力に若干置いてかれるような感じだったけど、焦らず1度深呼吸してみてと寄り添ってくれるような話だと思った 数人、会話が焦ってるような台詞回しなのもそういう意図なのかな 最終的には良い話
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79/100 なんか素敵な本だったなぁ 抽象的な言葉での表現になっちゃうけど、想像力を掻き立てられるような言葉がふんだんに使われてる小説じゃなく、作家さんが紡いだ言葉がそのまま頭に入ってくるような文章。 だからこそ物語のストーリー性に起伏があるはずなのに、安定した心持ちで読...
79/100 なんか素敵な本だったなぁ 抽象的な言葉での表現になっちゃうけど、想像力を掻き立てられるような言葉がふんだんに使われてる小説じゃなく、作家さんが紡いだ言葉がそのまま頭に入ってくるような文章。 だからこそ物語のストーリー性に起伏があるはずなのに、安定した心持ちで読み進めることができる。 子供と母親の話なので、またこれは歳をとったら見え方もだいぶ変わるのかなーと思った。 「熟柿」…熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つこと 今自分が失恋したばっかりだからこそ、この言葉が刺さる。今辛い感情が大きかったとしても、いつか違う事として改めて今の様子を客観的に見ることが出来るかもしれないなー 人生の辛いことや悲しいことがたった一つの出来事で、全てが報われることもある。そうした意味で、生きる中での感情には無駄なことが無いんだろうな、とも思わせられました
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その母心、ブスリと刺さる!!この渋いタイトルと装丁から想像していたような静かなストーリーではなく、意外にもアクティブでアグレッシブな話だった。普段は犯罪者サイドには冷たい視線で読んでしまうが、本書は流石に主人公に感情移入せざるをえない。罪を犯したときの感覚がリアルだし、その後の人...
その母心、ブスリと刺さる!!この渋いタイトルと装丁から想像していたような静かなストーリーではなく、意外にもアクティブでアグレッシブな話だった。普段は犯罪者サイドには冷たい視線で読んでしまうが、本書は流石に主人公に感情移入せざるをえない。罪を犯したときの感覚がリアルだし、その後の人生の津々浦々。苦労と心持がまあ伝わる伝わる。「長期戦を覚悟で人生を生きる」というセリフに感銘を受けた。「機が熟す」を柿で表現するのも見事な手腕。引っ越しの準備をしなきゃならないのに夢中で読んでしまった。こりゃ秀作だ!
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本の雑誌2025上半期ベスト1、杉江氏の営業日誌においても「ベテラン作家が本気で小説を書いた時の凄みと、それでいて軽やかに読者を物語の世界に没頭させる技術、そういうものが頭抜けている。」と絶賛。 確かにどう転がっていくのかわからないスリルを孕んだ物語と、それとともに揺れ動く主人...
本の雑誌2025上半期ベスト1、杉江氏の営業日誌においても「ベテラン作家が本気で小説を書いた時の凄みと、それでいて軽やかに読者を物語の世界に没頭させる技術、そういうものが頭抜けている。」と絶賛。 確かにどう転がっていくのかわからないスリルを孕んだ物語と、それとともに揺れ動く主人公かおりの「あやうさ」を感じさせるほどの精神の起伏。もちろん面白いし、一気に読了したけれど…。 佐藤正午の小説にはもっとこちらを驚かすような「仕掛け」があることを期待していた。しかもトリッキーな「仕掛け」ではなく、とても上品で端正な文章(ストーリー)の中にひっそりと埋め込まれているようなものを。 それでもコンスタントに上質な作品をリリースできる才能と手腕は素晴らしい。ずっと読み続けたい作家の一人です。3.6
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いやー…言葉にならない 再生の物語というにはあまりに罪悪感が強く、人は誰でもやり直せるなんて簡単に言えもしない ただそれでも、待とうが待たずともいつか機は熟す ただ一回の誤りとズルさ、ほんの少しの違いで変わる人生 主人公の変化に心を掴まれる
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
十章の息子宛の手紙のところで、小説を読んで久しぶりに頭が痛くなるくらい泣きました 途中辛くなるところもあるけど時間を空けて何度でも読みたくなる小説でした
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途中、読むのを断念しようかと思ったけれど 最後まで読んで良かった。 熟柿「熟した柿の実が 自然に落ちるのを 待つように、気長に時期が来るの待つこと」 土居さんのように 気負わずに、こんな風に言える人に なりたいな
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佐藤正午のしんみり系に弱い。あと全キャラ良いんだよな。まじで一生読みたい本。大好きなタイプの終わり方。あと佐藤正午のテクニックひけらかさない感じかっこよすぎね?さりげないから読んだ後浸れんだよなー
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雑誌の記事でこの本を知り興味が あったので読んでみました。 最後に題名の意味を知り深く 静かに感動が続いている。 人生って何て過酷で長い 旅路なんだろう… 強い想いを持ち真っ直ぐに 自分の想いに正直に生きる事 そうすればいつかは願いが叶う そんな事を思わせてくれる 小説でした。 ...
雑誌の記事でこの本を知り興味が あったので読んでみました。 最後に題名の意味を知り深く 静かに感動が続いている。 人生って何て過酷で長い 旅路なんだろう… 強い想いを持ち真っ直ぐに 自分の想いに正直に生きる事 そうすればいつかは願いが叶う そんな事を思わせてくれる 小説でした。 著者の本をまた読んでみたい と思います。
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静かに悲しく、でも強く生きていくお話だった。 妊娠中に事故をおこし、服役中に出産。離婚し、子供には1度も会わせてもらえず、会いたいあまり幼稚園、小学校におしかけ警察ザタ。 終始暗いけど、なぜか読み進めてしまう。これも筆者の腕なのか… 目的ができてからの母は強かった。 熟柿とは熟し...
静かに悲しく、でも強く生きていくお話だった。 妊娠中に事故をおこし、服役中に出産。離婚し、子供には1度も会わせてもらえず、会いたいあまり幼稚園、小学校におしかけ警察ザタ。 終始暗いけど、なぜか読み進めてしまう。これも筆者の腕なのか… 目的ができてからの母は強かった。 熟柿とは熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つことの意味もあるらしい。 そこからの熟柿なわけだと納得。 最後に土居さんが柿の実が季節になれば熟すように、物事の成熟には適した時期があると言ってあげた時に土居さん、ステキだなぁと思った。 熟柿の意味を知れただけでもこの本を読んで良かったと思う。
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