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熟柿
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熟柿

佐藤正午(著者)

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熟柿

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2025/03/27
JAN 9784041146590

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商品レビュー

4.2

1173件のお客様レビュー

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2026/08/05

熟柿 「柿の実が自然に落ちるのを待つように、 時期が来るのを待つこと」  まさしくタイトル通りのストーリーだった。

Posted by ブクログ

2026/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●感想  佐藤正午『熟柿』 巷で大絶賛なので読んでみたけど、 あまり自分には合わなかった。 まず、妊娠中の妻に悪天候のなか長距離運転をさせ、自分は酒に酔って眠っている夫に、冒頭から強い嫌悪感があった。しかも夫は事故の衝撃に気づきながら救護を促さず、車の傷を確認して隠蔽し、その後は妻だけを裁く側に回る。あまりにも卑怯者に振り切れており、内面の苦悩や葛藤がほとんど見えない。主人公だけが揺れ動いているのを際立たせるためかとは思うが。 夫だけでなく、無責任な友人、悪意のある人々、反対に完全な善人として現れる母娘など、主人公以外の人物が「主人公を苦しめる人」と「主人公を救う人」にくっきり分かれすぎているように感じた。一人称小説では他人の内面が見えないことは珍しくない。しかし、好きな一人称小説では、他人はわからない存在として余白を残す。『熟柿』では、内面が描かれないまま善悪だけが確定し、解釈の余地がほとんどない。 こうした明快な人物配置は、サスペンスなどのエンタメなら楽しく読めると思う。しかし本作が扱うのは、罪と贖罪、刑期を終えた人への社会的制裁、母親である権利、人間の再生といった深刻な問題である。重い問いを提示する一方で、人物設計は善悪に振り切れ、最後の救済まで用意されている。その「テーマの深刻さ」と「構造のわかりやすさ」の不釣り合いが、私には合わなかった。 「熟柿」という、熟した柿が自然に落ちるように時機を待つことを意味するタイトルには惹かれた。ただ、卑怯な夫によって苦しみが長くなった期間を「実が熟すために必要な時間」として美しく束ねてしまうことには、やや抵抗を感じる。モチーフはきれいに回収されても、人物や物語の各部分が有機的につながったとは思えなかった。 世間では非常に高く評価されている作品だが、私が深刻なテーマの小説に求めるのは、わかりやすい感動や答えではなく、読み終えたあとも人物や問いについて考え続けられる余白なのだと、あらためてわかった。 私は合わなかった作品も、どこが合わなかったのか、考えたくなる。なぜ合わないのか考えたい。そう考えるとどんな読書も自分を知るツールなんだと改めて思い、さまざまな作品に触れる意義を感じる。 ●本概要 取り返しのつかないあの夜の過ちが、あったはずの平凡な人生を奪い去った。 2026年本屋大賞2位! 第20回中央公論文芸賞 受賞 本の雑誌が選ぶ2025年度上半期 ベスト10 1位 激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。

Posted by ブクログ

2026/08/05

私も同じ選択をする。「母親が犯罪者である」より、「母親はいない」の方が背負う不幸は少ないと思うから。 視野が狭まり冷静さを失った、息子会いたさの行動。普通に考えれば、それはヤバいでしょなのに、まさに盲目。世の犯罪もそれぞれの背景があるのかもと、これまでの私の勧善懲悪の思考に揺る...

私も同じ選択をする。「母親が犯罪者である」より、「母親はいない」の方が背負う不幸は少ないと思うから。 視野が狭まり冷静さを失った、息子会いたさの行動。普通に考えれば、それはヤバいでしょなのに、まさに盲目。世の犯罪もそれぞれの背景があるのかもと、これまでの私の勧善懲悪の思考に揺るぎが起きた。 出口のない孤独の真っ只中では、罪を犯した者として仕方のないことと、私も同一視して読み進めた。真面目に只々必死に生きているだけなのに、何と難しいことか。でも仕方のないこと。そう受け止めながら読む。 そして土居さんとの出会い。「待つ」という大きな愛。委ねることができればどれほど楽になることか、でも、失ってしまうかもしれない。勇気なんて出せるはずがない。 息子は、罪が「離婚する理由になるのか」問う。え? たらればだが、「犯罪者である母親として存在していたら」の彼の苦悩を加味したら、この台詞は出るのだろうか?もしくは、この上なく良き出会いに恵まれ育ったのか? 想像の斜め上に向かう終わりの展開。 話したいと思う人がいる。生への光が差してくる。待ってくれる人がいる。信じられる人がいる。 どれだけ時間が掛かったことか。掛かった分だけ、いやそれ以上に温かい時間と安らぎを与えて欲しい。もう救われていいよ。

Posted by ブクログ

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