星を掬う の商品レビュー
境遇は違うけれど気持ちの揺れは、共感出来た 自分が成長していくのにも、なりたい希望と出会いがあり、タイミングなのだとおもった ある意味上手にかけている共感した作品でした
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境遇というのか、自分がいるこの場所について、満足度や幸福度なんて人と比べられないものなのに、比べて羨ましがって卑屈になる。人との比較ばかりに目がいってると、自分の先を見れなくなるんだなと思った。 上手くいかない時、他のせいにした方が楽にはなるけど、そこで止まってしまう。結局は自分...
境遇というのか、自分がいるこの場所について、満足度や幸福度なんて人と比べられないものなのに、比べて羨ましがって卑屈になる。人との比較ばかりに目がいってると、自分の先を見れなくなるんだなと思った。 上手くいかない時、他のせいにした方が楽にはなるけど、そこで止まってしまう。結局は自分で選んでいるのだと思えた時、先につながるのかもしれない。自分に責任を持つ。 記憶も思い出もキレイなものだけじゃないけど、でも星を掬うっていうタイトル、素敵だと思った。
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世の中には順風満帆の親子ばかりとは限らない。 仲の良い夫婦ばかりとは限らない。 自分の居場所が、幸せな環境ばかりとは限らない。 この小説の主人公の千鶴は、 幼い頃に母親に捨てられ、離婚した夫は離婚後も暴力を振るい金をむしりにやってくるとんでもない奴で、職場にも気味の悪い同僚がいて… とにかく最悪な人生を歩んでいた。 身も心もボロボロだけど、毎日なんとか生きている。 必死に生きようとしてるわけではなく、かろうじて生きている。そんな感じ… 千鶴の人生が一変したのは、ラジオに投稿した自分の過去の生い立ちの文面が、とあるラジオパーソナリティの目に止まったことから。 千鶴の母親の知り合いという芹沢さんという女性が現れ千鶴を母親の住むシェアハウスに呼び、母親は若年性認知症であることを知る。 そして、千鶴はそこで暮らす人たちとさまざまな出来事を経験する。 最後の力を振り絞るっていうけれど、 認知症の進んだ母親が最後に千鶴たちを元夫から守ろうとするシーンが忘れられない。 千鶴と何十年離れて暮らしていても、千鶴が自分が守るべき存在だということは忘れていなかったんだなぁと思うと涙が出そうになった。 親子は最後まで親子なんだろう。 めちゃくちゃ暗い話で読み進めるのがしんどかったけど、最後はハッピーエンドでよかった。
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2024.11.01 タイトルが回収されていく瞬間に、こうも心が温かい何かでじんわりと包まれていく感覚は初めて。 読み始めから私の好きな言葉を紡ぐ作品だなあ、町田その子さん、やっぱり好きだなと思い始めてから、ひと文字もとりこぼさないようにと、時間も忘れ2日で読み終えてしまった。 なかでも何度も出てくる、電車の通過する音、それが起こす窓ガラスの揺れの描写はとても印象に残っている。 電車も窓ガラスも変わらずこのさざめきハイツに響いてるのに、日を追うごとに与える印象が変わっていく。 最初は耳栓すらしていたこの音。 時間が経ち、自分の弱さと向き合い、恐怖である「門扉の外」に出ることに立ち向かおうとする。少しずつ前を向く方向が定まりつつある後半では、 尊い音、に変わっている。 この電車と窓ガラスが起こす騒音は自分自身の弱さ、感じる恐怖、トラウマなのかな。 最初は耳栓すらして拒絶していたのに、 後半では尊い、と表現している。 千鶴にとって、この電車と窓ガラスのつくる音は、トラウマ以外に、ずっと恨み続けた母の存在を具現化したものだったのかもしれない。 弥一たちが家に襲撃してきたとき、 母に後押しされて手を取り合って逃げようとする恵真と千鶴の近くで電車が通り過ぎる音がした。 その時は2人を後押しする音になった、と感じた。 そして2人は電車に負けないように、叫んだ。 恐怖を、トラウマを、2人が乗り越え、母を一身に思い行動に出た瞬間だと思った。 たくさんの思い出が沈む深い深い海を人は持っていて、 時々、懐かしむようにそれらを掬っては前を向く材料にしたりする。 記憶をなくしていっても、自分を奮い立たせる、それだけで心が満たされる星のような思い出を、一つでも多く心に貯えて行けたらいいなと思う。 そんな人生にしたいと思える作品だった。 作中に出てきたお気に入りの表現たち ◎ 吐き出せなかった言葉たちを甘く包んで飲み下す ◎ ビーズを零したように、星が散っていた ◎ 連想ゲームのような、目的地を探しているような、とても楽しい旅でした。 ◎ 私の母のイメージは深い藍色一択で、その一色しか持たない人だと思っていたのに、おどろかほどにカラフルでした。カラフルな母と2人でたくさんの初めて子ことをしました ◎ それは醜く根を広げて私を蝕んでいる ◎ 朝のやわらかな風が吹き、、寝汗の滲んだ肌を撫でていった ◎ 小さな顔を縁取るピアスがキラキラと揺れた ◎ 誰かを理解できると考えるのは傲慢で、寄り添うことは時に乱暴となる。大事なのは相手と自分の両方を守ること。 相手を傷つける歩みよりは迷惑でしかないし、自分を傷つけないと近づけない相手からは離れること。
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若年性認知症について必ずしも正しい解釈で書かれているとは思えないが、メインテーマはそこではなく、むしろ付録のようなものなので特に気にならない。上下巻の長編を読み終えたかのような満足感。
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本には2つあると思う。 違う世界を見せてくれるもの 同じ世界の中で語りかけてくれるもの この本は後者。 リアルに情景が浮かんできた。 登場人物たちそれぞれハードな経験をしていて、 一歩間違えれば(?)盛り込み過ぎて非現実的になりそうなのに、そう感じさせない。 自分の人生誰か...
本には2つあると思う。 違う世界を見せてくれるもの 同じ世界の中で語りかけてくれるもの この本は後者。 リアルに情景が浮かんできた。 登場人物たちそれぞれハードな経験をしていて、 一歩間違えれば(?)盛り込み過ぎて非現実的になりそうなのに、そう感じさせない。 自分の人生誰かに責任を取らせようとしない。 語りかけられたメッセージがとても響いた。
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離婚しても続く元夫のDVに疲れきった千鶴。全ては幼い頃に母に捨てられたせいだと思っていた。元夫から逃れるために連れてこられた「さざめきハイツ」で母と再会する。母をママと呼び慕う恵真、娘に捨てられた彩子と共に暮らしながら、母娘の関係を再生していくストーリー。ラストには、それぞれの...
離婚しても続く元夫のDVに疲れきった千鶴。全ては幼い頃に母に捨てられたせいだと思っていた。元夫から逃れるために連れてこられた「さざめきハイツ」で母と再会する。母をママと呼び慕う恵真、娘に捨てられた彩子と共に暮らしながら、母娘の関係を再生していくストーリー。ラストには、それぞれの想いに涙した。 【傷ついていたら誰に何を言ってもいいわけじゃない。自分の痛みにばかり声高で、周りの痛みなんて気にもしないなんて、恥ずかしいと思えよ】 周りを傷つけて良い訳はない。傷ついて心が荒んでいくと、周りを気遣う余裕は無くなるのだろうか。傷ついていたとしても、周りに同じ思いをさせたくないと思える余裕と、その痛みを理解してあげる優しさも持ち合わせたい。 【自分の人生は誰にも譲ってはいけないし、責任を押しつけてもいけない】 自分の人生は自分のもの。当たり前ではあるが、思うとおりに行かないと、人のせいにしてしまいがち。人のせいにすれば、気が楽になるから。でも、その人が関わっていたとしても、それを選んだのは自分なのだ。自分の人生は、自分が作っている。どんなことも自分から逃げてはいけない。 【認知症というのは、記憶や感情を自身の奥底にある海に沈める病気だ。本人さえも、その水面は簡単に掬えなくなる。いまの母は何をどれだけ掬い取れるか分からない。ならばせめて、その手に掬い取れるものが星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。悲しみや苦しみ、そんなものは何もかも手放して、忘れてしまって構わない。きらきらした星だけを広げ 星空を眺めるように幸福に浸っていてほしい。その星々のひとつに、わたしとの記憶もあったら嬉しいなと思う。】 母が、病で認知症の症状が出始めた。病気の進行も早く、数カ月で色々な事が出来なくなってきた。母は、色々な事の中心、要となっていた人なので、周りのショックも大きく、また、母自身も出来なくなっていく自分にショックを受けている。これからどうなっていくのか、不安でならない。認知症症状が進んでいった時、このフレーズのように、きらきらした星だけを広げ、星空を眺めるように幸福に浸ってほしいと願うばかりだ。
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序盤は母の態度にイライラしてしまうことがあったけれど、何故母はこんな態度を取るのか、母の想いはなんなのか、これがわかると皆最終的に母のことが好きになると思う。 「自分の人生を、誰かに責任取らせようとしちゃだめ」 このセリフが個人的にすごくグサッときて、自分に当てはまる所が多すぎて...
序盤は母の態度にイライラしてしまうことがあったけれど、何故母はこんな態度を取るのか、母の想いはなんなのか、これがわかると皆最終的に母のことが好きになると思う。 「自分の人生を、誰かに責任取らせようとしちゃだめ」 このセリフが個人的にすごくグサッときて、自分に当てはまる所が多すぎて、本当に考えさせられた。これを機に誰かのせいだと嘆いて責任から逃れるのではなく、どこか自分に責任があるのだと考えようと思った。
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選ばされた様に感じた決断も、最終的には自分で決めたこと。他人のせいではない。人生は自分のもの。 ☆4.0
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この本から大事な物を学んだ気がする 私の人生は私のもの 誰のせいにしてもいけない そして 私の自由。
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