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星を掬う の商品レビュー

4.3

132件のお客様レビュー

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2025/01/15

愛してるからこそ傷つけてしまうことが往々にしておこるのが親子関係、特に母と娘である。あちこちで出会うこの傷への、町田そのこさんの解像度が高すぎる。

Posted byブクログ

2025/01/15

3分の2辺りから、一気に読みました。 終わりは、涙で字が読めません。 温かいエンディング、素敵でした。 「星を掬う」って、そういうことかと あまりにも美しく、ピッタリな表現だと思いました。 「私の人生は、私のものだ!」 この台詞が繰り返し表現されます。 様々な人物の、様々な思...

3分の2辺りから、一気に読みました。 終わりは、涙で字が読めません。 温かいエンディング、素敵でした。 「星を掬う」って、そういうことかと あまりにも美しく、ピッタリな表現だと思いました。 「私の人生は、私のものだ!」 この台詞が繰り返し表現されます。 様々な人物の、様々な思いのこもったこの台詞に 共感せずにいられません。 改めて、自分自身、 自分の人生における、自己選択と責任、 そして自分の思いを大切に、 周囲の価値観や評価から自由に生きて行きたいと思うのでした。

Posted byブクログ

2025/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼い頃に自分を捨てて出奔した母親と大人になって再会し一緒に暮らすことになった女性の物語。 母親に見捨てられ、父も祖母も亡くなった後は、結婚した男の暴力と金の無心に離婚した後もずっと囚われている千鶴。 彼女だけでなく、意外な形で再会した彼女の母・聖子も、同じ屋根の下で手を差し伸べてくれる恵真も家事を完璧にこなす彩子も、それぞれ心に傷を抱えているお話は重くて辛い。 加えて、千鶴の元夫や元同僚、彩子の元夫など男どものクズっぷりにも、綾子の娘・美保の心を開くまでの我儘ぶりにも読むのが苦しい。 が、それにもかかわらず、章が進むとともにドンドンぶち込まれてくる彼女らの事情にグイグイと読まされてしまった。 『私の人生は、最後まで私が支配するの』という母・聖子の生き方が潔い。 良くも悪くも家族や親という言葉にとらわれがちになるだけに、考えさせられるところがあった。

Posted byブクログ

2025/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

捨てられた側と捨てた側、どちらの事情も描かれているからこそ、すごく考えさせられる話だった。 捨てられた側は、自分の不幸の責任を、置かれた環境や捨てていった人に押し付けるのは楽だけど、誰も幸せになれない。 捨てた側は、被害者が望まないのに謝ることはしてはいけない。それは許されたい、解放されたいという傲慢になるから。 「星を掬う」のタイトルについて、本文では認知症の症状が例えに出ていたけれど、 それに限らず希望が見えない日常の中にいる人も、悲しいこと・苦しいことは掬わずに置いておいて、少しでも光を掬い取れたらきっと救われるだろうなと思った。

Posted byブクログ

2025/01/13

認知症の進行する母と、それに向き合うことができるようになってきた娘の関係 自分は捨てられたと思っていた娘、本当は娘を大切に思っていた母。過去にはすれ違いがたくさんあったのかな?時を経て再開した今でも、気持ちを伝える機会がないからすれ違っている。でも、風邪の娘に対する母の行動が印象...

認知症の進行する母と、それに向き合うことができるようになってきた娘の関係 自分は捨てられたと思っていた娘、本当は娘を大切に思っていた母。過去にはすれ違いがたくさんあったのかな?時を経て再開した今でも、気持ちを伝える機会がないからすれ違っている。でも、風邪の娘に対する母の行動が印象的だった。娘が小さい頃に好きだった、風邪の時には毎回作ってくれていたうそっこバナナサンドを今でも作ってくれた母。本当は大切に思っていたし言葉にできないだけで行動で示してくれている、とても感動したシーンだった。例え親子であっても、気持ちを伝えることが大事なのだと感じたし、それに加えて行動で示すことが大事なのだ。自分も家族とは離れているからこそ、会えた時にはたくさんの感謝を伝えて行動でも示したいし、年に数回会える時を大切にしたいとと思う。

Posted byブクログ

2025/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分の弱さの原因を過去のトラウマを理由にして逃げるのは、幸せにはなれないけど簡単で楽な生き方。地に足をつけて自分の人生を生きるとはどういう事なのかを知ることができる一冊だと思う。 苦しい現状からもがいて傷ついて、自分を知って、相手の立場を知ろうとして、でもまた自分を守るために相手を傷つけて...過程の描き方も読んでいる側が追体験できて良かった。 星を掬うというタイトルもぴったりだった。 また読み返したい。

Posted byブクログ

2025/01/08

千鶴の不甲斐なさや彩子と美保のやりとりにイライラしたから最初は読むのが楽しくなかった。 ハイツでの共同生活を経て千鶴が自分と向き合い、母を知ろうとした辺りから面白くなった。後半にかけて、聖子の思いを知って千鶴が母を理解できて近づいたと思ったら、聖子の病気が悪化してまた離れていく。...

千鶴の不甲斐なさや彩子と美保のやりとりにイライラしたから最初は読むのが楽しくなかった。 ハイツでの共同生活を経て千鶴が自分と向き合い、母を知ろうとした辺りから面白くなった。後半にかけて、聖子の思いを知って千鶴が母を理解できて近づいたと思ったら、聖子の病気が悪化してまた離れていく。そんな様がもどかしかった。病気と戦いながらも2人の娘を守って自立されるところに感動した。後半は勝手に涙が溢れた。心揺さぶられるとはこういうことなのかな。 私の人生は私のもの。それは状況が変わろうと変わらない。胸を張って自分の人生を生きていいと思える。 星を掬うはすごくいいタイトルだ。楽しい記憶が美しい星という表現はとても綺麗だと思った。

Posted byブクログ

2025/01/07

タイトルの意味が途中からわかっていく。DVの描写があり、読むのが辛いところも多かった。でも、母親の真意がわかってくる(気配がする)につれて、どんどん引き込まれて行った。町田その子さんの作品はほかに「宙ごはん」を読んだのだけれど、母娘の話が多いのかな。他も読んでみたい。

Posted byブクログ

2025/01/06

1回目を読んでからあまり時間は経っていないけれど、文庫本を買ったので早速2周目。 家族との関わり方とか、自分の人生の先について考えることが多くなった今、響く言葉も考えさせられるテーマもたくさん転がっていて、自分の心の中にどう掬っていこうかを考えながら読み進めた。

Posted byブクログ

2025/01/05

“52ヘルツのくじらたち”もそうだったが、町田そのこ作品はテーマが重く暗い。 本作品も物語の後半まであまりにも内容が暗く、読むのが辛かった。 後半になるにつれ、登場人物それぞれの想いがわかるシーンが増え、どんどん惹き込まれていった。 自分の母もこういう想いなのだろうか、母が聖子さ...

“52ヘルツのくじらたち”もそうだったが、町田そのこ作品はテーマが重く暗い。 本作品も物語の後半まであまりにも内容が暗く、読むのが辛かった。 後半になるにつれ、登場人物それぞれの想いがわかるシーンが増え、どんどん惹き込まれていった。 自分の母もこういう想いなのだろうか、母が聖子さんのような状態になったら自分は恵真や千鶴のように接することができるのか、自分が母になった時子供に対してどういう思いで接するべきなのか‥ 物語を通じて考えさせられることが凄く多かった。 母の強さ、影響力は凄まじいものなんだなと痛感したし、母の想いに自然と涙が溢れてきた。 久しぶりに泣ける本と出会えた。 いずれは年老いてしまう母と、将来生まれてくる子供と、自分はどう過ごしていきたいのか、どういう関係でありたいのか、少し考えてみたいなと思う。

Posted byブクログ