ザリガニの鳴くところ の商品レビュー
とにかく暗い。希望を求めて一気読みしたけどずっと可哀想。湿地のじめっとした雰囲気と、光の見えないストーリーの相乗効果でかなり重たい。もう読みたくない。
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ノースカロライナ州の湿地で村の裕福な青年の死体が見つかる。「湿地の少女」ことカイアに容疑がかかるのだが、、、。6歳で置き去りにされた少女と、湿地の大自然や人々との人生ドラマが繰り広げられる。作者が自然科学の専門家であるため、動植物の描写が素晴らしい。ミステリーの要素はやや希薄。北...
ノースカロライナ州の湿地で村の裕福な青年の死体が見つかる。「湿地の少女」ことカイアに容疑がかかるのだが、、、。6歳で置き去りにされた少女と、湿地の大自然や人々との人生ドラマが繰り広げられる。作者が自然科学の専門家であるため、動植物の描写が素晴らしい。ミステリーの要素はやや希薄。北欧ミステリーファンには物足りないだろう。
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映画を観て、原作も読みたくなって、一気に読み切った。この小説を何かのジャンルに分けることは、ナンセンスなのかもしれない。ミステリーといっても、謎解きがゴールではない。湿地で、決して恵まれた境遇ではない環境で育った一人の女性が、自然の中でどんなことを学び、育み、どんな風に生きて死ん...
映画を観て、原作も読みたくなって、一気に読み切った。この小説を何かのジャンルに分けることは、ナンセンスなのかもしれない。ミステリーといっても、謎解きがゴールではない。湿地で、決して恵まれた境遇ではない環境で育った一人の女性が、自然の中でどんなことを学び、育み、どんな風に生きて死んでいったのかを知ることができて、良かった。謎解きがゴールじゃないと言っても、やっぱり最後の場面で「ほぉー!」となってしまう。だからこれだけ売れたんだとは思う。個人的には、法廷での尋問シーンは、要所で読み手に重要な情報を与えてくれて、よく作られた小説だなぁと感じた。
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ミステリ要素だけを期待して読んだら謎解きが物足りない(あっと驚く〜とかはない)けれど、一人の女性の人生の物語として読むと満足度高い。 ただ同じ女性としては結局男どもが揃いも揃ってクズだなと思ってしまう...笑
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とても情景が浮かぶ綺麗な文だった。 カイアの暮らす自然が奥深い湿地と、人を遠ざけるような場所で静かに育ってきたカイアの境遇が、簡単には触れていけないもののような気がして、そっと見守るようにして読んだ。 孤独な少女が、わずかな人との交流の中で、愛、裏切り、優しさ、憎しみ、怒り、絶望...
とても情景が浮かぶ綺麗な文だった。 カイアの暮らす自然が奥深い湿地と、人を遠ざけるような場所で静かに育ってきたカイアの境遇が、簡単には触れていけないもののような気がして、そっと見守るようにして読んだ。 孤独な少女が、わずかな人との交流の中で、愛、裏切り、優しさ、憎しみ、怒り、絶望、喜びを知る姿。どうか光の方へ導いてあげたいと思う反面、彼女にとって世界が広がっていくことは、本当に幸せだったのか、なんてふと考えたりした。 最後まで読んだ後に残る余韻は、静寂だった。 すべて自然の中に還っていく。そんな気がした。
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1ヶ月かけてじっくり読んだ。 海外の小説はいつも登場人物がこんがらがってよくわからなくなることが多いのだが、この小説はとても展開が追いやすかった。 さすが(?)翻訳小説部門大賞。 で、後書きにもあったけどサスペンスでもあり、生物学的でもあり、社会派な側面も持った内容で、奥深かっ...
1ヶ月かけてじっくり読んだ。 海外の小説はいつも登場人物がこんがらがってよくわからなくなることが多いのだが、この小説はとても展開が追いやすかった。 さすが(?)翻訳小説部門大賞。 で、後書きにもあったけどサスペンスでもあり、生物学的でもあり、社会派な側面も持った内容で、奥深かった。 著者が学者だからかシーンそれぞれにその深みを感じた。(時に生々しい) そして最後のどんでん返し感。 え、、まじか、、ってなりました。 面白かったです。
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ミステリーやヒューマンドラマみたいな色んな側面を感じる一冊でした。 ストーリーは当然のこと、動物の行動や自然の営みととても丁寧かつ、わかりやすく書かれていたのが印象に残りました。 物語と同じかそれ以上に動物や自然がいきいきと書かれていて、人間ていうものはその中のたった一つの種でし...
ミステリーやヒューマンドラマみたいな色んな側面を感じる一冊でした。 ストーリーは当然のこと、動物の行動や自然の営みととても丁寧かつ、わかりやすく書かれていたのが印象に残りました。 物語と同じかそれ以上に動物や自然がいきいきと書かれていて、人間ていうものはその中のたった一つの種でしかない。みたいなことを感じさせる主人公でした
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まず作者で動物学者でもあるディーリア・オーエンズの描く動植物の生き生きした姿、自然の描写は素晴らしい。その環境に囲まれて成長する「湿地の少女」の幼少期~やがて死ぬまでを綴った作品だが、過去のパートと不審死事件の捜査をするパートが交互に描かれ、終盤交錯する。そして法廷劇の様相をも呈...
まず作者で動物学者でもあるディーリア・オーエンズの描く動植物の生き生きした姿、自然の描写は素晴らしい。その環境に囲まれて成長する「湿地の少女」の幼少期~やがて死ぬまでを綴った作品だが、過去のパートと不審死事件の捜査をするパートが交互に描かれ、終盤交錯する。そして法廷劇の様相をも呈してくる。しかし判決は個人的には納得がいかないというか、説得力を欠くように思われた。落ちも弱く、散々ひっぱたあげく意外性のない結末に肩すかしをくらった気分。しかしそういった瑕疵を差し引いたとしても小説としての全体の評価は高く、アメリカはニューヨークタイムズ誌のベストセラーリストに73週以上ランクインしたというのもうなずける。映画化もしている。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou34101.html
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人湿地に包まれて育まれるカイア。 寂しさと、湿地、自然の温もりとの対比に息をのみました。 美しくて寂しくて温かく冷たくて穏やかでおおらかで激しい。 どうなるんだろうとページを先へ先へと必死でめくりました。 最後を正確に言葉にすることは誰にもできないだろうと思います。 自然とのシーンの描写はもちろん、特に好きなのは聖書を開いたシーン、はじめて知った名前、名前から思い浮かべる残像と温もり、でした。 カイアの孤独が育んだ想像力が痛いほど伝わってきて、読んでいる私が震えました。 何かを狂信することなく、偏見に惑わされず、今ある概念に固執したり人に左右されず、是も非も公平に自分での頭でしっかり考えて生きていきたい、とまた強く思いました。
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著者ディーリア・オーエンズの本業が動物学者であるということに、まず驚かされる。小説家としてのデビュー作で、こんなにも壮大で奥深く完成度の高い作品を生み出してしまった。終盤は、ページを繰る手を止められなくなる。 その一方で、この小説は、動物学者である彼女だからこそ書くことができの...
著者ディーリア・オーエンズの本業が動物学者であるということに、まず驚かされる。小説家としてのデビュー作で、こんなにも壮大で奥深く完成度の高い作品を生み出してしまった。終盤は、ページを繰る手を止められなくなる。 その一方で、この小説は、動物学者である彼女だからこそ書くことができのだとも強く思う。 青年の不審死を巡るミステリを縦糸として通しながら、家族に捨てられ天涯孤独となった主人公の少女のサバイバルストーリーが骨太に語られる。 崩壊した家族の悲壮、共同体における理由なき差別の醜悪、救いの手を伸べる善意の尊さ、思春期における異性への押さえきれない欲望の純粋さと残酷…人の世における苦しみと希望が多面的に描かれると同時に、湿地の環境に溶け込んで暮らす主人公は、生き物たちと交流する中で、人智を超えた自然の真理を学び取っていく。その見地からすれば、所詮人間の営みやエゴなど、人の意識が生み出した幻想でしかないと思えてくるのだ。 この崇高さ。 格の違いを感じさせてくれる小説。
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