宙わたる教室 の商品レビュー
定時制高校が舞台の物語。 純粋にいいなと思えた。 勝手なイメージだけど、「学歴」のために行く定時制の高校。だけど、この物語には自分の「居場所」があり、人生の支えになる。 定時制の教師に興味をもちました!
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科学をモチーフにしたストーリーが面白い伊与原さん。今回は最高傑作。晴れやかになれます。 オポチュニティの轍はすぐに画像検索して、同じ感慨深さを味わいました。モチーフになった実在する高校があるのも素晴らしい。
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ずっと気になっていた伊与原新さん。 初読み。 『宙わたる教室』は 第70回青少年読書感想文全国コンクール・高等学校の課題図書に選ばれ NHK「ドラマ10」で製作開始、10月から放送予定。 主演は窪田正孝さんだ。 科学部の面々が定時制に進学した理由は本当に様々だ。 小説の中で 「通信制の高校とかもいっぱいあるじゃないですか。 なんでわざわざ定時制を選ぶんですかね」と問われた岳人が 「いい思い出なんか一個もなくても、 引きこもっていた時期があったとしてもさ、 学校に行きたい気持ちはきっと、なかなかゼロにはならねーんだよ」 「不思議なところだよな、学校って」 と答える。 なんかじわぁ~んと響いた。 科学部の結束が強くなって 一歩ずつ前進していく姿はとても頼もしく 読者の私も彼らと一緒に活動しているような気持ちになって その成果に喜びを感じた。 この小説が生まれたきっかけを伊与原さんが 「今年の連合大会、高校生セッションに抜群に面白い研究があったよ。 定時制高校の科学部でさ、メンバーもいろいろで面白いんだ」 学生時代にお世話になった教授のそんな言葉をきっかけに、この小説は生まれました。 と、あとがきに書かれている。 定時制高校科学部の研究は JAXAを中心とする「はやぶさ2」サンプラーチームの基礎実験に繋がり その結果が学会で発表される際には 定時制高校科学部が共著者として名を連ねた。 彼らの研究が最先端の惑星科学に貢献したということだ! あとがきを読んで、さらに感動が深まった。 いつからだって遅くない… 道はひとつじゃない… あきらめないこと…
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定時制高校の生徒と担任教師が、信頼関係を築きながら科学部を創設し、学会発表までおこない優秀賞を取るまでの話。 不良男子、保健室ひきこもり少女、フィリピン女性、高齢男性などそれぞれが抱える問題がある中で、それぞれがもつ能力を引き出す担任の藤竹の力量が光る。 スポーツを使って生徒を立ち直らせる物語は多いが、科学を使ってのこういった話は珍しいなと思いました。 実験の内容は、難しくてあまり良く分からなかったですが、映像化したら面白いかなと思いました。
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さらりと描かれるストーリー オポチュニティーや登場人物に自分を重ねる部分が何ヵ所かあり揺さぶられた。 心に残る作品だと思う
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○実験の楽しさ、学ぶこと探求することに垣根は無い ○大阪の定時制高校がモデル 1:夜八時の青空教室(柳田岳人:ヤンチャ) …藤竹先生、岳人くんを宙の教室に誘う ←学びたい、知りたい気持ちをかき立てる 2:雲と火山のレシピ(アンジェラ:フィリピン料理のお店) …岳人くん、お酢のマグマの実験にアンジェラさんに意見をもらう ←逃げる言い訳はいろいろある 3:オポチュニティの轍(名取佳純:保健室登校のSFマニア) …『火星の人』の火星の土を再現してみる ←“自分を救おうとしている人間しか、わたしは手助けできない” 4:金の卵の衝突実験(長嶺省造:町工場を定年退職した質問魔) …岳人VS省造、科学部に技術の鬼が入部 5:コンピュータ室の火星(丹羽要:全日制のコンピュータ部、情報オリンピックを目指す) …岳人、要とのエンカウントに失敗。火星実験の部屋は得られるか? ←荒れる弟は、やっぱり大切な家族 6:恐竜少年の仮説(藤竹先生:先生はフラットな探求の夢を見る) …藤竹先生が科学部で行った実験は… ←学問の探求に垣根は無い 7:教室は宙をわたる(科学部+要) …コンテストで定時制科学部は発表する ←清々しい、この後きっと失敗も成功もごろごろしながら歩んでいくんだろうな
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定時制高校…というと、どんな印象をもつだろうか? いろんな年代の人たち。 そしていろんな事情で学べなかった人たちがひっそりと共有する空間。 そしてそれはもしかして。 とんでもなく奇跡的な化学反応を起こす出会いが起きてもおかしくない環境なのかもしれない。 新宿のとある定時制高校に...
定時制高校…というと、どんな印象をもつだろうか? いろんな年代の人たち。 そしていろんな事情で学べなかった人たちがひっそりと共有する空間。 そしてそれはもしかして。 とんでもなく奇跡的な化学反応を起こす出会いが起きてもおかしくない環境なのかもしれない。 新宿のとある定時制高校に発足した即席科学部。 いろんな事情を抱えたみんなが見つけた勉強よりも尊いものとは。 実在した定時制高校の科学部からインスピレーションを得たというこの作品。 人はみんなたくさんの可能性をもつことを教えてくれる この著者が織り成す科学と人情の世界にはいつも涙腺が緩んでしまう
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ありがちっぽいと思いつつ、リアル感と研究のななめ上を行く高度さでグングン読んでしまった。 宇宙とかなんでワクワクしちゃうんだろなー
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夢中になれるものに出逢った時、 人は変われるのですね。 17時45分から始まる定時制高校。 様々な背景を持つ生徒たち。 どこにも居場所のない若者。 すぐ過呼吸に陥ってしまう少女。 娘に励まされて勉強に挑戦する母。 そして、退職後の元工場経営者。 自身が異色の経歴を持つ藤竹先生は...
夢中になれるものに出逢った時、 人は変われるのですね。 17時45分から始まる定時制高校。 様々な背景を持つ生徒たち。 どこにも居場所のない若者。 すぐ過呼吸に陥ってしまう少女。 娘に励まされて勉強に挑戦する母。 そして、退職後の元工場経営者。 自身が異色の経歴を持つ藤竹先生は、 そんな彼らに声をかける。 「科学部を作りませんか」 生徒の描写もさることながら、 藤竹先生が語る科学の話が面白い。 空が青くて夕焼けが赤いのは? そして、火星の夕焼けは青い? 最も興味深かったのは 火星探査機、 NASAのオポチュニティ。 想定運用期間は三か月だったけれど 14年間の苦難の旅を続けることに。 藤竹先生がお気に入りの写真は 『オポチュニティの轍』 「この子が、一人来た道を 振り返って撮ったんです」 思わずググってしまった。 可愛い! そして切ない…。 理学部卒業の伊予原氏。 実話をヒントにした物語だとか。 心温まる学園物語であると同時に 科学への愛に溢れた作品でした。 いるかさんのレビューを読んで 手に取りました。 ありがとうございます♪
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10月からドラマ化おめでとう! 是非!岳人くん役が長瀬智也さんで! 人に関わることを恐れないでと言ってくれているような…胸が熱くなる一冊でした。面白かった! 広い年齢層が一緒に学んでいる定時制高校、一筋縄では行かないんだなあと授業風景を読んでいて感じた。 部活中はみんな楽しそう...
10月からドラマ化おめでとう! 是非!岳人くん役が長瀬智也さんで! 人に関わることを恐れないでと言ってくれているような…胸が熱くなる一冊でした。面白かった! 広い年齢層が一緒に学んでいる定時制高校、一筋縄では行かないんだなあと授業風景を読んでいて感じた。 部活中はみんな楽しそうだね!岳人がたくさん勉強して、難しいワードをスラスラ並べて要とかに説明しているあたり、彼の夢を応援したくなった! 一章の終わりで岳人も興味を持った「火星の夕焼けは青い」「マグマの噴火実験」とか、惹かれるワードが次々出てきて序盤からワクワクが止まらない! これがもし、他高のテーマのような難しいやつだったらこんなにのめり込まなかったかも(^^;) 「あなたはもちろん、池本さんも退学になどさせません。私が必ず守ります。だからあなたも、自分のことを投げ出す口実にしないでください」と真っ直ぐに言い切る藤竹先生がもう…!すがりたくなる。 二章での岳人はすっかり藤竹先生といいコンビというか、仲良さげになってるな。 " 彼となら科学部が動き出すはずだ "って藤竹先生も確信してたしね。 p.131 のクレーター実験時、長嶺の登場で明らかに岳人の機嫌が悪くなり舌打ち。教室で例の騒ぎがあった後、しれっと現れた長嶺に対しての舌打ち…分かるなあ。気にしているのはこちらだけみたいな…わたしもそういう時イラっとするの隠せない…若者と年長者の対立時だと長期戦になるのは大抵若者に感じる。 あのどうしようもない不良、と言っているあたり外見だけでしか判断できないのにもイライラ。 木内先生も言っていたけど、定時制特有のトラブルの一つに、世代間の衝突があるという。想像つくなあ。 長嶺の余計な一言に最初はやっぱり衝突するも、岳斗が結構折れてくれているんだなと感心した。 年配との衝突は若者が折れた方が早いとも日々感じたりするのも同じかなあ。 「恐竜少年の仮説」で明かされる藤竹先生のあれこれ。意外と腹が読めず、クレイジーだなと。 アンジェラと佳純がやっていたドライアイスを使った実験さ。ドライアイスを砕いてかき氷器で削る→コンテナに入れて火山灰を入れてハンドミキサーでかき混ぜる。これ、火山灰がぶわって舞ったりしないのかな。ドライアイスと混ぜるから重くなって飛ばないのだろうか… 藤竹先生の回想シーン、『論文にKの名前も載るか』の件で思わず牧野富太郎のドラマのシーン浮かんできた…あのときも教授の名前より自分らを優先していたものね… 部員4人だけじゃなく、いつの間にか要や木内先生、麻衣ちゃんまでもが科学部に何かしら関わってきて風向きも良くなって嬉しくなった! 高校でA0サイズを印刷できる大判プリンターがあるのがすごいな… 木内先生のアドバイス「まずはぶちかましてギョッとさせろ」作戦気持ちいい!! 「私たちは実験室に火星を作ることに成功しました」なんて言われたらそりゃ、釘付けよ。
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