宙わたる教室 の商品レビュー
登場人物の一人一人に物語があり、それの一つ一つに心動かされるものがありました。 ドラマも再現度が高く、もう一度ていねいに読もうと思います。
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伊与原新さんは『月まで三キロ』『オオルリ流星群』に続き3作品目 地球惑星科学を専攻されていた経歴もあり、理工系の科学知識を小説に見事に融合させるのが伊与原さんの特徴だが、本作は今までの作品の中でも一番直球で胸に響く作品だった。 定時制高校に対して世間が持つ偏見を客観的に捉えなが...
伊与原新さんは『月まで三キロ』『オオルリ流星群』に続き3作品目 地球惑星科学を専攻されていた経歴もあり、理工系の科学知識を小説に見事に融合させるのが伊与原さんの特徴だが、本作は今までの作品の中でも一番直球で胸に響く作品だった。 定時制高校に対して世間が持つ偏見を客観的に捉えながら、その舞台の中で個性溢れる面々が、様々な事情を抱えつつも自らの意思を持って学び、貪欲に吸収しようとする姿に本能的に魅せられた。 特に、科学部立ち上げのメンバー個々の事情が順につぶさに多角的に描かれているので、“学び”が人にとっていかに貴重で尊いものであるのかが痛い程伝わってくる。 また物語の核となる存在である藤竹先生。 藤竹先生の略歴もさることながら、彼が本当に求め追求しているものは何か。科学部発足を計画した彼の、隠された熱い思いに涙が滲んだ。 あとがきで本作誕生のキッカケが記されていたが、実話からヒントを得たフィクション作品といえど、盛り込まれた要素と、決して綺麗事だけで纏めずリアリティを追求された構成は見事だった。 静かな宙に向けられた熱い探究心に、私自身も学びの本能が触発されるような読後感に浸れた。科学的な要素がありながらも万人に読みやすく、伊与原さん作品の初読みには特にオススメしたい作品。
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NHKでドラマ化され、偶然見て、気になったので図書館で借りて読んみました。 ディスレクシアで落ちこぼれてしまった青年、外国に由来を持ち家庭の事情で学校に通えなかった女性、起立性調節障害で不登校になった少女、中学を出て集団就職で上京してきた男性。彼らが定時制の科学部で学びの面白...
NHKでドラマ化され、偶然見て、気になったので図書館で借りて読んみました。 ディスレクシアで落ちこぼれてしまった青年、外国に由来を持ち家庭の事情で学校に通えなかった女性、起立性調節障害で不登校になった少女、中学を出て集団就職で上京してきた男性。彼らが定時制の科学部で学びの面白さを知る。 実際に大阪の定時制高校が、2017年の日本地球惑星科学連合の大会で優秀賞を取っていて、2011年には、彼らの装置が注目され、JAXAを中心とするはやぶさ2のチームに同様の装置が使われる(あとがきより)という事実に感銘を受けた作者が創作した物語です。 多くの人にに読んでもらいたい作品です。
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青春でした 何かに夢中になっていく 人生を諦めないで何でもいいから成し遂げてほしい 物語に入り込んで、登場人物をいつのまにか応援してました
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本を読み終えたらドラマが始まっていました。 子育てを終えたが当時我が家も色々あり、学校、主治医の先生方や家族に関わる周囲の方々に助けられ、今があります。 ココロの病、SOSなかなか出せないどころか、家族まで生活が変わってしまいます。 でも少しの勇気で人と繋がり、その出会いで人生変...
本を読み終えたらドラマが始まっていました。 子育てを終えたが当時我が家も色々あり、学校、主治医の先生方や家族に関わる周囲の方々に助けられ、今があります。 ココロの病、SOSなかなか出せないどころか、家族まで生活が変わってしまいます。 でも少しの勇気で人と繋がり、その出会いで人生変わる事、身をもって経験しました。 案外身近にわかってくれる人っていますよ。 ぜひ本やドラマをみて一歩踏み出して欲しいです。
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いろいろな事情を抱えた定時制高校の面々。 通信制もこんなに増えてきた中で、なぜ定時制を選ぶのか?には「学校に通いたいから」 科学部の活動も学校に通わなくてはできないこと。 みんながみんな救われる夢物語、だけではない。結局は学校をやめていく人も描かれている。現実、そうだもんね。 保...
いろいろな事情を抱えた定時制高校の面々。 通信制もこんなに増えてきた中で、なぜ定時制を選ぶのか?には「学校に通いたいから」 科学部の活動も学校に通わなくてはできないこと。 みんながみんな救われる夢物語、だけではない。結局は学校をやめていく人も描かれている。現実、そうだもんね。 保健室の佐久間先生の「自分を救おうとしている人間しか、私は手助けできない」には、はっとさせられた。仕事柄、いろいろな生活環境にいる方を見る事があるが、困っている人、全員を助けられるわけではない。どうすることもできない自分に歯がゆい思いもしてきたが、他人には、自分の納得できない環境に抗い、脱出する気持ちを持っている人しか、救えないのかもしれない。
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科学に魅了され歩む道を変えていく登場人物たち、その姿を魅力的に描いていてグッとくる。サイエンスを題材とした小説というよりも、しっかりとした人物設定、心理描写、ストーリーが素晴らしい。また読みたい一冊。
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定時制高校に通う事情を抱えたひとりずつのストーリーから、後半は全員の話になり、最後には感動で終わるという心地よい読了感がある。 学ぶことの楽しさ、夢中になることの素晴らしさ、そこに師や友に対する尊敬や信頼も加わっていく、とても心あたたまる物語でした。
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面白かった。 定時制に通う年代も育った環境も違う生徒たちが科学部を創り、ひとつの目標「火星のクレーターを再現」を目指して、切磋琢磨するお話。 火星についての難しい説明もあるが、一気に読み進めたくなる魅力がある。 私も何か始めたくなった。
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おもしろかった!! 東新宿高校定時制の生徒たちが科学部に入る。 顧問の藤竹先生の言うところの「実験」として始まった科学部の活動が、どんどん本格化し、知的好奇心と本当の仲間を生徒たちに与えた。 1人の教師との出会いが、岳斗、アンジェラ、長嶺、佳純の人生を変えた。目の前の子供を、勉強...
おもしろかった!! 東新宿高校定時制の生徒たちが科学部に入る。 顧問の藤竹先生の言うところの「実験」として始まった科学部の活動が、どんどん本格化し、知的好奇心と本当の仲間を生徒たちに与えた。 1人の教師との出会いが、岳斗、アンジェラ、長嶺、佳純の人生を変えた。目の前の子供を、勉強できない子、と決めつけるんじゃなくて、その理由や得意なことを一緒に探していきたいなと綺麗事なしで思える。 完全フィクションだと思って読んだけど、あとがきでストーリーにはモデルがあることを知ってより感激した。もちろん現実は小説みたいに上手く行くことばかりじゃないけど、前向きに学ぶことのすばらしさ、本気になれば誰でも何かを生み出せること、成功体験の大切さを知ることができる。
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