空鳥(ヌエ)の碑 の商品レビュー
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17年ぶりの新作でもうすっかり前作や他シリーズも忘れている状態。 関口君が挙動不審とはいえ知り合いでもない人とキチンと喋れて世話を焼いたりして案外マトモ。 京極堂も関口君以外と話すときは普通。 でも京極堂の仕事のお付き合いで何の役にも立たない関口君連れてくる必要ある? 榎木さんちのホテル無料で泊まれるとはいえ。 仲がいいおっさん達。 でも自分も年をとったせいか若い頃は萌ポイントだったんだけど感じ方が変わってしまって。 第三者(久住さん)の前でお友達(関口君)をあからさまに侮辱するような事は言わない方がいいと思うよ京極堂。嫌な友達よそれ。 ホテル従業員登和子から殺人の告白を受け、気を揉む劇団付き作家久住さんと首を突っ込む関口君。(蛇の章) 婚約者寒川の行方を探す御厨と主任探偵益田君。(虎の章) 過去に起きた遺体失踪事件を上司から内密に調べるように頼まれた木場さん。(貍の章) 中禅寺とともに日光の護法天堂から発見された経典、古文書を調査する築山氏(猨の章) 亡くなった叔父の診療所に片づけに来た緑川さん(鵺の章) (緑川さんは関口君、中禅寺と同級生で交流もあったらしい。過去作品出てた???) 様々な人物の捉え方によって見方の変わる人物や状況。 鵼が様々な動物のキメラであることや、獣形であるのに鳴き声だけで怪鳥と定義されること、死後にその姿が確定した事… その鵼の解釈などを絡めた状況など途中本当面白くすらすら読めたんだけど………京極先生の本を読むのも久しぶりなので、パッと他のシリーズの「あの人の子孫か」とか忘れちゃってる状態でもったいない読み方しちゃった。 それに、なにしろ京極堂曰く「なんの事件も起こっていない状態」なので、謎解きされて肩透かしを喰らった感はある。 (古文書解析の仕事場になんで憑き物落としの着替え持ってきてるの京極堂) 榎木さんが出てきちゃうと一発で解決しちゃうからテニスしたり乗馬したり外野でワイワイやってて最後の方にチビっと出てくる感じ。 どうなんだろう? 色んな子孫が出てきて久しぶりのキャラクターの会話も見れて元々シリーズのファンとしてはワクワク満足… だけど事件としては大きいんだかちっぽけなんだか…蓋を開けたらポカンという感じ。 化け物の幽霊って言われたらそりゃそうなんですけども。 理屈は綺麗に整ってるけど、寒川さん失踪したまんまで憑き物落とせずに不憫だし。 ちょっと引っかかる感じ。 なんともいえない気分。 京極堂本当最後にペラペラっとまくしたてて解決したな。 何日も徹夜で西遊記読み込んでたのに。そんな時間あった? とかちょっと思った。 緑川さん、キャラクターとしては好きな女性だけど、あなた誰でしたっけ?
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17年ぶりのシリーズ新作!ということで発売当日の朝開店時間に書店に飛び込んだーーのだけど読了までに三週間ほどかかってしまったのは、一重に「重いから」。重いよ…バッグに入らないよ。家で読むにしても疲れるよ。単行本と新書版で選べたが、文庫上下巻とかも欲しかったなぁ。 内容的にはファン...
17年ぶりのシリーズ新作!ということで発売当日の朝開店時間に書店に飛び込んだーーのだけど読了までに三週間ほどかかってしまったのは、一重に「重いから」。重いよ…バッグに入らないよ。家で読むにしても疲れるよ。単行本と新書版で選べたが、文庫上下巻とかも欲しかったなぁ。 内容的にはファンサが充実してました。全員集合。過去の事件のあれこれちらほら。「はーっ、これこれ!」と嬉しい反面、事件的には……というか憑物落とし的には物足りないというか、まあテーマが鵼なので、鵼なんだろうけど…… あり? だったかなぁ。中々核心に触れないまま頁をめくり続け、しかしこれあと「たったの100ページ」「しか」ないけど大丈夫?祓えるの??と心配してしまいました(笑 しかし蘊蓄好きにはやはりたまらん内容。「幽谷響の家」はもうちょっと早めに読ませて頂けたら嬉しいな。 わたしの腕が本の重さに耐えられるうちに。
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最高に楽しかった。 個人的に数年小説離れをしておりましたので、随分久しぶりの小説読書でした。 そんな折の久々に見ると眩暈がする(相変わらずで嬉しくもある)分厚さ(笑)。まとまった時間も取りづらい中読了できるか正直不安でしたが、3週かけてようやく読了しました。 学生時代ハマりに...
最高に楽しかった。 個人的に数年小説離れをしておりましたので、随分久しぶりの小説読書でした。 そんな折の久々に見ると眩暈がする(相変わらずで嬉しくもある)分厚さ(笑)。まとまった時間も取りづらい中読了できるか正直不安でしたが、3週かけてようやく読了しました。 学生時代ハマりにハマった登場人物達(もうすっかり歳下になった主要キャラ達w)がややこしい事件、なのか事象なのかに関わってそれがそれがさらにややこしく絡まって皆集合していく感が本当にワクワクしたし、最終的にそれを京極堂が解きほぐして整理する様式美も本当に在りし日のときめきが甦るような実に楽しい読書期間でした。 また、1950年代を舞台にしつつも現代の諸問題をちょくちょく彷彿させるような内容も交えてあって、社会問題に対面する事も多くなった現年齢だからこそ引き込まれる部分があった事は今回初めての知見でした。 京極先生、素晴らしいです。 時間を取るのが難しくはありますが、久しぶりに既刊も読み返したくなりましたので、時間をかけて振り返りつつ、ゆるりと続刊を楽しみに待とうと思います。
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2023/10/9 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。 2023/12/28〜2024/1/17 ここ数年「ビブリア古書堂」シリーズを年初の本としてきたが、今年は新刊が無かったので、17年ぶりに出た百鬼夜行シリーズを年跨ぎの本とした。おかげで、17日になってようやく小説系の最初の読了本となった。 17年も経てば、キャラも忘れていようものだが、このシリーズにはそれは当てはまらない。懐かしの面々が登場、3つの謎が複雑に絡み合いながら、最後は京極堂の憑き物落としが鮮やかに決まる。あの名セリフ「この世には不思議なものなど何もないのだよ」も登場。やっぱり面白いや。
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17年振りの百鬼夜行シリーズ新作 昭和29年、日光を舞台にした物語 蛇、虎、狸、猿、鳥のキメラである鵼を象徴するように、登場人物である関口、御厨、木場、築山、緑川の視点で語りは進行する それぞれの視点の交わりと収斂で読者に鵼をチラつかせる 何かを掴めそうにしながら擦り抜ける、没入...
17年振りの百鬼夜行シリーズ新作 昭和29年、日光を舞台にした物語 蛇、虎、狸、猿、鳥のキメラである鵼を象徴するように、登場人物である関口、御厨、木場、築山、緑川の視点で語りは進行する それぞれの視点の交わりと収斂で読者に鵼をチラつかせる 何かを掴めそうにしながら擦り抜ける、没入しながらも茫とした読書感が心地良かった 本シリーズの新たな登場人物として緑川佳乃 彼女は京極堂、榎木津、関口の同輩のようだが、この期に及んで彼等とやり合えるようなキャラクターをよく出せるものだと感心した 物語の時代設定として、これからの高度経済成長を象徴しそうな性格設定 著者の他シリーズ、巷説百物語、書楼弔堂とも話が繋がる 読んでいなくても本作自体には何の影響もないが、読んでる人間にとっては世界観の深まりが非常に嬉しい
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安さに惹かれて新書版を買う。 まずは 重い 縦横厚みの比率がおかしい 手が疲れる 読みにくい。 当たり前だが時代は前作と同じはずだけど、臭ってくるような戦後の臭いが薄まった感じがした。 でも色味はグレー、茶色、血糊の色のグラデーションは変わっていない。 榎木津の登場でいきなり極...
安さに惹かれて新書版を買う。 まずは 重い 縦横厚みの比率がおかしい 手が疲れる 読みにくい。 当たり前だが時代は前作と同じはずだけど、臭ってくるような戦後の臭いが薄まった感じがした。 でも色味はグレー、茶色、血糊の色のグラデーションは変わっていない。 榎木津の登場でいきなり極彩色。明るい。ホッとする。 いつものメンバーの安定した関係性。 久しぶりで楽しかったが、いつもの京極堂ワールドには少しもの足りない。 自作期待します。
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読み終わってしまった。またみんな(登場人物たち)に会えてうれしいが読み終わってしまって寂しい。次回作も楽しみに待つ。 シリーズを重ねてきて、京極堂の影響でいつメンたちがだんだんと「情報の整理整頓」「公平性」が板についてきていて笑った。(微笑ましいという意味で) 成長を感じる。
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とうとう読めた『鵼の碑』。うれしい。これを読まずして死ねないという作品やシリーズはいくつかあって、実際に読める日がこなかったとしても。そういう作品は生きていくための理由になる。ちからになる。本書を読み終えたときの感想こそ鵼のような、ひとりひとり違う言い表し様のないものでありそう。...
とうとう読めた『鵼の碑』。うれしい。これを読まずして死ねないという作品やシリーズはいくつかあって、実際に読める日がこなかったとしても。そういう作品は生きていくための理由になる。ちからになる。本書を読み終えたときの感想こそ鵼のような、ひとりひとり違う言い表し様のないものでありそう。わたしはおもいがけず込み上げるものがあり、このページ数を読んだすべてのかたたちと、なんだろう……握手したような気持ちになった。わかり合えなくとも、繋がれなくとも、存在を知らなくても。あなたと同じように待ち焦がれた作品に出会えたと。
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面白かった!!!めちゃめちゃ久しぶりの百鬼夜行。 もう、30年近く前、当時ミステリから遠ざかってた時に、 ”流石書店”という本屋の店主に勧められて読んだ姑獲鳥から またもやミステリに戻ったという個人的金字塔シリーズ。 今回の舞台は日光、相変わらずややこしくなった話を 中禅寺がさく...
面白かった!!!めちゃめちゃ久しぶりの百鬼夜行。 もう、30年近く前、当時ミステリから遠ざかってた時に、 ”流石書店”という本屋の店主に勧められて読んだ姑獲鳥から またもやミステリに戻ったという個人的金字塔シリーズ。 今回の舞台は日光、相変わらずややこしくなった話を 中禅寺がさくっとつきもの落とし。 原子力研究、サンカ、毒蛇、能、鵼、 消えた3遺体、行方不明、そしてマヨイガ、、 もう、わくわくするしかない。 ただ、今回、関口が存外しっかりしている(笑) そして相変わらず礼二郎がおもろい。 バラバラに動く登場人物が、最後にぐーちょきぱーになる ジグソーパズルがバチパチっとハマるような気持ちよさ。 ほんま、面白かった。好きしかない。 ヴォリュームもものすごくちょうど良い。 やっぱりこれぐらいないとたよんないわな。 「いいですか。答えというのは、 考える前から既にあるものなんです」
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すごく楽しかった。 ほんとに久しぶりなのに、何の違和感もなく、世界に入っていける。 いろんなお話が生まれて、それか少しずつ重なって、最後にきれいに解きほぐされる。 謎の解明が気持ち良いのはもちろんだけど、何より終わるのがもったいなくて仕方ないほど、出てくる人たちが魅力的。 次作...
すごく楽しかった。 ほんとに久しぶりなのに、何の違和感もなく、世界に入っていける。 いろんなお話が生まれて、それか少しずつ重なって、最後にきれいに解きほぐされる。 謎の解明が気持ち良いのはもちろんだけど、何より終わるのがもったいなくて仕方ないほど、出てくる人たちが魅力的。 次作予定の幽谷響の家は、いつごろ読めるのかなー楽しみ。
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