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空鳥(ヌエ)の碑 の商品レビュー

3.9

152件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    63

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

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2024/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うおーーーー何年振りかに書評を書こうとしている!!! 疲弊して積読ばかりで買ったか買ってないかわからなくなるなんて以前は信じられなかった現象に苛まれ、楽しみな本すらむしろ落ち着いて読みたいとか思ってやはり積む負のスパイラル。電書の漫画とかシブのSSなどは飲むように消費できるのに…という自己嫌悪に勝ったぞー!!!さすがは百鬼夜行様ー!!! 百鬼夜行シリーズ17年ぶりって。いや怖い。 もう塗仏以降くらいから記憶がなくなってきてるので(序盤の方が鮮明なあたりは悲しいかな若さ故なのか)クロニクルについていくのを諦めつつあり、一冊の中だけでなくシリーズの中やらシリーズ外の中までピースが埋まる気持ちよさを得ることはできてない残念な読者ですが、まずどのタイプで買うか悩みましたよね。悩んだ末にやはり初心のノベルスで揃えることに。おかげでかろうじて移動時も持ち運べました。 この流れるような文章のリズム。加えて特に昨今、複数軸が章ごとにかわるがわる繰り広げられる形式は、ともすれば混乱しそうだがギリギリ着いていける。 その一章あたりのボリュームは、飽きずに一気に読みやすく、移動時なども途切れ途切れにはなりつつも短編をひたすら読んでいく感覚にも似て。 リハビリ読書としては程よい負荷だったものの、優しいスタッフのいる給水所がものすごく細かく設置されてるけど、42.195km走り切るまで笑顔でどこまでも追いかけてくるような圧のおかげで息も絶え絶え完走。達成感。ありがとうありがとう。 とにかく章ごとの終わりの数文字の衝撃とか、ワクワク感とか、次を読みたくさせる感じとか本当に上手い。 小さな一喜一憂を繰り返しながらも、長期戦にそろそろしんどい…でもあと少しでゴールが…見えそうで見えないけどあともう残り5mm(厚さ)切ってきてるよ?大丈夫?ってところからの加速が爆速すぎてゴールテープ見失うレベル。え、今ゴールした?したよね?ってまぁ確認に戻れるくらいの体力は実は残せてたけど。 この辺すこしネタバレ的に言えば、結果「何も起きていなかった」ので(死体は出てるが、そこが何か別の巨大なものに繋がるなどはここでは特に広げられることもなく)、祓いも軽めで、盛り上がりとしての高さは低くはないが瞬殺で終わった感じかなと。 強いて言えばむしろあああやっぱりその3人そっちに繋がりますよねえええってところが最後の盛り上がりか。 巷説も直近2冊くらいは読めてないものの終わったというし、狐花の衝撃もあり、夏彦クロニクルとりあえず一巡したのかなと。自分はまだ全部読めてない&記憶も曖昧なので全然繋ぎきれてない憶測ですが。 繋ぎ直しの旅はなかなかまた長旅になりそうなので、とりあえず巷説最終巻はまだ記憶があるうちに読めれば。 狐花は歌舞伎の方で先に観たので、これから書籍補完ですが、こっちはサクッと読めそうなのでここから攻めるか。 あーでも塗仏以降の長編だけでもざっと読み返したい気もするうううあー。 きちんと記憶を保って理解している皆さんには申し訳なくなる駄文ですが、久しぶりの安定感と達成感は純粋に晴れやかな気分です。 細かい部分だと、久しぶりのセキくん、めっちゃ喋るやん。喋れるやんなど。いや別に無口な方でもそういえばなかったかとは思えど、何だろうヲタク的極端な話す勢いの有無の差も感じるし、だんだん蘊蓄のたれ方とか誰かさんに似てきた?とかついツッコミなごらも無事読了。

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2024/09/24

読みきったが、以前のように納得させてくれなかった。この中途半端感は こっちの問題?それとも次への布石なの?それとも この感覚が 今回のタイトルの集約?

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2024/09/08

ひっっっさしぶりの京極堂。ご無沙汰すぎてこれまでの話をすっかり忘れていたのだけど、作中ではついのこの前の事件として色々語られるので、何だっけそれ?となることが多々あった。蘊蓄パートも相変わらず長いのだけど、なんだかんだで読めてしまうしやっぱり面白かった。

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2024/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ17年ぶりと思えないほどいつも通りすぎて逆に驚いた。ただ、オチも含めて一番平和というか毒の少ない話のように思えた。現在軸で死人が出てないからかもしれない。次回作の構想もあるようなので、何年後か分からないが楽しみ。

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2024/08/11

ストーリーはいつもの如く強引だけど、まあこの分厚さで飽きずに読み通せるほどには面白いので流石だと思う。このシリーズは宗教や妖怪についての現代的解釈が延々と語られるところが常に最大の目玉で、そのエッセンスが物語として表現される有様を楽しむのが肝心だと思うので、あまり推理小説的に読ん...

ストーリーはいつもの如く強引だけど、まあこの分厚さで飽きずに読み通せるほどには面白いので流石だと思う。このシリーズは宗教や妖怪についての現代的解釈が延々と語られるところが常に最大の目玉で、そのエッセンスが物語として表現される有様を楽しむのが肝心だと思うので、あまり推理小説的に読んでも仕方ない。妖怪談義の場面は、京極堂以外にその筋の識者が混ざってる方が断然面白く、今回は仁礼がその役を担っている。いずれ京極堂の師匠にあたる人物も登場するんだろうか。

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2024/07/21

個人的に京極夏彦史上、読了までに一番時間のかかった作品です。なんというかシリーズ特有の読んでてヒンヤリ・ゾワッと感が少なかったなーという印象。それでも登場人物同士の掛け合いは読んでて気持ちが良かったし、関口くんがたくさん自分の考えを語ってたのはとても嬉しかったです。時間がかかった...

個人的に京極夏彦史上、読了までに一番時間のかかった作品です。なんというかシリーズ特有の読んでてヒンヤリ・ゾワッと感が少なかったなーという印象。それでも登場人物同士の掛け合いは読んでて気持ちが良かったし、関口くんがたくさん自分の考えを語ってたのはとても嬉しかったです。時間がかかった分細部を忘れているから伏線に気づけてないのかもしれないのは非常に残念。反省です

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2024/07/17

読了まで時間かかったー!大変だったし疲れた。なお疲れたのは手。 空海だのナンタラ上人だの梵字だのからガイガーカウンターやら原子力やらまで。とにかく博覧強記の内容だった。すごいなー。 このシリーズは戦後数年くらいの話なので、たいてい過去のあれこれの間に2次大戦が入り、物理的なものの...

読了まで時間かかったー!大変だったし疲れた。なお疲れたのは手。 空海だのナンタラ上人だの梵字だのからガイガーカウンターやら原子力やらまで。とにかく博覧強記の内容だった。すごいなー。 このシリーズは戦後数年くらいの話なので、たいてい過去のあれこれの間に2次大戦が入り、物理的なものの消失や制度の変化などが謎解きの障害になりがち。そのあたりのどうしようもなさがとても面白い。 現代にはない、不敬罪や特高などが絡むのも趣きがあって良い。 普通の小説2冊分くらいにどっさり散りばめられ、繋がりようもない事柄が少しずつ繋がっていく謎や不思議。 終盤になって京極堂が一気に解き明かしていくカタルシス。実に気持ちがいい。 この世には何も不思議なことなどないのだよ、関口君。 ひさびさに読んだこの百鬼夜行シリーズ、個性豊かな面々がとても好きだと改めて感じた。 相変わらず分厚くてまだるっこしくてときどきイラつきつつも、楽しませていただいた。 ありがとう、面白かった! 次作はあるのだろうか?ぜひお願いしたい。

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2024/07/15

たぶんやられました。京極先生に。 ーーー 以下ネタバレあります。 今回はまさか、まさかの、何も起こらないない回、ではないでしょうか…。 燃える碑、 光る猿、 消えた過去の死体… 魅力的な謎は提示されますが、事件が起きないので、どこか緊迫感がありません。 ...

たぶんやられました。京極先生に。 ーーー 以下ネタバレあります。 今回はまさか、まさかの、何も起こらないない回、ではないでしょうか…。 燃える碑、 光る猿、 消えた過去の死体… 魅力的な謎は提示されますが、事件が起きないので、どこか緊迫感がありません。 「みんなが集まると、あいこだね。」―榎木津。 「鵼なんて妖怪(ばけもの)は」居ないんです。―京極堂 これは、一体なんの物語なのでしょうか??? * 結局何も起こりません。超絶ミステリーを期待していたのにと、がっかりした方も多いことでしょう。 しかし、一歩引いてメタ視点でとらえれば、やはり《ばけものの幽霊》の話だったと思えるのです。 紙とインクでできた物語を、ミステリーとして愉しむことは、居ないはずのばけもの、鵼を追い求めるのと同じことだよ。と、京極先生はそういいたかったと思うのは深読みし過ぎでしょうか…。 * とはいえ、とても面白かったのは間違いありません。ここへきてまさかの新キャラ、緑川さんがカッコよかったです。 次回作も期待しています!

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2024/08/03
  • ネタバレ

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【ネタバレ】 誰かに聞きたい疑問がひとつ 寒川さんはなぜ山にはいって帰ってこなくなったのか? 寒川さんは迷い家まで行く。 思い残すことはなくなって、あとは消えるだけ、と山に入った。 らしいけど、婚約者に手紙だけ残して、会いもせずに? 碑が燃えているのをみたとき、先に進め、と言われたきがしたから? なんで? 誰かおしえて…    

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2024/06/28
  • ネタバレ

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舞台は日光。 榎木津の兄の所有するホテルのメイドから忌まわしい過去を告白される劇作家・久住加壽夫。京極堂の古文書の鑑定の仕事にかこつけて日光で羽を伸ばす小説家・関口巽は、探偵・榎木津礼二郎に翻弄されながら久住と共に行動する。 東京の薬局の職員・御厨冨美の依頼で探偵・益田龍一も日光で寒川秀巳を捜索中。刑事・木場修太郎は、元相棒が担当した過去の未解決事件の解明の為、私的に日光へ向かうことに。他にも、中禅寺や関口、榎木津の学生時代の知人・緑川佳乃も大叔父の遺骨を引き取る為に日光を訪れていた。 すごく久しぶりの京極堂シリーズ。 キャラクター小説としての魅力は顕在で、いつものメンバーが愚にもつかない会話を飛び交わせているのは、やはり面白い。慣れ親しんだ人たちの中で榎木津が生き生きとしていたのが印象的だった。 今までの京極堂シリーズには無い感じ。 鵺という、いもしない架空の生き物。鵺の声と言われている鳴き声は、ほぼ間違いなく他の鳥の声であり、幾種類もの生き物の合成獣のような見た目は、ほぼ間違いなく人の作り出した存在しないものである。今回の事件(事件ですらない)も正にそんな掴みどころのなさがある。1200頁もの厚さをもって語られたのは、事件ですらないもの。皆それぞれ追っているものはあれど、いつまでたっても交錯した先に何も見えない。幾筋もの捜査線上に何かしら浮かび上がりそうであるのに、結局最後まで全体像が見えなかった。正面からは猿、横からは狸、後ろからは蛇に見える、正に鵺のよう。 それにしても京極堂登場まで長いなあ(笑) ほんっとのほんっとに最後にならないと登場しない。もうこれしか頁ないのにまだ京極堂来ない。大丈夫なのか解決するのか。なんてメタな思考もちらついた。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」といういつもの台詞がやっと出てきた時、「よっ京極堂!」とか「待ってました!」と歌舞伎の大向こうのような掛け声が出た。

Posted byブクログ