うるさいこの音の全部 の商品レビュー
小説を読むのが好きなのと、小説を実際に書くこととは本当はずいぶん違うことだろうと思う。それをやっている作家さんたちは凄いことをやっているな、と感じた。自分を積極的に発信する人もいるし、ミステリアスに表に出てこない人もいる。反対側に、その人がどんな人なのか頭に入れてその人の小説を読...
小説を読むのが好きなのと、小説を実際に書くこととは本当はずいぶん違うことだろうと思う。それをやっている作家さんたちは凄いことをやっているな、と感じた。自分を積極的に発信する人もいるし、ミステリアスに表に出てこない人もいる。反対側に、その人がどんな人なのか頭に入れてその人の小説を読みたい人もいるし、そんなの興味もない人がいる。自分は書く人間ではないのに、読んでいてなんだか苦しくなってしまって、この苦しみは何だろう?共感しているのだろうか?と訳がわからなくなった。
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それでもやっぱり読み終わってすぐ、高瀬隼子のwikipedia開いたしこの作品のインタビュー記事を探して読んじゃったもんなぁ どこまでが主人公の感情で、どこは高瀬さんの気持ちなんやろうって邪推してしまうあたいのお下品な頭だョ… メモ、中華料理店の息子
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高瀬隼子さんの本を読んだのは2作目だったが、前回の「おいしいごはんが食べられますように」と近いものを感じた。 作中でも芥川賞を受賞しており、設定が近い。主人公が受賞して有名になる前から話は始まり、自分が作家として有名になっていくことで周りや評価が変わり、それに答えなきゃとどんどん自分を偽っていく。 何がほんとか何が嘘だったのか、だんだんわからなくなって、心が悲鳴をあげているのが伝わってくる。確かに理解者はいるのに、誰の言うことも信じられない主人公の堕ちていく感じがリアルに感じた。
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主人公朝陽が会社の人間に自分が小説家だと明かしてから色々とがたついていく話だった。これは高瀬隼子の半自伝みたいな作品なんだろうか。 なんとも言えない終わり方をしていて、「おいしいごはん~」や「いい子のあくび」もそういう感じだったな、これがこの作家の作風なんだろうな、と思った。 成...
主人公朝陽が会社の人間に自分が小説家だと明かしてから色々とがたついていく話だった。これは高瀬隼子の半自伝みたいな作品なんだろうか。 なんとも言えない終わり方をしていて、「おいしいごはん~」や「いい子のあくび」もそういう感じだったな、これがこの作家の作風なんだろうな、と思った。 成長するわけでもなく、とんでもない苦難があるわけでもなく。「なんとなく苦しい」日々が続いていくストレスは中々味わえないなと思った。
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自分の気持ちを伝えることの難しさや、賞を受賞したことによるまわりの変化に辟易している様子は理解しつつも、中盤以降なんだか「いやいや、あなたねぇ、。」と言いたくなった。 作者も芥川賞を受賞されていることから、自身のこと?と思わざるを得なかった。
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なんか、ここまで作者を感じる(フィクションだとしても)なまなましい小説あるのだろうか ストーリー性も特になく、1人の人間を追うだけにすぎないこの不思議な本…
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長井朝陽が早見有日に蝕まれて壊れていく話、なのかなと思った。小説家デビューという傍目には華々しい題材で、でも劇的には変わらない日常で、等身大の人間がギャップで苦しんでいる。 本名の朝陽とペンネームの有日ははんたいこの名前になっていて、「うるさいこの音の全部」「明日、ここは静か」という話名も、執筆とゲーセンというのも、全部相対するものだけど1人の人間で繋がっているのが面白いなと思った。 実際に芥川賞作家の作者だから、どこまでがリアルでどこまでがフィクションなのか、どうしても想像してしまう。小説自体も、主人公の描く小説の世界と交錯している作りだし。作者さんも自分の書いた小説を真夜中に泣きながら消したりしてんのかなぁ。 周囲の人間が小説家デビューをもてはやすのにうんざりして、嫌な周囲だなと思って読んでたわけだけど、最終的に主人公も嘘つきのやな感じのやつになってしまい…。ほんとうに人間の嫌な感じを描くのが上手い作家だと思う。
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自分の中のモヤモヤ、人との関係においてのモヤモヤを読むのも読書のおもしろさだと思うので、その点ではおもしろかったが、ちょっと気持ちが暗くなるかな。主人公には自分で難しくしてるぞ。とツッコミたくなる。
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ゲームセンターで働く長井朝陽は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が新人賞を受賞してから職場にも知れてしまう。 周囲の朝陽への接し方が変化していき…。 本人にしてみればどちらが自分なのか…というよりどちらも自分であるわけで。 同僚や友人たちはどう思っているのか考えても自分はた...
ゲームセンターで働く長井朝陽は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が新人賞を受賞してから職場にも知れてしまう。 周囲の朝陽への接し方が変化していき…。 本人にしてみればどちらが自分なのか…というよりどちらも自分であるわけで。 同僚や友人たちはどう思っているのか考えても自分はただ変わらないはずで。 わかったような気分で話しかけてくる人たちにいったい何がわかるのだろう。 うるさいこの音の全部とは、こわいほど感じてしまうあらゆる声なんだろう。 息苦しさを覚える日常のリアルだとするとたまらないなと思った。
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屈折しすぎて読みとるのが難しかったが、でもなんとなくわかる気もする。虚言と現実の境って脳みそ120%使ってる感じでふわふわする時あるなーと思う。、
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