うるさいこの音の全部 の商品レビュー
学生アルバイトで働いていたゲームセンターにそのまま就職、なんとなくぼんやり 生きている主人公が、密かに書いていた小説が新人賞を受賞、さらに芥川賞を取る。 テレビで放送されると、会社、親戚、友人らの対応が一夜にして変わる。 本当の自分と、ペンネームの自分との区別がつかなくなる。 期...
学生アルバイトで働いていたゲームセンターにそのまま就職、なんとなくぼんやり 生きている主人公が、密かに書いていた小説が新人賞を受賞、さらに芥川賞を取る。 テレビで放送されると、会社、親戚、友人らの対応が一夜にして変わる。 本当の自分と、ペンネームの自分との区別がつかなくなる。 期待にこたえようと、インタビューで話を盛る。。。 「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した著者の体験記、 私小説? というところだろうか。 その感情の変化は、実体験がないと書けないだろうから、それはそれで興味がある。 しかし、何とも読みづらい、私には。 なぜか「おいしいごはん。。。」も読んでいて、同様の感想を持っていた。 私には会わない作者なのかもしれない。でもなぜか2冊も読んでしまった。
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あぁ、作家は大変だな。 これはフィクションだと思いながらも 高瀬さんとダブって見える。 本が売れますようにと インタビューされれば 話を盛って、そこには嘘も含まれて 人間関係にも気を遣い 恋愛話も頼れる人もいっさい無し。 「話せば話すほど分からなくなり、離れていく。 わたし...
あぁ、作家は大変だな。 これはフィクションだと思いながらも 高瀬さんとダブって見える。 本が売れますようにと インタビューされれば 話を盛って、そこには嘘も含まれて 人間関係にも気を遣い 恋愛話も頼れる人もいっさい無し。 「話せば話すほど分からなくなり、離れていく。 わたしは言いたいんじゃなくて書きたいです。」 この最後の数行で、やっと本音の自分に出会えて 朝陽は有日と共に生きていけるよね。
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芥川賞作家 高瀬隼子さん。シニカルな物の見方が独特の作風かと思う。この作品は受賞前に書いていたようで、そこも現実と物語の瀬戸際を読み手に想像させてしまう面白さがある。高瀬さんは、独特の距離感を保ちながら、伝えたい事象を冷静に捉えて、皮肉る。読み終えた後は、なんとも言えぬ気持ち悪さ...
芥川賞作家 高瀬隼子さん。シニカルな物の見方が独特の作風かと思う。この作品は受賞前に書いていたようで、そこも現実と物語の瀬戸際を読み手に想像させてしまう面白さがある。高瀬さんは、独特の距離感を保ちながら、伝えたい事象を冷静に捉えて、皮肉る。読み終えた後は、なんとも言えぬ気持ち悪さを感じるがそこが魅力とも言える。
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人と上手くやっていくためにしてしまう表面上の取り繕いや軽い嘘、その時の自分の中に芽生える本音などを描くのが上手い作家さんだなと思う。裏表もなく本音だけで生きている人以外、思い当たるところが少なからずあるだろうしそこを共感するか同族嫌悪するかは読者次第だろうけれど。 主人公が段々...
人と上手くやっていくためにしてしまう表面上の取り繕いや軽い嘘、その時の自分の中に芽生える本音などを描くのが上手い作家さんだなと思う。裏表もなく本音だけで生きている人以外、思い当たるところが少なからずあるだろうしそこを共感するか同族嫌悪するかは読者次第だろうけれど。 主人公が段々と不穏な感じになっていくのは冷んやりとした気持ちになった。snsで話を盛ってしまった挙句嘘だと叩かれてる人を見るようななんとも言えないざらっとした気持ち
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※このレビューにはネタバレを含みます
「私は言いたいんじゃなくて、書きたいんです」という最後の心の叫びが印象に残った ・ナガイさんと早見さんを一緒に扱われることへの混乱 ・フィクションの小説と興味を引くインタビューの重圧 ・小説家の早見へのインタビューにどっちで答えるのかの葛藤
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24/03/29読了 この作家さん、世間に適応しているように見えるけれどうっすら怖い、のバランスが面白くて読んでいる。今作はそれが少し怖かった。編集者という仕事のたいへんさに思いを寄せた。
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続けての高瀬隼子さん、この作品はめっちゃ混乱しました! ゲームセンターで働く長井朝陽、ペンネーム「早見夕日」として執筆した小説が文学賞を受賞することになったことで、取り巻く環境が変化していくというもの…。どこまでが小説なのか読んでいるうちにわからなくなっていくかのような…そ...
続けての高瀬隼子さん、この作品はめっちゃ混乱しました! ゲームセンターで働く長井朝陽、ペンネーム「早見夕日」として執筆した小説が文学賞を受賞することになったことで、取り巻く環境が変化していくというもの…。どこまでが小説なのか読んでいるうちにわからなくなっていくかのような…そんな作品でした。ゲームセンターが小説の舞台になるってのは興味深かったです。もう、1編の「明日、ここは静か」は、早見夕日が作家としてどうあるべきか、イメージだけで過去が自身でもわからなくなっていくかのような…そんな内容です。 この作品の読後も高瀬隼子さんの作品ならではです。ただ、ストーリーのわかりやすさとザワザワ感をいっぱい味わいたいのなら「おいしいごはん…」「犬のかたち…」「水たまり…」かなって、個人的には感じました。
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小説家の頭の中って、こういう感じなんだなー。 考えている内容の差はあれ、我々会社員とほぼ同じような脳みそなのかもしれません。 それよりも、有名になったことで普通に回っていた日常生活が崩れていくことの恐怖を学ばせていただきました。 文学賞をとったという人生最大の喜びの代償は当たり前...
小説家の頭の中って、こういう感じなんだなー。 考えている内容の差はあれ、我々会社員とほぼ同じような脳みそなのかもしれません。 それよりも、有名になったことで普通に回っていた日常生活が崩れていくことの恐怖を学ばせていただきました。 文学賞をとったという人生最大の喜びの代償は当たり前の日常だった・・・。うーーん、悩ましいことです。 それはさておき。 私は主人公よりもその友達の帆奈美に出会えたことが何よりもうれしかったのです。 帆奈美について大体1ページ割いて説明しているのですが、彼女の価値観が自分と全く同じなのです。 ”わたし「推し」って気持ちがわからないんだよね、というのが帆奈美の考えだった。”(抜粋) ”帆奈美は書かれた言葉が、演技が、好きなのだ。アウトプットされた至高の部分だけを求める。”(抜粋) 好きなものとの距離感が全く一緒。笑 ここに非常に感動しました。(自分と同類がいた!という発見に) 私も「推し」っていたことがないのです。 「推し」はいないのか?と聞かれて「今までそういうのいたことがないんですよね」と答える度に、場が興ざめしたものです。 「あー、そうなんですね(苦笑)」と相手は答えるけれども、目に同情の色が見える。 私たちのこんなに楽しい世界(推し活)を知らないなんて、かわいそうですね、といったものが。 周りの人間は「推し」がいる人ばかりで、自分は変わった人間なのかと思っていましたが、ここにいた!(本の登場人物だけど) 意外と自分と同じようなタイプっているのかも?と、気楽な気持ちになれました。(本のネタになるって事は、それなりにいるんじゃないかと) 「推し活」している人が目立つせいか、羨ましく感じたこともあって、無理やり「推し」を作ろうと躍起になった時期もありましたが、その必要はなさそうです。 自分の応援スタイルで愛すべきものたちを愛でていこうと思います。 それがわかっただけでも、この本を読んだ価値がありました。(主人公とかけ離れた箇所なのだが)
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※このレビューにはネタバレを含みます
小説家がどのように小説を書き進めるのかを細かく想像をした事がなかったが、確かに小説の内容には小説家の個人としての生活が大いに影響を与えているだろうことから小説家と登場人物や社会背景を同一視されてしまうというのは想像できる。また小説家というのは常に物語を創作している人物であることから、小説家の現実に関するエピソードも実際にある程度創作されているのかもしれないとは納得した。 芥川賞を受賞した著者が、芥川賞を受賞した小説家をテーマに小説を書き、その小説の中で小説家とその作品が同一視されていくというメタな構造なので正しい読み方がわからないが、全てが虚構であるようで一方人間的であるようで全体として面白く読めた。
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兼業作家の葛藤を描く。 子供の頃からの夢、小説家デビューを果たした主人公・朝陽の日常と彼女の作品内容が序盤は交互に描かれ、構成が面白いです。 物語の中盤で朝陽が小説を出版したことが職場に広まり、朝陽の作品を書くことに対する葛藤が生まれ始め、それと同じ頃に上記の構成が終わったかと思...
兼業作家の葛藤を描く。 子供の頃からの夢、小説家デビューを果たした主人公・朝陽の日常と彼女の作品内容が序盤は交互に描かれ、構成が面白いです。 物語の中盤で朝陽が小説を出版したことが職場に広まり、朝陽の作品を書くことに対する葛藤が生まれ始め、それと同じ頃に上記の構成が終わったかと思うのですが(記憶が曖昧)、朝陽のテンションが下がるのと同時に物語が失速していく感じがすごいな~と思いました。 芥川賞受賞後のインタビューで嘘を重ね続けてしまう展開はゾクゾクとして、経験したこともないのになぜか共感してしまいました。 自分はどちらかというと作家と作品は切り離して捉える帆奈美タイプだと思っていましたが、この作品に対しては、さすがに筆者の経験談もある…?と思ってしまいました。
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