琥珀の夏 の商品レビュー
母親としてのノリコの娘に対する想い、世界で1番愛しいはずの娘と自分(仕事とか)を天秤にかけた時の罪悪感やこれでいいのかという漠然とした不安、ミカへの同じ母親としての願いやミカの子供たちへの祈りは、とても共感できた。 あとは、読み物として、一発逆転!みたいな大きな展開はなく、物足り...
母親としてのノリコの娘に対する想い、世界で1番愛しいはずの娘と自分(仕事とか)を天秤にかけた時の罪悪感やこれでいいのかという漠然とした不安、ミカへの同じ母親としての願いやミカの子供たちへの祈りは、とても共感できた。 あとは、読み物として、一発逆転!みたいな大きな展開はなく、物足りない感じ。 カルト方面にも、殺人事件方面にも、ぬるくはまっていますよ、という感じ
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カルト集団といえばやばい団体というイメージだったがこういうところもあるのだなと思った。閉鎖的な環境はあるのだと思うが、、子供たちの描写がわかりやすくサクサクっと読了。
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団体の創る世界観が独特、没入感のある物語です。自ら閉ざされた空間を選んだ大人たちと、否応なくその空間を生きるしかなかった子どもたちの対比も考えさせられました。子どもへの過剰な愛情が、知らず知らずのうちに洗脳的言葉を引き出してしまうのかな。親や大人という役割に依存しすぎず、自分の核...
団体の創る世界観が独特、没入感のある物語です。自ら閉ざされた空間を選んだ大人たちと、否応なくその空間を生きるしかなかった子どもたちの対比も考えさせられました。子どもへの過剰な愛情が、知らず知らずのうちに洗脳的言葉を引き出してしまうのかな。親や大人という役割に依存しすぎず、自分の核は誰にも譲らない強さを持ちたいものだなと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
長編ながら、子供同士のやりとりなどが多くて読みやすく、サクサク。 ヒサノとミカの間に何があったのかが1番の見所だけれど、夢を壊されるというか、ルール違反といった怒りが湧くのは当然だし、だからといって死ねとは言わないが、自習室行きは当然のことだと思った。それをミカがずっと引き摺ってしまうのも、自分が殺したと言ってしまうのも仕方ないことで、良くも悪くも"ミライの学校"に翻弄された結果。 ケン先生は、1人を仲間外れにしたとして急にキレた時点で危険人物だと感じてしまったが、問題のある人間ではあるものの、そこまででもなかった。でも関わりたくは無い笑 シゲルから手紙を貰ったドキドキは読んでいて面白かった。でも、それがミカの嫉妬にも繋がり、些細なことでもそれぞれの見方が子供ながらにあるというのを再認識した。
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宗教に属してる自分にはグサグサささった。 幼い頃から通っている分、その世界だけが真実であり事実であると知らないうちに刷り込まれるんだよね〜 子どもの頃から大人になったミカの気持ちが痛いほどわかった。自分の想いには反して小さい頃から宗教の中で育つと言う事が、どれだけ人生観を縛られる...
宗教に属してる自分にはグサグサささった。 幼い頃から通っている分、その世界だけが真実であり事実であると知らないうちに刷り込まれるんだよね〜 子どもの頃から大人になったミカの気持ちが痛いほどわかった。自分の想いには反して小さい頃から宗教の中で育つと言う事が、どれだけ人生観を縛られるか、本当によく描かれている作品だと思う。 もちろん、全く宗教と関係なく読む小説としてもおススメの作品です。
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ハードカバーで読んでいたのを忘れていた これは実話に基づくものなのか、作者の全くの創作なのか イジメ、育児放棄等々、作者は多くのことを読者に投げかけ 再読、二回目なのだが何処まで理解できたのか
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辻村さんは、新刊が出ると無条件で手に取る作家さんですが、いつも心理描写が巧みで(特に子供時代の)、心臓がキュっとなります。 ミステリーかと思って勝手に二転三転を期待してしまいましたが、もっと素直に読めばよかった…
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辻村深月さんの作品。 カルト集団的なミライの学校でかつて過ごしたミカ、ノリコそれぞれの視点から描かれる。 小学生くらいの視線での描き方は、本当に上手で、私も小学生からだいぶん離れたけれど生き生きとイメージできる。 思想というのは怖くて、いいものだとのめり込んで、過ごしてしまったそ...
辻村深月さんの作品。 カルト集団的なミライの学校でかつて過ごしたミカ、ノリコそれぞれの視点から描かれる。 小学生くらいの視線での描き方は、本当に上手で、私も小学生からだいぶん離れたけれど生き生きとイメージできる。 思想というのは怖くて、いいものだとのめり込んで、過ごしてしまったその時間は後から取り戻すことはできない。 思想、自己啓発、宗教、いろいろ紙一重だなと思いつつ、こう言ったことをテーマにした作品に私は惹かれがちだ。
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いままで辻村深月の本は苦手意識あったけど(でも毎回話題に乗せられて読んでいる)今回はおもしろかった。 非日常すぎない、自分には関係がなさそうでありそうな話 途中で保育園の児童待機問題出てきて???と思ったけど、そこで繋げたかったのねと納得 よくあるニュースの内容だけど。 黄色い家...
いままで辻村深月の本は苦手意識あったけど(でも毎回話題に乗せられて読んでいる)今回はおもしろかった。 非日常すぎない、自分には関係がなさそうでありそうな話 途中で保育園の児童待機問題出てきて???と思ったけど、そこで繋げたかったのねと納得 よくあるニュースの内容だけど。 黄色い家に雰囲気が似ている気がした。 読んでいて胸が苦しくなる部分がたくさんある。途中で読むのがつらくなることもあるけど続きが気になる…人間の性なのかもしれないな はじめ琥珀の夏ってなに?と思ったけどなるほどノリコはそういう気持ちなんだなと思った時から流石のネーミングセンスだなと思った。
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さすが辻村作品。ページを捲る手が止まらず一気に読破。でも、面白かったけど他の作品ほどには響かなかったです。 これは宗教団体とは別かもしれないですが、根底は同じなのでしょう。まるで洗脳のようにミライの学校は素晴らしいと信じている人たちがいる。家族、とりわけ子供を巻き込んで。 少し前...
さすが辻村作品。ページを捲る手が止まらず一気に読破。でも、面白かったけど他の作品ほどには響かなかったです。 これは宗教団体とは別かもしれないですが、根底は同じなのでしょう。まるで洗脳のようにミライの学校は素晴らしいと信じている人たちがいる。家族、とりわけ子供を巻き込んで。 少し前に世間を騒がせていた宗教二世と同じですね。 私も小学生の頃、親が天理教に入っている友人に誘われて一緒に奈良まで夏休み子供会みたいな泊まりのイベントに行ったことを思い出しました。集会みたいな何かで貧血起こしたことしか覚えてません。二度目はなかったです。私はただシカに餌があげれるっていうから来たのにと思ってました。 でも法子にとってミライの学校は琥珀に閉じ込めた綺麗な思い出なんですね。 個人的には法子と瑛二のやり取りが印象的でした。 瑛二の反応はまさに世間一般のもので、むしろ妻である法子の話を一旦飲み込んで聞いてくれる良い旦那さんだなぁと思いました。 でもそこにちょっともやもやしてしまう法子の心情も分からなくはない。ミライの学校は当時の法子にとって非日常で、学校カースト下位の彼女が認めてもらえる場所だったのでしょう。 そしてそれが夏の一週間の出来事だから綺麗な思い出なのだということをきっと大人になった法子は分かってるんだろうなと思います。 分かってはいるけれど、ミライの学校にしか自分の孤独や寂しさやほんの少しの虚栄心を埋めてくれる人はいなかったということを、夫が理解してくれることは決してないということにもやもやするんでしょう。いま一番近くにいるはずの存在なのに。 毎回思うのは、辻村さんはその微妙な心理描写を描くのが本当にお上手だということです。
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