琥珀の夏 の商品レビュー
序盤から不穏な空気が漂う中、時間軸を変えながら進んでいく物語にどんどん引き込まれていきました。 一貫しているのは、人が生活の中で感じる言葉にしない、できない感情までしっかり描写されていると言うことです。 やはり、辻村深月先生、恐るべし、です。 負の感情(あるいは曖昧な感情)を...
序盤から不穏な空気が漂う中、時間軸を変えながら進んでいく物語にどんどん引き込まれていきました。 一貫しているのは、人が生活の中で感じる言葉にしない、できない感情までしっかり描写されていると言うことです。 やはり、辻村深月先生、恐るべし、です。 負の感情(あるいは曖昧な感情)を言葉で描写するのは想像しただけでも心がすり減りそうですが、どうしてこんなにも深いところまで書けてしまうのか僕には理解できません。。 最終章の読み応えも圧巻で、読み終えた時、一冊の本にまとまっているのが不思議なくらい、重厚な世界を堪能した気分になりました。 めっちゃ面白かったです。
Posted by
ミライの学校は、自由ではない。 子ども主体で考えていくことは大切だが、 大人にとって都合のいい子を作る場所であったと思う。幼少期の子どもと親は一緒にいるべき。ただ、その当たり前の環境にいられない子どもたちがいるのも現実。そういった子どもたちを現実の教育現場でみてきた。私たちにとっ...
ミライの学校は、自由ではない。 子ども主体で考えていくことは大切だが、 大人にとって都合のいい子を作る場所であったと思う。幼少期の子どもと親は一緒にいるべき。ただ、その当たり前の環境にいられない子どもたちがいるのも現実。そういった子どもたちを現実の教育現場でみてきた。私たちにとっての当たり前が当たり前じゃない子どもたちに何を教え、伝えれるのか。逆に教えられることもたくさんある。 ともに生きていくこと、生きることを考えなくては。
Posted by
カルト団体の話。「ミライの学校」を途中まで「ミイラの学校」だと思っていたものだから、ちょっとホラーな感じの展開と決め込んでいたけど、全くそうではなくて、色々と考えさせられる内容だった。 思想って、一概にどうとは言えないものだと思う。
Posted by
大人の感情、子供の感情その難しさと 言葉だけで伝わらないもどかしさが凄く伝わる。 ずっと親と一緒にいたい、それを言えない気持ちの どんなに辛いことか自分には経験がないから分からないけれど、読んでいて涙が止まらなかった。 ノリコとミカの再会する場面は、 ミカが誰にも信用を出来なく...
大人の感情、子供の感情その難しさと 言葉だけで伝わらないもどかしさが凄く伝わる。 ずっと親と一緒にいたい、それを言えない気持ちの どんなに辛いことか自分には経験がないから分からないけれど、読んでいて涙が止まらなかった。 ノリコとミカの再会する場面は、 ミカが誰にも信用を出来なくなってる時で それでも最後にノリコの事を信用して友達として また思えたんだなと、読んでいて良かったこれから幸せな方にもいけそうだなと思った。 久しぶりの辻村さんの作品。 発売日に買ってすぐに読んで没頭した。 大好きな作家、いつも考えさせられるいい作品をありがとうと言いたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
見つかった死体は誰のものなのか、「ミライの学校」とは何なのか。その両方の謎を読み解ける作品。 最近は「カルトから抜けた」という体験談をよく聞くようになったが、ミライの学校も「ああ~体験談でこういうの見たような……。ありそうだし、そこまでカルトに神経質でない頃なら行ってたとかありそうだな~」と思った。でも、結局理念より金が絡んできたら大体カルトだと思う。 辻村作品は「死んでいるのは、疑っている主人公周りのキャラではなく、意地悪してきた印象の悪い子」というイメージがある。 自己評価は低いようだけど、法子はすごいと思う。 カルト集団の描写と、本当にそんなところだったのか?と揺れる描写は絶妙だったが、肝心の遺体のカラクリがやや物足りなかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
親の義務とは、適切な養育とは?色々考えさせられたのに、この感情をどうにも言語化することが難しいお話だった。 「ミライの学校」は、一見子どもの自主性を育む素晴らしい施設に見えて、実際には大人たちが子どもに見せたいものだけをコントロールすることで成り立つかりそめの理想郷で、子どもたちが信じた自由はすべて、大人たちが誘導する選択肢。 親はどんな子でも、健やかであれば、いや健やかでなくても無条件に愛おしいと思いながらも、心の底では少しだけ、願ってしまうのではないだろうか。できることなら優しい子に、自立した子に、頭のいい子になってほしい。だから良い環境を与えようとするけれど、それが子どもにとっての良い環境かどうかは分からない。自分の人生のレールは、自分で敷くことしかできないから。 親としての自信が持てずに、終わりのない子育ての正解を求める中で見つけた愛の形が「ミライの学校」だったのかもしれないし、その愛情を第三者が非難することは決してできないけど。 子どもの「未来」は、目に見える親の愛情とともに「現在」を積み重ねた先にあるものではないのか?でも親がいなくてもまっすぐ育った子は沢山いるな?離れる愛情も関係によってはあるんだろうな?と、答えのないモヤモヤが止まらない。
Posted by
なかなか壮大なストーリーでした。 ずっと何となくもの悲しさが続くお話でしたが、最後はまぁ良い感じで終わって良かった(^_^;)
Posted by
【見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか――】カルト団体の敷地跡から、少女の白骨遺体が見つかった。ニュースを知った法子は胸騒ぎを覚える。30年前の夏、私も、あそこにいた。
Posted by