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琥珀の夏 の商品レビュー

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191件のお客様レビュー

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    52

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/11/04

子供時代にどのような生き方をしてきたかが、どれほど大事か考えさせられた。自分にとっての当たり前がある種の人にとっては、当たり前ではないこともある。頭ではわかっていてもそれを突きつけられるようなお話だった。お話次第は登場人物も少なく、話も分かりやすいため読みやすい。文庫の中では分厚...

子供時代にどのような生き方をしてきたかが、どれほど大事か考えさせられた。自分にとっての当たり前がある種の人にとっては、当たり前ではないこともある。頭ではわかっていてもそれを突きつけられるようなお話だった。お話次第は登場人物も少なく、話も分かりやすいため読みやすい。文庫の中では分厚い本だが、多くの人に読んで欲しいと思った。

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2023/11/03

すごく重厚な物語を読んだ。 30年の時を超えた物語。 カルト団体。 と言ってしまうといいイメージは持てないけど その信じている思想が絶対的に間違っているわけではない。 そんな団体の物語。 多様性という言葉が当たり前になってきた昨今 同じ思想や信念を持つものたちが集まるって 大い...

すごく重厚な物語を読んだ。 30年の時を超えた物語。 カルト団体。 と言ってしまうといいイメージは持てないけど その信じている思想が絶対的に間違っているわけではない。 そんな団体の物語。 多様性という言葉が当たり前になってきた昨今 同じ思想や信念を持つものたちが集まるって 大いにあり得ること。 教育が大きく変化しようとしている今だからこそ 〈ミライの学校〉のように、 とにかく考えることを重視した そんな学校ができてもおかしくない。 だからこそ、リアリティをもって読むことが出来た。 辻村美月さんって ぐちゃぐちゃの感情を ぐちゃぐちゃらしく言葉で表現することに長けている。(伝わるかなぁ) 特にラストの、幼い頃と現在を行き来する描写で ミカ(美夏)の感情にどっぷり引き込まれた。 この感情にどっぷりできるのは、 この重厚なストーリーを追ってきたからだと思う。 最後まで読むと 大人と子ども、親と子の関わり方、教育の仕方、 同じ思想を持った人たちが集まった時の違和感、 大人の責任、子どもの苦しさ、、、 本当にたくさんのことを考えたなって思う。 そして 辻村さんって本当にすごいなと思う。

Posted byブクログ

2023/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

むかーし、(今でも売れっ子だけど)売れるに売れていた辻村深月作品を読んでみた時はあまりピンとこず、その記憶が強くて手をつけずにいた。今回図書館の新着でなんとなく借りてみたところ、夢中で読んでしまいました。すごく丁寧な小説。かつて子供だった「あの頃」が夏の空気と共に浮かんできて、キラキラして綺麗で、でもそこには痛みがあった。琥珀に閉じ込められた甘い感傷。 大人パートは読んでいてしんどい。独身の自分は「親」の気持ち、というものに対してどうしても想像に留まり、子供寄りの想いが強くなってしまう。だが教育、まして親子の在り方は千差万別の考え方があり理想を持っていていいはずで、そこから歪みが生まれてしまうのはどうしてなのか。大人が望む「良い子」「利発な子」を無意識に察して、演じることができる、できてしまう、ミカみたいな子。真っ向から反発する、ヒサノみたいな子。大切にするってどういうことだろう。〈ミライの学校〉の大人が本当に子供の幸せを願っていたのだとしても、受け取る側の彼女たちがそう思えないのなら、そこには何の意義もないのでは、と思ってしまう。誰も取りこぼさないなんてこと、この社会では無理だろう。当然のようにそう考える私は世俗的なんだろうか。 子どもだったわたしの傷をケアすることは、生き残って大人になった自分にしかできないんだなと感じる。方法は何であれ。美香と法子が再会できて良かった。

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2023/10/29

母親としてのノリコの娘に対する想い、世界で1番愛しいはずの娘と自分(仕事とか)を天秤にかけた時の罪悪感やこれでいいのかという漠然とした不安、ミカへの同じ母親としての願いやミカの子供たちへの祈りは、とても共感できた。 あとは、読み物として、一発逆転!みたいな大きな展開はなく、物足り...

母親としてのノリコの娘に対する想い、世界で1番愛しいはずの娘と自分(仕事とか)を天秤にかけた時の罪悪感やこれでいいのかという漠然とした不安、ミカへの同じ母親としての願いやミカの子供たちへの祈りは、とても共感できた。 あとは、読み物として、一発逆転!みたいな大きな展開はなく、物足りない感じ。 カルト方面にも、殺人事件方面にも、ぬるくはまっていますよ、という感じ

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2023/10/28

カルト集団といえばやばい団体というイメージだったがこういうところもあるのだなと思った。閉鎖的な環境はあるのだと思うが、、子供たちの描写がわかりやすくサクサクっと読了。

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2023/10/28

団体の創る世界観が独特、没入感のある物語です。自ら閉ざされた空間を選んだ大人たちと、否応なくその空間を生きるしかなかった子どもたちの対比も考えさせられました。子どもへの過剰な愛情が、知らず知らずのうちに洗脳的言葉を引き出してしまうのかな。親や大人という役割に依存しすぎず、自分の核...

団体の創る世界観が独特、没入感のある物語です。自ら閉ざされた空間を選んだ大人たちと、否応なくその空間を生きるしかなかった子どもたちの対比も考えさせられました。子どもへの過剰な愛情が、知らず知らずのうちに洗脳的言葉を引き出してしまうのかな。親や大人という役割に依存しすぎず、自分の核は誰にも譲らない強さを持ちたいものだなと思います。

Posted byブクログ

2023/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長編ながら、子供同士のやりとりなどが多くて読みやすく、サクサク。 ヒサノとミカの間に何があったのかが1番の見所だけれど、夢を壊されるというか、ルール違反といった怒りが湧くのは当然だし、だからといって死ねとは言わないが、自習室行きは当然のことだと思った。それをミカがずっと引き摺ってしまうのも、自分が殺したと言ってしまうのも仕方ないことで、良くも悪くも"ミライの学校"に翻弄された結果。 ケン先生は、1人を仲間外れにしたとして急にキレた時点で危険人物だと感じてしまったが、問題のある人間ではあるものの、そこまででもなかった。でも関わりたくは無い笑 シゲルから手紙を貰ったドキドキは読んでいて面白かった。でも、それがミカの嫉妬にも繋がり、些細なことでもそれぞれの見方が子供ながらにあるというのを再認識した。

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2023/10/22

宗教に属してる自分にはグサグサささった。 幼い頃から通っている分、その世界だけが真実であり事実であると知らないうちに刷り込まれるんだよね〜 子どもの頃から大人になったミカの気持ちが痛いほどわかった。自分の想いには反して小さい頃から宗教の中で育つと言う事が、どれだけ人生観を縛られる...

宗教に属してる自分にはグサグサささった。 幼い頃から通っている分、その世界だけが真実であり事実であると知らないうちに刷り込まれるんだよね〜 子どもの頃から大人になったミカの気持ちが痛いほどわかった。自分の想いには反して小さい頃から宗教の中で育つと言う事が、どれだけ人生観を縛られるか、本当によく描かれている作品だと思う。 もちろん、全く宗教と関係なく読む小説としてもおススメの作品です。

Posted byブクログ

2023/10/21

ハードカバーで読んでいたのを忘れていた これは実話に基づくものなのか、作者の全くの創作なのか イジメ、育児放棄等々、作者は多くのことを読者に投げかけ 再読、二回目なのだが何処まで理解できたのか

Posted byブクログ

2023/10/19

辻村さんは、新刊が出ると無条件で手に取る作家さんですが、いつも心理描写が巧みで(特に子供時代の)、心臓がキュっとなります。 ミステリーかと思って勝手に二転三転を期待してしまいましたが、もっと素直に読めばよかった…

Posted byブクログ