琥珀の夏 の商品レビュー
どんどんどんどん怪しくなっていく展開にページを捲る手が止まらなくなった。 一人一人に視点を当てながら、事件の真相に迫っていくところがおもしろかった。
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新興宗教団体などが、親と子を分離して生活する問題について興味があるので読みました。親子分離のみならず、親が崇高な理想を掲げるのは良いけれど、それを子供に押し付けることや、子供はそれに異議を唱える権利がない(本当はあるのだけど、その権利があることに気づけない)こと、子供が親の過ちや自分が大切なものを失ったことを気づいたときには手遅れになっていることなど、様々な問題がある。 本書は、全面的に間違っているわけではないのだけれど、子供の教育に関して独特な 主義主張をもつ「ミライの学校」という団体の合宿に、短期的に3回だけ足を踏み入れた主人公が、何十年もたって大人になってから、当時の問題に対峙する物語。 弁護士になった法子は、自分が合宿に行ったことのある施設で子供の白骨遺体が発見され、それが自分が仲良くしていていた子供なのではないかと考える。その問題に関して弁護を引き受けようとすると、自分や友達が「あの宗教団体の関係者なの?」と変な目で見れらるのではないか、家族や友人に迷惑がかかるのではないか、という問題も出てくる。この辺りは、宗教に関わらず何かの事件や裁判の際、無関係な人が誹謗中傷をしてくるという現代の問題に通じるところだ。 その問題について、同業者の夫と話し合う場面はなかなか良かった。 法子は小さい子供を抱え、仕事と家事・育児をうまく両立できない悩みもあり、そこもすごく共感した。夕ご飯の支度ができていないのに、子供と遊んでと言ってくる。今無理!って思う。あとで後悔する。ちょっとくらい遊んであげれば良かった。夕ご飯なんてなんでもよかった。今ならわかるのだけど。 後半、一気に時間が飛んで、引き受けた弁護がうまくいってしまうので、もっとドロドロした誹謗中傷に遭う場面とかが描かれていると読みごたえ倍増だったと思う。それはそれで疲れるとは思うけど。ちょっと書く方も疲れて省いたのかな、とか思ってしまったので星3つです。
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序盤の展開が面白かっただけに、読めば読むほどスピードが落ちていく感覚に陥りました。私にはあまり響きませんでした。
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やっぱり辻村さんの小説、面白い。どんどん先が読みたくなる。 考え、対話する。一見子供の教育にいいように思えるミライの学校の問答。そして合宿。しかし、構造が歪なのである。 子供は、自主性が育まれる環境にありながら、同時に親がそばにいる、社会に触れることが必要なんだろう。そのような中ではミカがヒサノにつきつけられた"現実"に埋め込まれることだが、純粋無垢ではいられない"健全"な発達を促すのかもしれない。 子供のころのミカは団体の教師を神格化していた。いや、子供は身近な大人が信じるべき対象として無意識にインプットされるのだろうから、特別なことではないのだが。ヒサノによって見えていなかった大人、見たくない大人にミカは目を向けることになり、混乱した。この描写でミライの学校がカルト的団体であることが刻み込まれた。 途中までタイトルの琥珀は、過去の楽しい、あるいは苦しい思い出が閉じ込められていることを表していると思った。最後まで読むと、美しい宝飾品でもある琥珀の通り、ノリコもミカも子供のころのそんな思い出に輝きを与えて閉じ込めて、これからの生活を新たな気持ちで送ることができたのだろうと感じた。 スッキリとした読了感でした。
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あらすじ、装丁にとても惹かれ、 図書館で貸し出し予約をしてやっと読めた! この本は自分の本棚にも置いておきたい…!
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「宗教団体」と一言で表し、差別的な目で見るのは簡単だけれど、 その中で育った子どもたちがいることや、 一人一人の生活があることを忘れてはいけないなと思いました。 一人一人が自分のなりたい自分で生きていける世の中であってほしいです。
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最初は孤児施設の話かなと思ったけど、途中からグレイな団体の話だということがわかってきた時に、自分の親が信者だと子供はこんなふうにその世界に閉じ込められてしまうというのがリアルだった。 面白くて一気に読んだけど、極端な考えの団体が苦手なので再読はしたくない。 最後にミカが救われてよ...
最初は孤児施設の話かなと思ったけど、途中からグレイな団体の話だということがわかってきた時に、自分の親が信者だと子供はこんなふうにその世界に閉じ込められてしまうというのがリアルだった。 面白くて一気に読んだけど、極端な考えの団体が苦手なので再読はしたくない。 最後にミカが救われてよかった。 文庫本で読んだけど、文字が本ののど部分までレイアウトしてあったのでページの境目の部分が読みにくかった。 売る
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理想的な子供を と願う気持ちも分からないでもないかも。でも、理想を掲げた人の思想であって、万人受けする訳でもなく、それこそ子供らしさもないような気がする。やっぱり、人は誰でも持っているところと足りないところがあると思う。 子供も成長すれば大人の望んでいることも理解する。辻村さんの...
理想的な子供を と願う気持ちも分からないでもないかも。でも、理想を掲げた人の思想であって、万人受けする訳でもなく、それこそ子供らしさもないような気がする。やっぱり、人は誰でも持っているところと足りないところがあると思う。 子供も成長すれば大人の望んでいることも理解する。辻村さんの作品は登場人物の内心をリアルに表現されていて読んでいる最中は夢中で、読み終えると共感と感心が自分の中に生まれる。題材としては重いものではあるが最後はスッキリ。この作品も良かった。
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辻村さんはかがみの孤城が最高傑作だと思ってるので、他の作品を読んでもやっぱり物足りなさを感じるのは私だけ…?平坦に想定内のストーリー、だけど読みやすかったから星3つ。2かなぁ、3かなぁと迷う微妙なライン。
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ちょっと分かるような、でも分からないような、色々な側面から状況や心情を見てしまうお話。 子どもの頃の「友達」って単純な関係に見えるけど、実際は固い鎖で繋がってるのだな、と美夏と法子を見て感じさせられた。法子には絶対話さない、すべて拒絶すれば事が済むし、私自身も楽になると構えてい...
ちょっと分かるような、でも分からないような、色々な側面から状況や心情を見てしまうお話。 子どもの頃の「友達」って単純な関係に見えるけど、実際は固い鎖で繋がってるのだな、と美夏と法子を見て感じさせられた。法子には絶対話さない、すべて拒絶すれば事が済むし、私自身も楽になると構えていたはずなのに、実際目の前にして優しく語りかけられると調子が狂う。それで美夏もうっかり話してしまう。 この美夏と法子のほんとの友情を見せつけられると私も目の奥がカッと熱くなってしまうし、涙腺を緩ませないようにと気を張るので精一杯。 本当の友達というのは、長い年月が過ぎても何かしらの縁でまた再会するようになるし、心はずっと見えない何かで繋がっているのだと私は思う。
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