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夜果つるところ の商品レビュー

3.6

138件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    3

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2023/11/13

人里離れた洋館。そこに集う人々、この世にあらざるものが見える美しい子ども…。 霞がかった、常に何かを含ませるような。そして、耽美的で怪奇的な恩田ワールド楽しめました‼️ 恩田さんの作品の中には、謎がほとんど解明されないまま終わってしまい、「でも、文章を楽しめたからいい!」と、思う...

人里離れた洋館。そこに集う人々、この世にあらざるものが見える美しい子ども…。 霞がかった、常に何かを含ませるような。そして、耽美的で怪奇的な恩田ワールド楽しめました‼️ 恩田さんの作品の中には、謎がほとんど解明されないまま終わってしまい、「でも、文章を楽しめたからいい!」と、思うものもあるのですが、今回の作品は全ての謎が解き明かされます。それが作品としてよかったのかは謎。

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2023/11/10

作中劇のように、小説「鈍色幻視行」の中の小説が実際の本になった。それもそれなりに面白い内容だった。幻の作家、飯合梓が書いたという小説。和江、莢子、文子。これが「私」の三人の母。山間の墜月荘で起こる凄惨なできごと。そこに「私」はどれだけ関わっているのか。全てなのか?

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2023/10/31

図書館にて。 悲しい夢を見て起きたような、ずっと余韻の残る作品だった。 夢とうつつを絶えず行き来するような、不思議な浮遊感と美しい日本語に酔わされる。 お酒に酔ったことはないけれど、また酔いたくなる気持ちが分かる気がする。

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2023/10/31

これを読むことで鈍色幻視行の真相が暴かれる!だったら良かったが関連性が薄く残念。2割くらい読んだところで断念。

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2023/10/25

昭和初期の山間での遊廓で起きた事を子ども目線で進んでいく。 墜月荘で起こるいくつもの悲劇が子どもながらにどう写ったのだろう。幻・幽霊… 前半は単調であったが後半は一気に動き出す。 墜月荘が炎に包まれていく様子は目に浮かぶようであった。

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2023/10/21

恩田陸「鈍色幻視行」の作中作家の飯合梓(めしあい あずさ)が1975年5月30日初版発行した本として、執筆された幻想譚。設定は昭和初期の山間の遊廓。この世の事柄のような、そうではないような、不思議な空気を感じながら読み終えた。なかなか面白かった。恩田陸さん仕様と飯合梓さん仕様のリ...

恩田陸「鈍色幻視行」の作中作家の飯合梓(めしあい あずさ)が1975年5月30日初版発行した本として、執筆された幻想譚。設定は昭和初期の山間の遊廓。この世の事柄のような、そうではないような、不思議な空気を感じながら読み終えた。なかなか面白かった。恩田陸さん仕様と飯合梓さん仕様のリバーシブルカバーになっているところなどハード的にも素敵。

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2023/10/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

鈍色幻視行はまだ未読で、こちらから先に読んだ。読みながらなんとなく既視感があるなと思ったが、篠田真由美の『魔女の死んだ家』に雰囲気がちょっと似ている気がする。と思ったらオチまで似ていて驚いた。『魔女の死んだ家』を読んだのはだいぶ前なので、再読して確認したい。 好みとしてはまぁまぁなので⭐️3つ。

Posted byブクログ

2023/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「鈍色幻視行」のメタフィクション。 ということで、「鈍色幻視行」⇒「夜果つるところ」の順で読みました。 恩田さんの幻想的で、息をするのも憚られるような一瞬にしてピンと張り詰めるような空気感があちこちに散りばめられていました。モノクロの世界の中で、庇で揺れている鉄製の鳥籠と、襖や畳に飛散る夥しい血、赤鉛筆、桜色の帯締め、陽炎の中で優雅に舞う男、そして炎に包まれた墜月荘。鮮やかに浮かび上がるそれらが、とても禍々しく、美しかったです。 「鈍色幻視行」と「夜果つるところ」の二作品を読み終え、誰も決して手の届くことのない大海原の遥かむこうに、チラチラと覗く夜の汀の果つるところが私にも視えるような気がしました。

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2023/10/17

同作者の「鈍色幻視行」の作中作。 同書に並行して執筆された。 奥付が二重になっていて、まず同書の設定通り飯合梓作1975年発行とあり、1枚あとに黒地に白抜きで本来?の恩田陸作と書かれた、凝った趣向。 一言で言えば貴種譚だが、「幻視行」の通り本書が映画化されることを想像すると、...

同作者の「鈍色幻視行」の作中作。 同書に並行して執筆された。 奥付が二重になっていて、まず同書の設定通り飯合梓作1975年発行とあり、1枚あとに黒地に白抜きで本来?の恩田陸作と書かれた、凝った趣向。 一言で言えば貴種譚だが、「幻視行」の通り本書が映画化されることを想像すると、どの場面も邦画にありそうな幻想的な構図が浮かんでくる。 終盤の焼け落ちる墜月荘の梁を力士上がりの種彦が一人で支えるシーンなどは目に見えるようだ。 「幻視行」とのつながりを知っていた方が楽しめると思うが、知らなかったとしても少し作風の変わった作品として十分楽しめる。というか、多分「幻視行」を読みたくなる。

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2023/10/15

「鈍色幻視行」は実は苦手で、最後まで読むには正直かなりの労力を要した。 だから綴込み付録のような位置付けのこの本をどうしても読みたいとまでは思っていなかったのだが、目にしたらやっぱり読んでしまった。 実際のところ、この本の方が遥かに読みやすかった。何度も映像化しようとしたという設...

「鈍色幻視行」は実は苦手で、最後まで読むには正直かなりの労力を要した。 だから綴込み付録のような位置付けのこの本をどうしても読みたいとまでは思っていなかったのだが、目にしたらやっぱり読んでしまった。 実際のところ、この本の方が遥かに読みやすかった。何度も映像化しようとしたという設定の通り、読みながら映像的なイメージが浮かぶ。彼岸とも此岸とも言い難く、血塗れで残虐で淫靡な世界。物語の大筋は明かされた上での展開だが、最後までしっかり読ませてくれた。 装丁は「鈍色幻視行」に書かれている通り。電話は集英社の編集部に繋がるのだろうか。結局飯合梓って誰だったんだ?

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