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夜果つるところ の商品レビュー

3.5

134件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    46

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    10

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2023/10/09

鈍色幻視行と対となる作品だが、こちらの方が自分には刺さった。凄惨な場面ばかりだが失われる生命と流れる血が物語を静かに彩る。これを映像作品としたら、余計な音楽は入れずに静謐な山あいで淡々と破滅に突き進む光景を表現してほしい。なおこの本は「エンドロールまでみてください」的なモノなので...

鈍色幻視行と対となる作品だが、こちらの方が自分には刺さった。凄惨な場面ばかりだが失われる生命と流れる血が物語を静かに彩る。これを映像作品としたら、余計な音楽は入れずに静謐な山あいで淡々と破滅に突き進む光景を表現してほしい。なおこの本は「エンドロールまでみてください」的なモノなので注意。

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2023/10/01

鈍色幻視行の中で扱わなているいわくつきの本 鈍色幻視行を読んでから読んだためなんとなく想像できたところとかなり意外だったところがあって面白い内容ではあった。 少し古い本だったため慣れない感じはあった。

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2023/09/30

「私」には三人の母がいるーー。昭和初期の山間に建つ館「墜月荘」を舞台に描かれる、「私」を取り巻く様々な出来事。 『鈍色幻視行』の核となる小説を完全に再現した一冊。 鈍色の中で語られていたまんまの本で驚いた。これはすごい。→ 物語としては割とあっさり(分量も少なめ)なんだけど、飯...

「私」には三人の母がいるーー。昭和初期の山間に建つ館「墜月荘」を舞台に描かれる、「私」を取り巻く様々な出来事。 『鈍色幻視行』の核となる小説を完全に再現した一冊。 鈍色の中で語られていたまんまの本で驚いた。これはすごい。→ 物語としては割とあっさり(分量も少なめ)なんだけど、飯合梓のデビューさくと考えればそれも当然だし、「鈍色幻視行」を読んだ側からしたら、これはもう恩田さんが書いた物語ではなく、幻の作家飯合梓が書いた物語なんだよ。こういうメタフィクション大好物なんで、本の装丁がたまらん!!→ 前半の緩やから流れから中盤、事件が起こってからの不穏さ、そして終盤の緊張感……!! 麦海っぽいー!!(笑) ラストのオチに恩田味を感じつつ、綺麗なまとまり方には“飯合梓”感が出ているなぁ、と。(恩田さんはあんな終わり方しない気がする笑) いやぁ、面白かった!!

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2023/09/25

こっちのが先に手に入ったから、こちらを先に拝読。 恩田陸先生にしてはコンパクトな1冊ですが、入れ子構造の小説って設定だからかしらん。 何を言ってもネタバレになる気がするのだけど、恩田先生ほんとに二・二六事件好きなんだろうな…。まああの呼び方といい、完全にそれモティーフというより...

こっちのが先に手に入ったから、こちらを先に拝読。 恩田陸先生にしてはコンパクトな1冊ですが、入れ子構造の小説って設定だからかしらん。 何を言ってもネタバレになる気がするのだけど、恩田先生ほんとに二・二六事件好きなんだろうな…。まああの呼び方といい、完全にそれモティーフというよりは、平行世界的設定なのかもだけど…。 誰一人幸せになってないのも…悲しいね…。 いや見方によっては幸せかもだが…でも、ねえ…?? 狂女と同性愛の扱いとか、遊郭のアレとかも関係してるのかも。 ただのシックス・センスものじゃないし、見方を変えるといくらでも気になる部分が出てくるのは確かに恩田陸らしいっちゃらしいので、これをもとに『鈍色幻視行』はどんな物語になっているのか…楽しみだな~~。

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2023/09/25

『鈍色幻視行』を読んだ後、気になって仕方なかった本。 幻の作家「飯合梓」によって執筆された幻想譚といったらいいのだろうか。 リバーシブルカバー仕様になっているところにも細やかさを感じる。 昭和初期の遊廓だろうか、山のなかにある「墜月荘」にいる私には三人の母がいる。 鳥籠を眺め...

『鈍色幻視行』を読んだ後、気になって仕方なかった本。 幻の作家「飯合梓」によって執筆された幻想譚といったらいいのだろうか。 リバーシブルカバー仕様になっているところにも細やかさを感じる。 昭和初期の遊廓だろうか、山のなかにある「墜月荘」にいる私には三人の母がいる。 鳥籠を眺めて、ときおり奇声を発するのが産みの母・和江であり、身の回りのことを教えてくれる育ての親は、莢子。 無表情で帳場に立つのは文子。 私が鳥籠のなかにいるように三人の母をじっと眺めている。そんな奇妙な感覚のなか始まる夜と、夜が終わるところで生きていた。 私が見たもの。 私が書いたもの。 それは、まるで空想の出来事のようであったがすべてが終わったとき、現実だと感じる。 荒唐無稽な話のようであると思わせるのが、またこの昭和初期という時代だからだろうか。 私自身が何者であるのか、性も偽ることで「墜月荘」でいられた理由や私がしたことは本当なのか…。 あの「墜月荘」を忘れることがない私は、ずっと「ビイちゃん」のままでいたかったのかもしれない。 妖しく昏い話だった。

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2023/09/18

飯合梓の伝説的ないわくつきの小説と言われれば、そうであるような、そうでないような。 鈍色〜でネタばれしているのだが、読ませる力はさすが恩田陸。

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2023/09/13

鈍色幻視行の作中劇ならぬ作中本。舞台設定から登場人物、起こる事件やその凋落全てが好ましく美しかった。隠れ里のような秘密に満ちた隠微な館、ひとり場違いな子どもである私視点で語られる日々、3人の母親や覗き見る久我原の舞姿、空っぽの鳥籠や立ち現れる亡者などなど素晴らしい。

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2023/09/12

「鈍色幻視行」からの「夜果つるところ」。 「墜月荘」という名前の場所にピッタリの不穏なお話。夢や妄想と現実が入り組んでるけど、意外と読みやすい。あっというまに読了。 「夜果つるところ」から読んでも楽しめるけど、 捉え方は微妙に変わるかも。 トビラと奥付は要チェック!

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2023/09/11

人里離れた山奥にぽつんと建つ妖しい遊郭・墜月荘の物語。ではあるのだが、夜な夜なここに集うカーキ色の人々や、何かから身を隠すように居る男たちや女たちには、計り知れない何かが隠されているようである。 ビィちゃんと呼ばれる子どもの私の目を通した墜月荘の日々を、大人になった私が語るという...

人里離れた山奥にぽつんと建つ妖しい遊郭・墜月荘の物語。ではあるのだが、夜な夜なここに集うカーキ色の人々や、何かから身を隠すように居る男たちや女たちには、計り知れない何かが隠されているようである。 ビィちゃんと呼ばれる子どもの私の目を通した墜月荘の日々を、大人になった私が語るという込み入った趣向なので、あらゆることがもどかしく、見たものがそのまま真実なのかどうかさえ曖昧模糊としていて、ある意味夢物語のようでもある。下界で起こった政変に関係があるのは確かなようで、それさえ子どもの目を通して見たことなので、薄紙の向こう側を見ているようでもある。 一夜の夢物語だったと言われても、納得してしまいそうな一冊でもある。

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2023/09/07

飯合梓名義の奥付まで作ってあります。 でも、1975年、東京の市内局番はまだ3桁だったと思うなあ。

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