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夜果つるところ の商品レビュー

3.6

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2023/08/16

鈍色幻視行の作中にでてくる「夜果つるところ」。出版された順に「鈍色」→「夜果つ」で読んでみました(東京新聞の記事で、作者インタビューに、この順で読んだらいいようなこと書いてあった…はず)。 舞台は二・二六事件位のころの、軍隊の中枢にいるようなメンバーが利用するような遊郭。そこにな...

鈍色幻視行の作中にでてくる「夜果つるところ」。出版された順に「鈍色」→「夜果つ」で読んでみました(東京新聞の記事で、作者インタビューに、この順で読んだらいいようなこと書いてあった…はず)。 舞台は二・二六事件位のころの、軍隊の中枢にいるようなメンバーが利用するような遊郭。そこになぜかひっそりと隠れるように住む私。ビーちゃんと呼ばれることもあり産みの母、育ての母、名義上の母がいた。しかし、基本的にずっとほったらかしで一人で客には見つからないように過ごしている。私の「人外の者」が見える目、複雑な生育環境、周りの人たちの様子など、始めはなかなか物語に入っていきにくかったが、100ページ前後あたりから引き込まれて一気に読んだ。 この話が分かった後でやっぱり鈍色読み返したくなる。あー、確かに映像化したら良いような、少しホラーめいたお話でした。

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2023/08/15

CL 2023.8.14-2023.8.15 鈍色幻視行の作中作。この作品に惹かれた人たちを描いたのが鈍色幻視行なのだから、これを読まないわけにはいかない。 終盤の畳み掛けるように諸々が明かされていくところは読み応えあったけど、鈍色幻視行で皆がこの作品にとらわれている、そこまでの...

CL 2023.8.14-2023.8.15 鈍色幻視行の作中作。この作品に惹かれた人たちを描いたのが鈍色幻視行なのだから、これを読まないわけにはいかない。 終盤の畳み掛けるように諸々が明かされていくところは読み応えあったけど、鈍色幻視行で皆がこの作品にとらわれている、そこまでの魅力は感じられなかった。

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2023/08/13

恩田さんのことだから、どこかで面白くなるのだろうと読み続けたが、盛り上がらないまま。後付けみて「なるほど騙された」…。気が付かなかった自分が愚か。不思議な空気感漂う物語ではある。「男の人は、人殺しのことをそりゃあ手を替え品を替えいろんな言葉に言い換えるものよーそれが、今回はたまた...

恩田さんのことだから、どこかで面白くなるのだろうと読み続けたが、盛り上がらないまま。後付けみて「なるほど騙された」…。気が付かなかった自分が愚か。不思議な空気感漂う物語ではある。「男の人は、人殺しのことをそりゃあ手を替え品を替えいろんな言葉に言い換えるものよーそれが、今回はたまたま革命って言葉だったってこと」

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2023/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カバーと奥付など、「作中作」として本当に細部まで凝っていてよかった。『鈍色〜』の彼、瑪瑙持ってたよなーとか思いながら読んだ。鈍色の該当箇所もう一回読み直したくなりますね。

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2023/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「鈍色幻視行」を読んだので、 こちらも楽しみにしていた。 こっちの方が衝撃的で面白かった。 映画化してほしい。 不穏な予感を常に秘めている墜月荘。 夢の中のような感じで、 不思議なストーリーだった。 最後に、久我原が言った言葉が衝撃的! 「君の父君は先のミカドだ。先の天帝の血を、君は引いている。誇りを持って生きてくれ。光坊ちゃま」 えー! この本の1番の盛り上がりはそこだった。 読む順番は「鈍色幻視行」→「夜果つるところ」が、やはりいいと思う。 莢子(さやこ)の名前が久我原だったのも衝撃的すぎる。びっくりした。 奥付が2つあり、とても凝っているなぁと思った。 ニセ奥付の次に本物の奥付あり。

Posted byブクログ

2023/07/31

作中作 物語が進行するにつれ、息を殺し、中を覗き込み、見えない何かを見たいがために引き寄せられる、大いなる引力は圧倒的 恩田陸の脳内映像化させる力は幾度もハッとさせられる 「愛好家」たちは、怨念や執着が漲るその闇部に魅入られてしまっているのだろう

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2023/07/28

7/28 夜果つるところ ただひたすらにふわふわと舞う、蝶の如く進む小説だと思っていた。 遊郭で暮らす主人公のビイちゃんの目線から描かれているので、 どこか全体像が不透明で、それが不気味な物語となっている。 〜〜あらすじ〜〜 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行...

7/28 夜果つるところ ただひたすらにふわふわと舞う、蝶の如く進む小説だと思っていた。 遊郭で暮らす主人公のビイちゃんの目線から描かれているので、 どこか全体像が不透明で、それが不気味な物語となっている。 〜〜あらすじ〜〜 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!

遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。 現代のエンタメ文学というよりは硬めの文章ではあるものの、ストーリーは追いやすく どんどんと飲み込まれていきます。 ・なぜこの屋敷では多くの人が死ぬのか? ・なぜ多くの人が遊郭に出入りしているのか? ・そして私は誰なのか? いくつもの謎が深まる中、物語が動き出すとあっという間。 熱中して読み込みました。 本作の前作にも当たる『鈍色幻視行』は読んでおらず、こちらから読んでいたのですが それでも十分に楽しめます。というかこの作品だけでちゃんと完結します。 このクオリティで作中作だとは・・恐るべしです。 『夜果つるところ』 恩田陸 著

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2023/07/26

「鈍色幻視行」で、幻の作家・飯合梓が書いた呪われた小説とされる作中作ということで、本扉と奥付が恩田陸バージョンと、飯合梓バージョンの二重になっている凝った作り。 中身は山間の娼館を舞台にした幻想譚といった風情で、恩田陸のこの手の作品が好きな人にはたまらないだろうけど、私はいまい...

「鈍色幻視行」で、幻の作家・飯合梓が書いた呪われた小説とされる作中作ということで、本扉と奥付が恩田陸バージョンと、飯合梓バージョンの二重になっている凝った作り。 中身は山間の娼館を舞台にした幻想譚といった風情で、恩田陸のこの手の作品が好きな人にはたまらないだろうけど、私はいまいちハマらなかった。 読む順番としてはやはり、こちらを読んでから「鈍色〜」に行くべきだったという印象。 本格的なメタフィクションという面白い試みではあったけど、どうにも世界観に入り込めず、読了まで時間がかかった。

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2023/07/26

もちろん面白い。一気に読んだし、途中で嫌になるようなことも無かった。でも”鈍色~”という前提があり、同作との相乗効果を期待していた分、やや肩透かしというか。前作でハードルが上がり過ぎているから、というのもあるけど、じゃあ本作に、そこまで不穏な要素とか、万人を惹きつけてやまない麻薬...

もちろん面白い。一気に読んだし、途中で嫌になるようなことも無かった。でも”鈍色~”という前提があり、同作との相乗効果を期待していた分、やや肩透かしというか。前作でハードルが上がり過ぎているから、というのもあるけど、じゃあ本作に、そこまで不穏な要素とか、万人を惹きつけてやまない麻薬性とかあるかというと、う~ん…という感じ。

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2023/07/26

思ったよりは普通の本で、そう思って読むと全然普通じゃない。おまけの位置付けだと思っていましたが読み応えありました。

Posted byブクログ