夜果つるところ の商品レビュー
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『鈍色幻視行』の核になる小説との謳い文句の本書。 幻想、妄想が入り交じった世界は魅惑的。 しかし、この小説と『鈍色幻視行』とのつながりが少ない気がする。 読み込みが不十分で理解が間違っているのかもしれないが、メタフィクションであれば両方の小説で全体として完成するという構成だと思うのだが、『鈍色幻視行』はこの『夜果つるところ』を題材にはしているものの小説としては完全に独立している。 メタフィクションにするのなら、映画の脚本としての『夜果つるところ』を題材にした方がつながり易かった気がする。
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【鈍色幻視紀行】を読み始めて、【夜果つるところ】を先に読む方が深く入り込める気がして読みました。なかなか今の世の中ではあり得ない異世界な内容です。やはり先に読んでいて良かったです。 今【鈍色幻視紀行】を読んでいますが、良く分かります。 恩田陸さん復活ですね。
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『私には三人の母がいる』という広告文を読まなかったら、こんなに読みたいとは思わなかったでしょね。 遊郭のような場所。出入りする不思議な人々。 その影についた死人の姿をみる主人公。 私の好みのドストライクでした(^^) 続きのミステリをどうするかは考え中です。
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山間の遊廓で暮らす「私」は、ある時館に出入りする 男たちの宴会に迷い込む。だがそれは、夥しい血が 流れる惨劇の始まりで…。「鈍色幻視行」の 作中作家・飯合梓によって執筆された幻想譚。
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Amazonの紹介より 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。 「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…! 遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りの...
Amazonの紹介より 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。 「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…! 遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。 謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。 『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。 別作品「鈍色幻視行」に出てくる小説の中身を単行本化した作品でしたが、壮絶な内容になっていて、これを映像化するとなると、そりゃ何かあるわなと思ってしまいました。 ただ、個人的に思っていたイメージとはちょっと違っていました。というのも、「鈍色幻視行」で紹介する内容としては、関係者が次々と謎の死を遂げるということで、ホラーでショッキングな内容として捉えていたのですが、別の意味でショッキングな内容だったので、ちょっと意表をつかれました。 最初の段階では、「遊郭」という表現は使わず、複数の女達と暮らしていて、時折有名な男達が訪ねてくるという一見穏やかな雰囲気な状況だったので、これが危険な作品?と思っていました。 ところが、中盤になると、男と女の歪な恋愛事情が見えてきて、明治か大正か昭和かわかりませんが、そのあたりの歴史を背景に渦巻く欲望や嫉妬に恐ろしさを感じました。 全部を見たことはないのですが、イメージとして昔の映画「吉原炎上」が頭に思い浮かびました。燃えさかる炎や男と女の情念の数々が、グイグイと深みにハマるかのようにいつの間にかどっぷりと世界観の中に引き込まれていました。 これを恩田さんが⁉︎と思うくらい、今までの作風とは違った女達の「念」が滲み出している印象があって、面白かったです。 後半では、主人公の秘密に明らかになったり、大人になった主人公が登場し、当時を振り返る形で語っていたりしています。 また、ブックカバーも凝っていて、裏返すと「本当」の小説家が書いたかのように仕上がっていて、物語の雰囲気を存分に楽しめました。 「鈍色幻視行」とこの作品、どちらを先に読むかで、もしかしたら印象が違うかもしれません。 個人的には、「鈍色幻視行」を先に読んでからだったので、 何でそんなに悲劇を招くのか? そんなに恐ろしい作品なのか? といった興味を湧いてから臨んだので、恐ろしい内容でしたが、スッキリ感もありました。 これを映像化と考えると、呪いがあってもおかしくないと思うくらい、念のこもった作品であり、益々その映像を見てみたくなりました。
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恩田陸先生の『鈍色幻視行』内で話題に上がる謎の作家、飯合梓が唯一世に出した作品。 びぃちゃんには3人の母親がいる。 産みの母親、育ての母親、名義の母親。 びぃちゃんは山奥の墜月荘という遊廓で暮らしているのですが、びぃちゃんはなぜ遊廓で育てられるのか、何者かもわかりま...
恩田陸先生の『鈍色幻視行』内で話題に上がる謎の作家、飯合梓が唯一世に出した作品。 びぃちゃんには3人の母親がいる。 産みの母親、育ての母親、名義の母親。 びぃちゃんは山奥の墜月荘という遊廓で暮らしているのですが、びぃちゃんはなぜ遊廓で育てられるのか、何者かもわかりません。 そんな墜月荘では次々と人が死んでいき、最後には… これは昭和のある時期を舞台にしたダークファンタジー小説だなと思いました。 一見、はじめは平たんに見えるストーリーで、これは鈍色幻視行で読んで思ってたのと印象が違うなと思ったのが本音。こんな作品になんで皆踊らされてるのかと。 しかし、読み進めれば読み進めるほどに陰鬱さは増していったのですが、呪いとでも言いますか、陰鬱になればなるほど墜月荘に引き込まれていく私がそこにいました。 登場人物が死んでいく度に次は誰が死ぬのかと気になり、最後のほうは日本の歴史のここに話がつながるんかい!?となりました。 淡々とした語り手のびぃちゃんを通じて描かれる登場人物たち。本当に彼らはびぃちゃんが思うような人だったのかは謎ですし、語られる登場人物の死や墜月荘はどこか幻想的でファンタジックで、不思議な世界。 読み返す度に感想が変わりそうな作品で、読後は鈍色幻視行内で語られてたまんまの感想を抱きました。 鈍色幻視行と本作、どっちを先に読むべきかは正直私にはわかりません。どっちから読んでも、良い気がするし、先にこっちを読んで、鈍色幻視行を読んだ感想も正直聞いてみたい思いもあります。 ただ、本作を読んで思ったのは、自分自身が何者かなんて自分でもわからないのに、なんで他人の真実がわかることがあるのか?いや、わかるわけないだろうということです。 結局、自分が何者かなんて鈍色幻視行のとある登場人物が言った、虚構の中にあるんじゃないかということです。 そんなことを感じつつ、読後感は不思議な気分にさせられる作品だと思いました。 追記 本作を読もうと思った初日になぜか仕事でクレームが入り、読書の気分じゃないくらい陰鬱とさせられ、2日目の昼は本をむき出しで手にもって昼休憩に行ったらゲリラ豪雨にあい、その夜に焼き鳥屋さんでお酒飲みながら読んでたら、隣の客が粗相をして本にゲ◯がかかるという前代未聞の悲劇にあった本作のパワーは並じゃないなと思いました。ほんまにこの本、呪われてるんじゃね?と思ったのは内緒です。
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なるほど作中作 恩田陸の文章なんだけど、そこはかとなく作者の自意識がチラつくところなんか、別人として書いてる感があった 何より装丁が凝っていた 表紙リバーシブルで飯合梓バージョンにもできる サイン本のサインには飯合梓印押してあったし 奥付も二段構え 頁数や本文の書体も時代がかった...
なるほど作中作 恩田陸の文章なんだけど、そこはかとなく作者の自意識がチラつくところなんか、別人として書いてる感があった 何より装丁が凝っていた 表紙リバーシブルで飯合梓バージョンにもできる サイン本のサインには飯合梓印押してあったし 奥付も二段構え 頁数や本文の書体も時代がかったものになってて どうせ読むなら紙でじゃないとな仕上り 内容自体は鈍色で概ね開示されていたので目新しいものではないが、炎上シーンは映像映えするだろうなぁと感じた もっと暗く湿った感じを想像していたので、それと比べるとあっけらかんとした空気感だった それが過去を追想する構造と相まって一層本当らしくなっているようにも思う
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まず装丁が凝っていて、中身も工夫されているから愛おしさが増します。 小説の中身もこれまた凄いよ〜 本当にあったことなのか幻なのか…読んでいくにしたがって足元がなくなる感じに〜 なるほどこれを映画化したいのもわかるし観てみたいよね。 恩田陸先生の引き出しの多さに驚嘆。 大傑...
まず装丁が凝っていて、中身も工夫されているから愛おしさが増します。 小説の中身もこれまた凄いよ〜 本当にあったことなのか幻なのか…読んでいくにしたがって足元がなくなる感じに〜 なるほどこれを映画化したいのもわかるし観てみたいよね。 恩田陸先生の引き出しの多さに驚嘆。 大傑作を ぜひ〜
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