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音楽は自由にする の商品レビュー

4.3

58件のお客様レビュー

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    22

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/05/10

<バリケード封鎖した高校の中で、ヘルメットをかぶったまま、坂本がドビュッシーを弾いていた、なんていう噂もありますが、よく覚えていません。もし、そんなことをしたとすれば間違いなく、モテようと思ってのことでしょうね。> 晩年になってから、こう回想するのはなんかいいですね。

Posted byブクログ

2023/05/09

天才・坂本龍一を偲んで拝読。私の坂本龍一との出会いは、小学校6年生の時の「KYLYN」だ。友達の高校生のお兄ちゃんがギターオタクで、渡辺香津美の新譜を聞かせてくれたのが最初。「E-Day Project」の曲も凄かったが、KORGで気持ち良く唄うようなキーボードソロが、渡辺香津美...

天才・坂本龍一を偲んで拝読。私の坂本龍一との出会いは、小学校6年生の時の「KYLYN」だ。友達の高校生のお兄ちゃんがギターオタクで、渡辺香津美の新譜を聞かせてくれたのが最初。「E-Day Project」の曲も凄かったが、KORGで気持ち良く唄うようなキーボードソロが、渡辺香津美のギターソロにも負けず劣らずで一発で好きになった。そこからは「千のナイフ」からYMOの「公的抑圧」まではどっぷり全身坂本龍一に浸っていたと言っても過言でないと思う。「公的抑圧」は権利関係で渡辺香津美のギターが全カット。後年ノーカットの「Faker Foric」が出た時には感涙した。 天邪鬼で照れ屋な性格が前面に出た珍しい自叙伝で、自叙伝としての完成度は今三つだが、やはり天才・坂本龍一がどのように育ち、生きてきたかについては面白く拝読させてもらった。坂本龍一の全体的な印象は、五木寛之がよく使っていた「デラシネ(根なし草)」で表現されるような気がした。漂流しながらその場その場で確実に爪痕を残す天邪鬼な天才のイメージ。ドビュッシーを弾く教授を聴いてみたかったなあ。

Posted byブクログ

2023/05/07

坂本龍一について。恥ずかしながら知らずに育ってきたため、今回をきっかけに知りたいと思い読みました。人生史についてでしたが、自分の生い立ちとは異なることが多く共感することも難しく感じてしまいました。知れたということが今回の収穫でした。

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2023/05/07

実に豊かな空虚を備えた人というか、素敵に空っぽな人というか。紛れもない天才であり時代/世界をリードした人だというのに、本人の語り口の中にはそんな暑苦しいエゴも野心も見当たらない。音楽の未来を背負って立つ、というような力みもない(皆無ではないにしろ、ここまで「自然体」という言葉が似...

実に豊かな空虚を備えた人というか、素敵に空っぽな人というか。紛れもない天才であり時代/世界をリードした人だというのに、本人の語り口の中にはそんな暑苦しいエゴも野心も見当たらない。音楽の未来を背負って立つ、というような力みもない(皆無ではないにしろ、ここまで「自然体」という言葉が似合う人も珍しい)。有り余る才能を持ちながらそれに慢心せず、だからといって泥臭い努力の果てに潰れるような行き方も選ばず、自然に「なるようになる」生き方を歩んできたらこうなったのかな、と思う。その素直で温かい語り口に惹かれて読み終える

Posted byブクログ

2023/05/05

読み終えたのでメモします。癌で亡くなられて、その追悼で本屋さんに文庫本が積んであったので手にしました。 坂本さんの演奏を聴いての感想、ピアノ曲についての感想はありますが、それは別の所で書くべきかなと思います。この本を読んでの感想ということですが、私には余り新しい情報で印象に残っ...

読み終えたのでメモします。癌で亡くなられて、その追悼で本屋さんに文庫本が積んであったので手にしました。 坂本さんの演奏を聴いての感想、ピアノ曲についての感想はありますが、それは別の所で書くべきかなと思います。この本を読んでの感想ということですが、私には余り新しい情報で印象に残った、というものはないのですが、改めて思いを馳せてみた、という感じです。有名な方でインタビュー等もメディアで取り上げられてきたので、 まず、周りに流されずに、本質的なものにアプローチする行動力があったのかなと思います。いろいろな仕事に誘われた、ということが、随所に語られています。誘われても、そのプロジェクトに飛び込んでついていく行動力がすごかったのだと、改めて思いました。そして、その中でやはり「本質的なもの、すごい良いもの」を見抜く力はあったのだと思います。 誘われてライブに出るようになり、映画音楽を作り有名いなられた経緯が書かれています。誘われたり、自分で売り込んだりと、常に動きのある生活をされていました。本を読んでいると、常に新しい仕事を行っていたことが綴られているのですがが、自分から見るといつも戦メリを演奏会で弾いて、カーボンフットプリントや反原発などの発言をしている人、というイメージでした。が、それは20世紀にたくさんの仕事をして大家になられた後の活動だったなと改めて思いました。非常に常識的な発言だけれども押しつけがましくないところが良い印象。 自分に対して、自分をよく自覚できていて説明できる人だと思いました。歴史や文化を語りますが、内容が本質的で面白いです。仕事ができ、経済的にも成功しているように見えますが、音楽の内容は置いておいてチャーミングで魅力にある方だったのだなと改めて思いました。過去を語る時、後付けの知識で偉そうに話す人が多いですが(特に戦争については)、この本ではそういう感じはなく、遠慮も傲慢さもなく適切な口調で最初から最後まで語られていました。

Posted byブクログ

2023/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

坂本龍一の語りによる自伝で単行本を持っていたが、装丁が気に入り入手。書かれているのが単行本刊行当時の2009年までのことで、東日本大震災やそれに伴う活動については含まれない。若いころから運動家でエネルギッシュで、肩で風を切るようなところがあったのは面白い。そこは細野晴臣、高橋幸宏とは違うところだろう。YMO当時、確執があったことがふれられていたり、テクノドンをリリースした再結成はかなり不機嫌な状況だったことに言及されている。若いって何もいいことはないと書かれていたことが印象に残る。ラストエンペラーのエピソードは面白い。短時間で超人的な作業をこなし、あの名曲たちが出来上がった不思議。ハラキリという日本人のステレオタイプな解釈を広めることにかなりの抵抗をしたこと。文化をかなり大事にしていたことが伝わる。これからも坂本龍一の音楽を聴き続ける。

Posted byブクログ

2023/04/23

先ず以って、坂本龍一は自分にとってのアイコンであり、彼を失うことで、改めて彼の作品、活動、発言をさかのぼっている。 本著は、あとがきを読むと、坂本龍一が57歳の頃に出している本なので、そこまでの彼の人生の足跡が分かる。(69歳で他界したので、以降の足跡は別途、辿る必要があるとい...

先ず以って、坂本龍一は自分にとってのアイコンであり、彼を失うことで、改めて彼の作品、活動、発言をさかのぼっている。 本著は、あとがきを読むと、坂本龍一が57歳の頃に出している本なので、そこまでの彼の人生の足跡が分かる。(69歳で他界したので、以降の足跡は別途、辿る必要があるということ) 本人の語りをベースとしているので、情報としては正しいのだろうから、今となっては貴重なものである一方、本人は、自分のことを語ることを躊躇するきらいもあるようなので、不十分さもあるのかもしれないし、これだけで彼を評価することはできない。 これほど才能のある音楽家がどのような生い立ちであったのか、それは教授のファンでなくとも関心のあるところだろう。 やはり両親の影響が大きいことが、本著からもよく分かる。(親側からみた子育て論も知りたいところだが) 教授の稀な才能の源泉を考えてみたのだが、多岐にわたる関心と(ある意味飽きやすいことと裏腹かもしれない)、それを掘り下げる力、だと思った。 勿論、関心があることと(興味がある)、掘り下げる力は密接に関係しているのだが、そこを音楽というプラットフォームが確りとあることがポイントなのかもしれない。 詰まり、色々と多岐に関心をもち、とことん深掘りするのだが、それが飽きると次、、、ということは珍しくない。ただ、そこに普遍的なベース(教授の場合は音楽)がある、というのは稀なのかもしれない。(それが天才と凡才の差かもしれない) 人脈の広さ、読んでる本から推察する関心の広さ、それが相乗効果として彼の才能を豊かにしていくのだろう。彼が本著でも触れているように、主体的なところというよりも、周りに巻き込まれている、という感覚は、多くのアンテナが立っているから故に起こり得るのであり、その感覚は却って重要で、プラスに働いているのかもしれない。 そして教授の魅力は、60年代を学生として過ごしている、ということ。音楽家だけであれば、そこまで惹かれていないと思う。 自分は教授と約20歳の差があるのだが、やはり、”60年代”への憧れはあるのだと思う。 尖っていること、純に突き進むこと、が許された時代。 以下抜粋~ ・インドネシア人たちがヨーロッパの地で初めてガムランを演奏したそのときに、ドビュッシーはそれを聴いて、強い衝撃を受けた。そして、ベートーヴェン以降の作曲家が書いてきたような、堅牢な建築のような音楽ではなく、海や雲などを題材にとった浮遊的な音楽を書き始めました。20世紀西洋音楽の祖であるドビュッシーは、アジアの音楽に啓発されておおいう音楽を生み出したんです。 ・70年代の中央線文化 考えてみると、当時は中央線沿線の街にいることが多かったですね。高円寺、阿佐ヶ谷、吉祥寺、三鷹、国分寺。中央線沿線はフォークの中心地でしたが、その一方で、有機栽培の店とか、整体、ヨガ、合気道の情報なんかも集まっていた。 ・ラストエンペラー 場所は満州映画協会、演奏は地元の楽団ですから、つまりほとんど当時のままの音がするんです。違っているのは、そこに立っていた甘粕の銅像が毛沢東のものに変わっていたぐらい。あとはもう昔のままです。そこここに甘粕の亡霊が見えるようで、怖かったです。 ・ニューヨーク ニューヨークという土地の持つ、一種の無関心というか、そういうものが心地よいというのはあるかもしれません。ニューヨークというのは、共同体的なものに寄りかかれないというか、安易には愛してくれない街ではあるんです。でもぼくの場合、何かに所属するということが子どものころからとにかく嫌いだったので、そういう意味では楽なんです。とれあえず何者でもなく暮らせる。それはぼくの性にあっている。

Posted byブクログ

2023/04/20

坂本龍一の自伝。 YMOに至るまで、ソロになって再びYMOになるところまでが書かれている。 本人の語りで、子供の頃や小学生、中学、高校になる辺りの記述は面白い。 天才がグッと身近に感じられてくるから不思議だ。

Posted byブクログ