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音楽は自由にする の商品レビュー

4.3

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/20

身近に置いて、よく手に取ります。坂本龍一さんのボソボソした声が聞こえてきそうな本。まだまだ生きていただいて、すてきな音楽をききたかったな。若い頃の教授の姿を思い浮かべながら、みんなそう思うはず。まだ悲しいです。合掌。

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2024/08/13

恥ずかしながら、僕は坂本さんのことをあんまり詳しく存じ上げず、彼の音楽はバッハやラヴェルなんかがベースにあって、幸宏さんが「教授」と呼んだくらい理論的バックボーンのある人というイメージだったので、この本も読む前は難しいことが書いてあるのかなと思っていました。ところが、実際読んでみ...

恥ずかしながら、僕は坂本さんのことをあんまり詳しく存じ上げず、彼の音楽はバッハやラヴェルなんかがベースにあって、幸宏さんが「教授」と呼んだくらい理論的バックボーンのある人というイメージだったので、この本も読む前は難しいことが書いてあるのかなと思っていました。ところが、実際読んでみたらとても面白くて、スルスルと最後まで読めてしまいました。 山下達郎さんや細野晴臣さんと出会ったエピソードもとても印象的で、きっと「別々の国で育った人間なのに、初めて会ったら言葉が通じた!」みたいな衝撃だったんでしょうね。矢野顕子さんとの結婚も僕にはずっと謎だったのですが、坂本さんからは矢野さんがこんなふうに見えていたんだなと腑に落ちました。 YMOについても、短い活動期間で絶頂期に突然の解散みたいに感じていましたが、三人にとってはもうすべてやり尽くしたという感じだったのか。あらためてアルバムを聴き直してみたいと思います。 坂本さんのことを「サヨク」と揶揄する人もいます。たしかに、若いころデモに参加していた坂本さんはサヨクだったかもしれません。当時の人たちは真剣なつもりだったのでしょうが、いま見るとやはりある種のファッションでもあったことは否めないと思います。それと関係があるかわかりませんが、団塊世代はあの時代の話になると一様に口を閉ざします。それに対して、後年の「非戦」というスタンスは、坂本さんの目の前で起きた9・11の衝撃から生じた、もっと本能的というか、やむにやまれぬ衝迫のようなものだったと感じました。 この本は僕の中の坂本龍一という人間像に、具体的な輪郭を与えてくれました。

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2024/07/13

ハラタツけど教授、かっこよすぎ…! スカした野郎だけどそれが問答無用で許されるし、跪かずにはおれない。教祖とはこのことか(?)村上春樹でさえ、「ダンスダンスダンス」に無意味に唐突に坂本龍一という4文字を登場させずにはいられないって…! クゥ、

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2024/07/05

音楽だけではなく、色々なモノコトヒトにアンテナを立てていたことが分かる。 意外だったのが、人から誘われたり、依頼があったり、目の前のことをやっていくうちに道ができていたと語っていたこと。 ゴール設定して道を進むタイプではなく、振り返ったら道ができている積み上げ派だったのかな。...

音楽だけではなく、色々なモノコトヒトにアンテナを立てていたことが分かる。 意外だったのが、人から誘われたり、依頼があったり、目の前のことをやっていくうちに道ができていたと語っていたこと。 ゴール設定して道を進むタイプではなく、振り返ったら道ができている積み上げ派だったのかな。 教授の語りはさくさく読めて楽しかった!

Posted byブクログ

2024/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p49 「おまえ、ビートルズ知ってる?」って訊くんです。知ってるやつとは仲良くする。知らないやつは、あまり相手にしないことにする。 p229  ファシズムは何か崇高な美に対する強い憧れのようなものがあります。彼らは、ただ野蛮なだけではなく、高貴な教養があって、洗練されている者もいた。 p233 ベルトリッチ監督は、放っておくと半年でも編集を続けて全然違う映画にしてしまうような人なんです。 p287 戦車を買うわけにはいかないので、レンジローバー。 p291 その一方で、音楽的にも文化的にも、ぼくが得てきたものはほとんどアメリカ経由なんです。ロックはもちろん、東洋思想だって、禅だってそうです。 p316-317 人間が自然にかける負荷と、自然が許容できる限界とが折り合わなくなるとき、当然敗者になるのは人間です。困るのは人間で、自然は困らない。自然の大きさ、強さから見れば、人間というのは本当に取るに足らない、小さな存在だということを、氷と水の世界で過ごす間、絶えず感じさせられ続けた。そして、人間はもういなくてもいいのかも知れない、とも思った。 自問と自省、丁寧な語り口、本当に不思議な人。 直撃世代ではないけど、音源出たらたまに聴いていた、くらいの距離感。でも、最近どういう人だったのだろうかと興味がわき、購読。 思う、とか、かもしれない、とか、あくまで自身の感想と推量が多く、慎重である意味では素直(本人は天邪鬼だと思っていそうだけど)な人だったのだろうなと思いました。 本人は否定するけど、モリコーネを引き合いに出される日本人なんて、坂本龍一以外にいないでしょう。創作における原動力として、怒り、憤り、フラストレーションを糧に。見た目からは想像しにくいけど、そういう感情が見え隠れするのが彼の魅力の一つ。 これからも数多くある映画音楽とYMOやソロの音源など、長らく私の生活のそばにあるのだと思う。

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2024/03/03

本音を言えば、あまり気が進みません、からはじまる、坂本龍一の人生の振り返り。常に自分から何かしてきたわけではない、としながらも、その時々に起こる機会に対して、尋常ならざる好奇心や好き嫌いが、人生で出会う人を多様にし、圧倒的に多面的で複雑なインプットが、幼少期から学んだ正当な音楽理...

本音を言えば、あまり気が進みません、からはじまる、坂本龍一の人生の振り返り。常に自分から何かしてきたわけではない、としながらも、その時々に起こる機会に対して、尋常ならざる好奇心や好き嫌いが、人生で出会う人を多様にし、圧倒的に多面的で複雑なインプットが、幼少期から学んだ正当な音楽理論の上に乗って、ハーモニーを奏でる。そんな背景でこの音楽が作られているんだ、という、その裏にある果てしない奥深さを垣間見た

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2024/02/23

書店でふと手に取った坂本龍一さんの自伝。若かりし頃の猪突猛進さ、求められる方へ良い意味で流されながら。3.11やグリーランドの景色に感じた危機感から、社会的アンテナが広がっていく。激動と崩壊の狭間で、いつも音が紡がれていた。

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2024/02/21

制作の背景や時代も感じる事ができ、最高に面白い。 西洋音楽の時間と、自分が生きている時代が交わる瞬間。の言葉がとくに印象的だった。

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2024/02/10

2024/02/10 読了 #読書記録 #rv読書記録 坂本龍一をよく知っている訳では無かったけれど、ある日ふと手に取ってみた一冊。読んでみると彼自身のユニークな生き様と語り口に呑まれてゆく。 よく言えば奇想天外、悪く言えば(?)ちゃらんぽらんな瞬間もあれど、それと密接に連なる...

2024/02/10 読了 #読書記録 #rv読書記録 坂本龍一をよく知っている訳では無かったけれど、ある日ふと手に取ってみた一冊。読んでみると彼自身のユニークな生き様と語り口に呑まれてゆく。 よく言えば奇想天外、悪く言えば(?)ちゃらんぽらんな瞬間もあれど、それと密接に連なる独創的なメンタリティと力強さこそ、坂本龍一を坂本龍一たるものとしていたということなのかなと。 P153 死生観?について ……死を、どう考えたらいいのかは分かりません。正しい親しい人が死ぬと、いかに人間と人間は遠いか、いかに自分はその人のことを知らなかったということを思い知らされます。生きている時は、お互い適当にしゃべったりすることもできるから、なんだか相手のことを分かったような気になっている。でも、その人が死んだとき、まったくそうでないことがわかる。いつもそうですね。僕の場合は。 P228 …現地の演奏家たちはけっして上手くないのですが、その下手さ加減もとてもリアルで、よかった。 宿舎といい、スタジオといい、そのおじいちゃんといい、対面しているうちに当時の世界に飲み込まれるような感じがしました。その天井の高い宿舎で寝ているときに は、本当に関東軍の将校の亡霊が出てきそうで怖ろしかった。 映画というものには、何か現実と虚構の境を飛び越えてしまうようなところがあると思います。そういう強い磁力みたいなものを映画は持っていて、撮影現場で人が死んだりすることもある。「現実」とか「虚構」というのはあえて境界を設けるための 言葉で、もともと現実は虚構で、虚構も現実で、境い目はないんです。そういう言葉 の境界を越えた本当のことが、映画には映ります。 P244 バリではいろいろ印象深い体験をしましたが、中でも心に残っているのは、芸能のリーダーみたいな長老が言っていた「バリ島にはプロのミュージシャンは一人もいな い」という話。お金をもらって音楽をやるようになると、芸能が廃れるんだそうです。 バリのミュージシャンはみんなすごい能力を持っているんですが、お百姓とか大工と か、それぞれに職業を持っていて、音楽で食べているわけではない。すごく自覚的に、音楽を商品化しないようにしているわけです。個人が音楽を消費するようなこともない。そうやって注意深く文化を存続させてきた。民族音楽に興味を持ち始めた10代のころから感じていることですが、共同体が長い 時間をかけて培ってきた音楽には、どんな大天才も敵わないと思うんです。モーツァ ルトだろうが、ドビュッシーだろうが。共同体の音楽には絶対に勝てない。 昔、オランダがバリに攻め込んできたときに、バリ島の人たちは王宮に立て籠もって、ガムランを演奏した、という話を聞いたことがあります。武力に音楽で対抗したんですね。 P248 彼が亡くなったのは、プエルト・バヤルタという、ごく普通の観光地でした。 車が崖から落ちて亡くなった、と電話で聞いていたので、どんなすごい崖なんだろうと思っていたんですが、何ということもない、数メートルほどのものだった。現場がまったく劇的でないことが逆に悲しかった。こんなんで死んじゃうんだな、と。それから半年ぐらいは立ち直れませんでした。本当に大切なものが急に失われること、それに抗うことができないという不条理を、感じざるを得なかった。それからもう一つ強く感じたのは、これは親しい人を亡くしたときにいつも感じることなんです が、いかに自分がその人のことを知らないか、ということでした。彼とは何年もの間、 毎日一緒に過ごしてきたのに、彼が本当はどういう人間だったかということを、ぼくは知らなかった。その、人間と人間の越えられない溝の深さに、打ちのめされました。 P276 それは、社会的責任というよりも、生理的な危機感のようなものです。 P284 上手くもないし。でもそのときは気がついたら写真を撮っていた。それは、 またまそこに居合わせた人間の義務として、写真を撮っておかなければいけないと思った。行って写真を撮りました。ふだんは、特に熱心に写真を撮っているわけではない

Posted byブクログ

2024/02/04

戦場のメリークリスマスのイメージが強くてYMOというテクノポップの先駆者的なバンドをやっていたり学生運動に参加したりあくが強そうな背景も持ってるんだと驚いた。

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