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27000冊ガーデン の商品レビュー

3.6

100件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校の図書館を中心としたミステリー。27000冊というのは図書館の蔵書数。 神奈川の県立高校に赴任した司書,星川駒子が主人公。「駒子」というと加納朋子さんのシリーズ作品の主人公を思い出してしまう。そして駒子の図書館に書籍を納入している書店員の針谷敬斗が協力者というか探偵役のような形で関わってくる。 「放課後リーディング」 男子生徒が帰宅途中に立入禁止の廃工場に忍び込み事件のようなものに遭遇し慌てて逃げ帰る際に図書館で借りた本を落としてきてしまったところから始まる話。 「過去と今と密室と」 駒子が他の高校の司書の先輩から相談された案件。 ある朝,図書館に行ってみると,前日に飾ったばかりのディスプレイがめちゃくちゃに荒らされていた。しかし図書館の入口は施錠されていて鍵もしっかり管理されており不審な使用の形跡はなく,窓もしっかりしまって施錠もされていた。一体誰がどうやって中に入って荒らしたのか。と言う話。 「せいしょる せいしょられる」 駒子の同僚の数学教師が突然欠勤した。しかもその連絡のあと,連絡がつかなくなっている。そういう事は今までなかったということで周囲は心配する。その後の調べで,その教師が学生時代に家庭教師をしていた生徒に関わる問題が発生したらしいことがわかる。そしてその生徒が通う高校が,駒子が以前勤めていた進学校であった。どうもその時駒子が受けた仕打ちにも関係があるらしい。 「クリスティにあらず」 駒子が以前勤めていた工業高校の生徒・羽多が訪ねてきた。今は卒業して工務店に勤めており,駒子の高校で少し前におきた古い部室の火事の後始末に来ているという。 この話とは別に駒子の高校では,最近生徒の持ち物が盗まれ,校内ですぐ見つかるのだがその盗まれた品のそばに何故か図書館から無断で持ち出した本が置かれていると言う事件が頻発していた。羽多も火災現場のそばで図書館の本を見つけたと言って持ってきてくれる。が本のそばには他に何もなかったという。 「空を見上げて」 女子生徒・右田が,亡くなった祖母に聞いたことのある,春雨づくしの料理が乗っている本を知らないかと相談してくる。右田は以前友人の箕島にも相談していて,箕島は見つけたらしいのだが,情報を教えて貰う前に家庭の事情で学校に来なくなってしまったのだ。連絡も取れないということで,駒子と針谷が協力して本を探し出すことに。

Posted byブクログ

2024/04/02

著者の講演を聞く機会があるかも、ということで近刊を読んでみました。 舞台が県立高校の図書館、主人公が学校図書館司書ということで(しかも神奈川県!)多くの先生方が「読んだ」と言っていました。 中高生が気軽に読めるミステリとして、きっと多くの公立中高の学校図書館に置いてあるのだろう...

著者の講演を聞く機会があるかも、ということで近刊を読んでみました。 舞台が県立高校の図書館、主人公が学校図書館司書ということで(しかも神奈川県!)多くの先生方が「読んだ」と言っていました。 中高生が気軽に読めるミステリとして、きっと多くの公立中高の学校図書館に置いてあるのだろうな、と思います。 生徒からも見えづらい、図書館司書の仕事の一端を垣間見ることもできますが、それぞれの学校の校風や校長の方針によって「働きづらい環境にもなる」というのは、ちょっと舞台裏を見せすぎでは? と心配にもなります。 出入りの書店さんとここまで濃密な関係を築くこともそうそうないだろう、というツッコミも頭をよぎりますが、それは創作ならではというところでしょうか。 手に汗を握る展開があるわけではありませんが、作中で様々な本が紹介されていますので、「本」や「図書館」が好きな生徒であれば楽しめる作品だと思います。

Posted byブクログ

2024/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校図書室の司書が主人公の書籍系日常ミステリー短編集。本屋さんミステリーの大崎さん、同じ書籍扱いでもこういう設定で来るんかぁ。なるほど学園ものにもなり、書籍系にもなるってこと。 司書さんはワトソン役で名探偵は出入りの書店員さん。出てくる本は、百人一首から東野圭吾、青山美智子までさすがのチョイス。 しかし、中田永一=乙一からのトリック崩しなんか、本好きしかピンとこーへんのちゃうか?俺は大好きやけど(笑

Posted byブクログ

2024/03/31

27000冊は、高校の図書館の蔵書。 本の庭で生徒たちに少しでも本を好きになって欲しいと思いながら勤務する図書館司書の駒子。 勤務先の高校に本を卸している本屋の針谷と高校で起こる小さな事件を解決していく短編5作品。 謎解きもまぁまぁ楽しいのですが、生徒たちの抱える事情や、高校...

27000冊は、高校の図書館の蔵書。 本の庭で生徒たちに少しでも本を好きになって欲しいと思いながら勤務する図書館司書の駒子。 勤務先の高校に本を卸している本屋の針谷と高校で起こる小さな事件を解決していく短編5作品。 謎解きもまぁまぁ楽しいのですが、生徒たちの抱える事情や、高校生の心情に寄り添う駒子はいい感じでした。 各ストーリーの中で、ちょっとずつ紹介される本にも興味を惹かれ、読んでない本は読んでみたい!と楽しみが出来ました。

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2024/03/17

高校の図書館司書の物語。実体験を元にしているのか、よくありそうな出来事だと思いました。それを上手く図書館や本の謎に絡めて、ミステリーとして出来上がっています。高校毎に方針によって役割が違うということに初めて知りました。自分が高校生の時は全く図書室に出入りしませんでしたが、もつとそ...

高校の図書館司書の物語。実体験を元にしているのか、よくありそうな出来事だと思いました。それを上手く図書館や本の謎に絡めて、ミステリーとして出来上がっています。高校毎に方針によって役割が違うということに初めて知りました。自分が高校生の時は全く図書室に出入りしませんでしたが、もつとその頃から本を読んでおけば良かったと今更思います。もっと大崎梢さんの本を読んでみたいと思いました。

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2024/03/15

司書さんが学校で生徒たちに寄り添いながら奮闘する本に纏わる蘊蓄が半端ない。膨大な本の知識と書店員の針谷さんがいい味だしていて、プチミステリーもライトに楽しめて肩肘張らずに読めたのがとてもよかった。ラストの本は自分が実際に読んだ本ことのあるだったのでビックリ。小野不由美さんは初めて...

司書さんが学校で生徒たちに寄り添いながら奮闘する本に纏わる蘊蓄が半端ない。膨大な本の知識と書店員の針谷さんがいい味だしていて、プチミステリーもライトに楽しめて肩肘張らずに読めたのがとてもよかった。ラストの本は自分が実際に読んだ本ことのあるだったのでビックリ。小野不由美さんは初めて知った作家さんなので読んでみようかな。

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2024/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

色んな実在する書籍の話もでてくる学校司書さんの穏やかミステリー。つい最近読んだ本も出てきてびっくり。 タイトルの27000冊が、図書館の蔵書数のことらしい。そんなにあるんだな。 全体的にミステリーとしてのパンチは弱い印象だけど、色んな切り口からの図書ミステリーで面白い。 学校による図書館の特色の違いも触れられていて興味深かった。 工業高校で色んな企画をしていた話、別のお話でがっつり読みたいな。「構内図で図書館の位置を正確に描いた大賞」の話めっちゃ読みたい。 図書館の在り方に問題がありそうな進学校に、体格のいい司書さんを後任にあてる教育委員会、いいな。ここから図書館が変わっていったらいいなあ。 図書委員で春雨だらけの献立が出てきた本を探す話も好き。いつか箕島さんが投稿を見つけてくれたらいいな。

Posted byブクログ

2024/03/10

高校の図書室を中心とした本に関するライトミステリー。結構読んだことがある作品のタイトルが登場しているので親しみを感じる。私自身は学校で借りなくても家に山ほど本があったので、学校の図書室には縁がなかったなあ・・・

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2024/03/04

事件は起きるけれど、嫌な終わり方をしない。 頑張れ、よかったね、 そんな言葉をかけたい終わり方。 安定の大崎梢さん。 作中に出てくる著者とタイトルをメモしておきたい。 もう高校生じゃなくておばさんだけど、 私も学校司書の先生に幸せに踊らされている。

Posted byブクログ

2024/03/03

図書館の企画コーナーに展示されていて、表紙も可愛くて惹かれたので借りてみました。図書館や図書室が舞台のお話、大好きです( * ॑꒳ ॑* ) 全5章構成で、それぞれの章で1個ずつ、生徒によって持ち込まれた本に関する謎を、学校の司書さんと書店員さんが解決していく、というお話でし...

図書館の企画コーナーに展示されていて、表紙も可愛くて惹かれたので借りてみました。図書館や図書室が舞台のお話、大好きです( * ॑꒳ ॑* ) 全5章構成で、それぞれの章で1個ずつ、生徒によって持ち込まれた本に関する謎を、学校の司書さんと書店員さんが解決していく、というお話でした。生徒たちからの少ないヒントから見事に推理して解決していく様は読んでいてワクワクしました。 司書さんと書店員さんの会話とだけあって、有名な作家さんや小説が数多く登場しました。読んだことのある小説もちょこちょこ出てきて嬉しくなりました。まだ読んだことのない小説も、ほぼ名前だけの登場でネタバレが全くなかったのもよかったです。 お恥ずかしながら、私は高校生のとき、自分の高校の図書館を1回も利用しませんでした。境遇としては、駒子(司書さん)の前任校と似ていて、図書館は自習スペースという認識でした。ですが、この本を読んで、司書さんたちも生徒たちのことを想い図書館の運営をしてくれていたかと思うと、利用しておけばよかったなと後悔しました。この後悔も踏まえて、大学の図書館はこれからもたくさん利用していこうと思います。 途中、駒子の生い立ちについて意味深な発言があったり、今作が連作短編だったりするので、続編が出るのでは??と期待せずにはいられません(っ ॑꒳ ॑c)

Posted byブクログ