街とその不確かな壁 の商品レビュー
初めて村上春樹さんの小説を読んだけれど、世界観が難しくて読み進めるのにも集中力が必要で、大変でした。(私は夢読みには向いてなかったのかも) それでも、独特な壁の世界観は面白くて楽しかったし、他の人の読んだ感想を読むと、あー!なるほど!そういう解釈もあるのか!と読後の発見もありまし...
初めて村上春樹さんの小説を読んだけれど、世界観が難しくて読み進めるのにも集中力が必要で、大変でした。(私は夢読みには向いてなかったのかも) それでも、独特な壁の世界観は面白くて楽しかったし、他の人の読んだ感想を読むと、あー!なるほど!そういう解釈もあるのか!と読後の発見もありました。
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「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と同じ世界観、別の世界線で描かれた作品。前のような冒険感はなく、どちらかというと恋愛寄りです。 読み終えたときに物語を総括できないことと、ノスタルジックのような、モヤモヤするような、心地いいような、ふわふわした読後感は、いつもの村上作...
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と同じ世界観、別の世界線で描かれた作品。前のような冒険感はなく、どちらかというと恋愛寄りです。 読み終えたときに物語を総括できないことと、ノスタルジックのような、モヤモヤするような、心地いいような、ふわふわした読後感は、いつもの村上作品と同様です。 自分もイエローサブマリンの少年と同様、社会適合性が低い(サヴァンではないが)ので、壁の中に行きたいとも思うのですが、永遠を手に入れるのは嫌だなあとも思います。わがままでしょうか。
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すき! 村上春樹は、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドがだいすきだけど、繋がっている感じがした
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表裏一体という言葉が浮かびました。リアルとアンリアル、実体と影、本(物語)と夢…。 壁、夢、影、暗い部屋などメタファーが散りばめられた村上ワールドに浸れる作品。影がブーツを履いたり少しお茶目なのも氏の作品らしい。 現実世界で求め合った2人は時間を持たない空想の街を創る。彼女は手紙を残し現実世界から姿を消す。残された彼もいつしか空想世界に向かい、影を諦める代わりにその世界の図書館で彼女と再会する。彼女は日々薬草茶を淹れてくれて、川沿いの帰り道を無言で歩いてくれる。 現実世界に帰った「(強い信念と勇気を持った)彼の影」は40代の図書館長になって、(恐らく)「彼女の影」は彼より10歳程歳下の、頑なに固い下着を付け続けたコーヒーショップのオーナーになって(と思いたい)、山あいの街で邂逅する。 一方、空想世界の2人は、そこで生きることを強く望む少年に「夢読み」を託し、壁の外に出る。 間違いなくたまたまのプロットの類似と思いますが、宮崎駿監督の「君達はどう生きるか」との共通性を感じました。云わば子易さんは青鷺、添田さんは船乗りの女中さん。壁はあの家。読者は主人公の並行世界での苦悩や苦難を追体験し、それらを克服した彼らの新たな旅立ちに立ち会える(旅立ちを想起できる)ことが、読了後の爽快感になります。
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『世界の終わりとハードボイルド』が面白くて、と言っても20年前に読んだのでほとんど覚えてはいないけど、とにかく面白かったという記憶だけはあった。 でも、別の作品を読んで村上作品に挫折。それ以来読んでいなかったのだけど、人に勧められ、そしてハードボイルドのブラッシュアップ版とのこと...
『世界の終わりとハードボイルド』が面白くて、と言っても20年前に読んだのでほとんど覚えてはいないけど、とにかく面白かったという記憶だけはあった。 でも、別の作品を読んで村上作品に挫折。それ以来読んでいなかったのだけど、人に勧められ、そしてハードボイルドのブラッシュアップ版とのことで村上作品に再チャレンジ。 静かな文章と、少年少女の純愛、壁に囲まれた街の不思議な生活、図書館に行き着くまでと来てからの不思議な出来事。出会う人々。本をめくる手をとめられなかった。街とは何かという謎を追う、静かな時間に満たされて味わいながら読み進めた。 しかし、最後はどう解釈していったらよいのか、やはり難しかった。なぜ、戻ることを決めたのだろう?少女はもういいのかな。壁の外の世界に生きる術を見出せたから?
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「村上ワールド」を存分に楽しめる作品だった。しかし、あまりにも「村上ワールド」なので村上文学初心者には向いてないのかもしれない。村上ファンの僕にとってはとても面白かった。
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2023年4月の発売時に購入して、2024年の9月に読了。あいだでほかの本を何冊も読んでずーっと積読してた春樹本。300ページを過ぎてから俄然面白くなった。 書き出しが初期の春樹本みたいな印象で、その理由があとがきを読んで分かった。 一人の作家が一生のうちに真摯に語ることがで...
2023年4月の発売時に購入して、2024年の9月に読了。あいだでほかの本を何冊も読んでずーっと積読してた春樹本。300ページを過ぎてから俄然面白くなった。 書き出しが初期の春樹本みたいな印象で、その理由があとがきを読んで分かった。 一人の作家が一生のうちに真摯に語ることができる物語は、基本的に限られている。 そんな言葉に反して、もっとながく作品を生み出してほしい。
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彼女が教えてくれた街、本物の彼女はそこにいるという。ではここにいる彼女は影なんだろうか? 戻ってきた私は影だったのか? 街は自分の中にあるものではなく、皆で共有できるものなのか? 街は何のために存在するのか? 伝えたい想いは? 色々と難しく、考えが巡るものの、そこも含めて相変わらずの面白さ!! ストーリー、頭に描き出される情景、綺麗な文章にどんどん引き込まれて、読み進めずにはいられなくなる。 流石、村上春樹さん!!
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5に近い、4! やっぱり村上春樹は読み進めちゃう。 ファンタジーとも言えるし、ドラマとも言える気がする。 どこにも属せなくて不幸と感じる時は、壁に囲われた街に行けたらいいのにな。
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面白かった。 なかなか感想を述べるのが難しい作品、作家ではあるが時間の流れや喪失、希望といったことがテーマなのかなと思いました。 長い年月を経て完成させたとあとがきにも書かれている通り重厚感のある内容になっていると思います。おすすめです。
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