黄色い家 の商品レビュー
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身分証もない、銀行口座もない、お金もない、頼れる人もいない。こんな環境に生まれたら、真っ当に生きていくのはかなり難しいだろうな。 ヴィヴさんの『頭を使えるやつが苦労することになってるんだよ』『幸せな人間っていうのは、たしかにいるんだよ。(中略)あいつらは、考えないから幸せなんだよ』という台詞が刺さってメモってしまった。いや、これは犯罪の話なんだよな…と思いながら。 花ちゃんが周りの主体性のなさに苛立っていくところとか、会社での私か?みたいな気持ちにw 川上未映子のきれいな文章で、花ちゃんのピュアさが際立って感じられた。すごく切なかった。
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重たかったー… 幸せとは何か…健康な体。お金。家族。友だち… それは人それぞれ。 でも生まれながらに決まった環境って人生の大半を決めると言ってもいいと思う。 ONE PIECEのドフラミンゴが言っていた 「平和を知らねぇガキどもと戦争を知らねぇガキどもの価値観は違う」 EXI...
重たかったー… 幸せとは何か…健康な体。お金。家族。友だち… それは人それぞれ。 でも生まれながらに決まった環境って人生の大半を決めると言ってもいいと思う。 ONE PIECEのドフラミンゴが言っていた 「平和を知らねぇガキどもと戦争を知らねぇガキどもの価値観は違う」 EXITの兼近さんが言っていた 「産まれながらに悪い環境にいた人が努力していなかったかと言ったら捕まらないように金を稼ぐ努力とかめっちゃするんですよ。努力していないんじゃなくて努力の種類が違うんですよ」 シングルでさびれたスナックで働きお金に執着のない母を持った「花」 オンボロの文化住宅に住み学校でも浮き高校も途中で行かなくなった。家をでるために必死に貯めた70万の大金を母親の元カレが盗んだから。すべてのやる気を失った…また働けばいいと言う母。 そこに現れた母の友だちの黄美子さん。 黄美子さんは15歳の夏に少しの間だけ一緒に過ごした人。 母を残し家を出た花。 黄美子さんとスナックを始める。 はじめてできた友だち。 徐々に増える貯金。 しかし母が騙され貯金の大半を渡してしまう… さらにスナックの家事… 怒涛の日々… 金に狂った花の人生。 ねぇ………どうしたらいいのさ。 花はどうしたらよかったのさ。 どこに抜け道があったのさ…がんばってもがんばってもどうにもならない…… 終始辛かった…
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重くて不穏な空気が漂っていて、それらが濃くなったり薄くなったりしながら、生きていく上で大切な何かが少しずつ削られ亡くなっていくような内容の話だった。 冒頭のパートで、主人公の花のPTSDというか抑うつ的反芻っぽさを感じた。 何かしらのトラウマに至るまでが描かれている物語なのかも、...
重くて不穏な空気が漂っていて、それらが濃くなったり薄くなったりしながら、生きていく上で大切な何かが少しずつ削られ亡くなっていくような内容の話だった。 冒頭のパートで、主人公の花のPTSDというか抑うつ的反芻っぽさを感じた。 何かしらのトラウマに至るまでが描かれている物語なのかも、と思った。 とにかく主人公の花の心理描写が凄まじい。 終始生きづらさに踠き苦しみ葛藤しながらも、生き延びるためにやるしかないことをやるしかなく、それが犯罪を生業としていくことだとわかっていても、無理矢理に心に折り合いをつけて窮地を脱することの繰り返し。 ラストの方の走馬灯的な畳み掛けるところの描写が辛かった。 読みながら心が頭がぐわんぐわんと歪んで廻るような 自分もいつか感じたことのある、思い出したくないあの感覚。 少しずつどこかが似ている4人が偶然集まり、運命的に壊れてバラバラになってゆく。 境界知能と無知の狭間にいるのが主人公の花のような気がした。 みんな何かが足りていなかった。 そして最後まで黄美子さんの素性がわからなかった。 洗脳とは違う、無意識的に共依存に巻き込まれるような。 薄気味悪いイノセントさはとても恐ろしい。 心理的な状況で見え方も全く変わるのだと思う。 現実味のないリアルさや苦しみ、10代特有の根拠のない自信や他責や思い込みそして諦め、無意識のうちに自分の中の何かや何かに少しずつリンクしていた。 様々なタイプの弱者や、残酷な言葉を使えば所謂「枠外」な人たちを利用して搾取し続ける社会の仕組みに やるせなさを感じるしかなかった。 資本主義社会は国の規模の話だけではなく、小さい社会でも成立してしまっている。 黄色い家といえばゴッホの黄色い家。 ユートピアを目指してアルルの黄色い家に移り住んだゴッホは生涯報われなかった。 ゴッホの耳切り事件は必ずこう捕捉される。 「諸説有り」と。
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総じて何が伝えたくて、何を読者に楽しんでほしくて書いてるのかさっぱりわからなかった。 特に終盤の主人公の行動がチグハグすぎて桃子も蘭もクズな性格だったから、結局全部がなんでやねんって終わり方だった 窮地に立たされたときの人間性を忠実に描写しているといえばそうなんだろうけど、何か...
総じて何が伝えたくて、何を読者に楽しんでほしくて書いてるのかさっぱりわからなかった。 特に終盤の主人公の行動がチグハグすぎて桃子も蘭もクズな性格だったから、結局全部がなんでやねんって終わり方だった 窮地に立たされたときの人間性を忠実に描写しているといえばそうなんだろうけど、何かしらのメッセージ性があるわけでも世界観に格別的な良さがあるわけでもなく感動もスリルもないから、ただただ1人の人間の人生を語られただけとしか思えなかった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幸せとはなにか。 生きるために目の前の出来ることを一生懸命やっていただけなのに。手段を選べないという悲しさと現実。 ひとつの事に囚われすぎて壊れていく描写が印象的。 真面目で一生懸命な主人公と重なる部分があり、より思うものがありました。 今私が過ごしているこの日常がいかに幸せなのかを実感しました。
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自分ではどうしようもできない物への怒りと葛藤。 そこから逃れるために手段を選べないことの辛さ。 その中で自分自身を正当化していかなければ生きていけない人の弱さ。
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いま、「家」という場所には、何が残っているのだろうか。 そんなことを考えさせる話。 『夏物語』のように多様な意見が語られるわけでたはない。 お金がテーマの一つだが、小説内ではただ失われていくもので、シンプルすぎる。 話の一貫性も、「あえて」だが、とられてない。 だが力強いリズ...
いま、「家」という場所には、何が残っているのだろうか。 そんなことを考えさせる話。 『夏物語』のように多様な意見が語られるわけでたはない。 お金がテーマの一つだが、小説内ではただ失われていくもので、シンプルすぎる。 話の一貫性も、「あえて」だが、とられてない。 だが力強いリズムを持つ。 花を家から連れ出すキミコ。 キミコを家から連れ出そうとする花。 キミコはことわる。 ———でも私はここにいるから、花は会いにこれるよ。 黄色い家、黄色い家族を作り上げた、花の最終地点。
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教師の友達おすすめの本で、学生への課題図書としたそうで、何でこれを学生へ薦めたか聞いたら「綺麗な心を持った人にライトなウシジマくんとして読んで欲しかった」という魂胆!とてもいい先生! 全て貧困からくる災難なのかもしれないけど、考える力がない、毒親、風水に頼りがち、社会的信用がな...
教師の友達おすすめの本で、学生への課題図書としたそうで、何でこれを学生へ薦めたか聞いたら「綺麗な心を持った人にライトなウシジマくんとして読んで欲しかった」という魂胆!とてもいい先生! 全て貧困からくる災難なのかもしれないけど、考える力がない、毒親、風水に頼りがち、社会的信用がない、善悪の判断がつかないなど何重苦なんだ。れもん時代のなんか今が楽しければいいじゃんねから花が札束で殴るような人になるまでがなかなかの地獄で、やはりウシジマくんを読んでいるようなしんどいのに面白いにどっぷりハマることができた。 この世の地獄のような場面で度々登場するラッセンがMVP。ばつの悪さとラッセンのうさんくささがブレンドされた超弩級の意地悪なギャグとして受け止めました。
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家庭に恵まれず 何度も人に裏切られ お金しか信じられなくなってしまった 孤独な女の子が 何を見て、何を思い、何処に辿り着くのか 息がつまり、目が離せなかった。 底なしの闇へどんどん落ちていく中で どうしたらまともな世界で まともに生きていけるのか教えて欲しい と悲痛な叫びが聞こえ...
家庭に恵まれず 何度も人に裏切られ お金しか信じられなくなってしまった 孤独な女の子が 何を見て、何を思い、何処に辿り着くのか 息がつまり、目が離せなかった。 底なしの闇へどんどん落ちていく中で どうしたらまともな世界で まともに生きていけるのか教えて欲しい と悲痛な叫びが聞こえてくるようだった。 「人はなぜ金に狂い、罪を犯すのか」 その答えが書いてあった。
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選択肢が無いという事がどれほど人を追い詰めるのか。 親ガチャという言葉は嫌いだが、スタートラインが『人並み』でない厳しさ。その中で戦いながら生き延びた主人公のことを責める気持ちにはならない。 優しく自分を受け入れ保護してくれた黄美子さんが、グレーゾーンの人だったと気がついた悲しさ...
選択肢が無いという事がどれほど人を追い詰めるのか。 親ガチャという言葉は嫌いだが、スタートラインが『人並み』でない厳しさ。その中で戦いながら生き延びた主人公のことを責める気持ちにはならない。 優しく自分を受け入れ保護してくれた黄美子さんが、グレーゾーンの人だったと気がついた悲しさと憤りに、胸がつまった。
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