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黄色い家
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黄色い家

川上未映子(著者)

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黄色い家

定価 ¥2,090

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2023/02/20
JAN 9784120056284

黄色い家

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商品レビュー

3.9

964件のお客様レビュー

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2025/11/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

身分証もない、銀行口座もない、お金もない、頼れる人もいない。こんな環境に生まれたら、真っ当に生きていくのはかなり難しいだろうな。 ヴィヴさんの『頭を使えるやつが苦労することになってるんだよ』『幸せな人間っていうのは、たしかにいるんだよ。(中略)あいつらは、考えないから幸せなんだよ』という台詞が刺さってメモってしまった。いや、これは犯罪の話なんだよな…と思いながら。 花ちゃんが周りの主体性のなさに苛立っていくところとか、会社での私か?みたいな気持ちにw 川上未映子のきれいな文章で、花ちゃんのピュアさが際立って感じられた。すごく切なかった。

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2025/11/25

重たかったー… 幸せとは何か…健康な体。お金。家族。友だち… それは人それぞれ。 でも生まれながらに決まった環境って人生の大半を決めると言ってもいいと思う。 ONE PIECEのドフラミンゴが言っていた 「平和を知らねぇガキどもと戦争を知らねぇガキどもの価値観は違う」 EXI...

重たかったー… 幸せとは何か…健康な体。お金。家族。友だち… それは人それぞれ。 でも生まれながらに決まった環境って人生の大半を決めると言ってもいいと思う。 ONE PIECEのドフラミンゴが言っていた 「平和を知らねぇガキどもと戦争を知らねぇガキどもの価値観は違う」 EXITの兼近さんが言っていた 「産まれながらに悪い環境にいた人が努力していなかったかと言ったら捕まらないように金を稼ぐ努力とかめっちゃするんですよ。努力していないんじゃなくて努力の種類が違うんですよ」 シングルでさびれたスナックで働きお金に執着のない母を持った「花」 オンボロの文化住宅に住み学校でも浮き高校も途中で行かなくなった。家をでるために必死に貯めた70万の大金を母親の元カレが盗んだから。すべてのやる気を失った…また働けばいいと言う母。 そこに現れた母の友だちの黄美子さん。 黄美子さんは15歳の夏に少しの間だけ一緒に過ごした人。 母を残し家を出た花。 黄美子さんとスナックを始める。 はじめてできた友だち。 徐々に増える貯金。 しかし母が騙され貯金の大半を渡してしまう… さらにスナックの家事… 怒涛の日々… 金に狂った花の人生。 ねぇ………どうしたらいいのさ。 花はどうしたらよかったのさ。 どこに抜け道があったのさ…がんばってもがんばってもどうにもならない…… 終始辛かった…

Posted by ブクログ

2025/11/23

重くて不穏な空気が漂っていて、それらが濃くなったり薄くなったりしながら、生きていく上で大切な何かが少しずつ削られ亡くなっていくような内容の話だった。 冒頭のパートで、主人公の花のPTSDというか抑うつ的反芻っぽさを感じた。 何かしらのトラウマに至るまでが描かれている物語なのかも、...

重くて不穏な空気が漂っていて、それらが濃くなったり薄くなったりしながら、生きていく上で大切な何かが少しずつ削られ亡くなっていくような内容の話だった。 冒頭のパートで、主人公の花のPTSDというか抑うつ的反芻っぽさを感じた。 何かしらのトラウマに至るまでが描かれている物語なのかも、と思った。 とにかく主人公の花の心理描写が凄まじい。 終始生きづらさに踠き苦しみ葛藤しながらも、生き延びるためにやるしかないことをやるしかなく、それが犯罪を生業としていくことだとわかっていても、無理矢理に心に折り合いをつけて窮地を脱することの繰り返し。 ラストの方の走馬灯的な畳み掛けるところの描写が辛かった。 読みながら心が頭がぐわんぐわんと歪んで廻るような 自分もいつか感じたことのある、思い出したくないあの感覚。 少しずつどこかが似ている4人が偶然集まり、運命的に壊れてバラバラになってゆく。 境界知能と無知の狭間にいるのが主人公の花のような気がした。 みんな何かが足りていなかった。 そして最後まで黄美子さんの素性がわからなかった。 洗脳とは違う、無意識的に共依存に巻き込まれるような。 薄気味悪いイノセントさはとても恐ろしい。 心理的な状況で見え方も全く変わるのだと思う。 現実味のないリアルさや苦しみ、10代特有の根拠のない自信や他責や思い込みそして諦め、無意識のうちに自分の中の何かや何かに少しずつリンクしていた。 様々なタイプの弱者や、残酷な言葉を使えば所謂「枠外」な人たちを利用して搾取し続ける社会の仕組みに やるせなさを感じるしかなかった。 資本主義社会は国の規模の話だけではなく、小さい社会でも成立してしまっている。 黄色い家といえばゴッホの黄色い家。 ユートピアを目指してアルルの黄色い家に移り住んだゴッホは生涯報われなかった。 ゴッホの耳切り事件は必ずこう捕捉される。 「諸説有り」と。

Posted by ブクログ