安倍晋三 回顧録 の商品レビュー
ただただ、涙・・・。
2023年7月読了。 出版されて直ぐに買ったのに、どうしても手が伸びなかった一冊。 先日、「元番記者」を自称する元NHK解説委員の方の『秘録…』とやらを読み、「それでは本人自身のお話を伺いましょう」と決意し、本を開いた。 読み始めて直ぐに、あの懐かしい舌っ足らず...
2023年7月読了。 出版されて直ぐに買ったのに、どうしても手が伸びなかった一冊。 先日、「元番記者」を自称する元NHK解説委員の方の『秘録…』とやらを読み、「それでは本人自身のお話を伺いましょう」と決意し、本を開いた。 読み始めて直ぐに、あの懐かしい舌っ足らずで、幾分セカセカと話す口調の、故人の声が聞こえてきて、一気に読了した。 まるで安倍さんが目の前で喋っているのを聞いているようだった。 「回顧録」として読むには幾分生々しい話題が多く、「もう済んだ事」として受け止められない部分は有るが、もう二度と話を聞く事の出来ない人の語りだと考えれば、より多くの善男善女に読んでほしい一冊だと、強く感じた。 先に上げた「元番記者」の著書によれば、当時、故人があれだけ強く否定していた「三回目の登板」も視野に有ったとのこと。 かえすがえすも、この国にとって「多大な損失」だと痛感すると同時に、今なお「神格化を許すな」「明かされていない闇は多い」等と、故人に石を投げる事を止めない「人として許しがたい」偏った人々に対して、心から憤怒の念を禁じ得ない。「死んだ孔明にいつまでも振り回されて、遠吠えを続けていれば良い」と、心から思う。 この本を「今年の一冊」に選ぶことは出来ないが、故人を偲ぶために、死ぬまで手元に置いておく本が出来たと感じた。 安倍さん、あなたの事は忘れないよ!!!
左衛門佐
高市さんが総理になったタイミングで、安倍さんが在任時にどのような政策や国交をされてたのか気になって読んでみたいと思い、手に取った本。こういうインタビュー本って聞き手は同調するのが普通かと思ってたけど、この本では聞き手が安倍さんにちょっと喧嘩腰みたいに質問を投げかけてるところもあっ...
高市さんが総理になったタイミングで、安倍さんが在任時にどのような政策や国交をされてたのか気になって読んでみたいと思い、手に取った本。こういうインタビュー本って聞き手は同調するのが普通かと思ってたけど、この本では聞き手が安倍さんにちょっと喧嘩腰みたいに質問を投げかけてるところもあって、読んでてヒヤヒヤするほどだった。でも、安倍さんの人柄からすると冷静に答えてたんだろうなあ、と想像。各国首相の印象と外交時のエピソード(特にトランプさん)を語ってるところが面白かった。最後の野田さんの追悼演説には涙があふれた。
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安倍さんからみた諸外国の政治家についての印象や評価、政策や政治活動の思いが述べられていてとても興味深かった。安倍さんの政治家としての姿勢や政策に対しての賛否という単純な区別ではなく批評するうえでとても役に立った。こうした回顧録は総理大臣経験者は特に発刊してほしいと思う。
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安倍晋三元首相の言葉や話し方の巧みさに改めて感銘を受けた。オバマ氏やトランプ氏といった各国首脳に対して、必要な主張ははっきりと伝えつつも、相手を逆撫でしない絶妙なバランスでコミュニケーションを取る姿勢には、まさに「外交の安倍」と呼ばれる所以を感じた。 また、各国の首脳の個性や特徴...
安倍晋三元首相の言葉や話し方の巧みさに改めて感銘を受けた。オバマ氏やトランプ氏といった各国首脳に対して、必要な主張ははっきりと伝えつつも、相手を逆撫でしない絶妙なバランスでコミュニケーションを取る姿勢には、まさに「外交の安倍」と呼ばれる所以を感じた。 また、各国の首脳の個性や特徴が具体的に描かれており、外交の舞台裏を垣間見るような興味深さがあった。さらに、あの安倍元首相ですら大切なスピーチの前には何度も練習を重ねていたというエピソードを知り、強い親近感を覚えた。 もともと政治に深い関心があったわけではないが、この本を通して政治や外交への興味が大いに高まった。特に日本の外交体制については、今後もニュースを注意深く追っていこうと思う。 ちょうど先日、トランプ大統領が天皇陛下と会談を行った際、スーツのボタンをしっかり留めていた姿が印象的だった。これは、かつて安倍元首相が「陛下の前ではボタンを閉めるように」と説明していたからだと知り、トランプ氏が安倍元首相を深く敬意をもっていたことを改めて感じた。
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『安倍晋三回顧録』は“是々非々で評価するための素材”を与えてくれる一冊です。支持・不支持の感情をいったん脇に置き、政策ごとの狙いと帰結、そしてその際に生じたコストをていねいに見ていく――その視点で整理すると、次のように読めました。 まず、第一次政権期に動いた教育基本法改正、防衛...
『安倍晋三回顧録』は“是々非々で評価するための素材”を与えてくれる一冊です。支持・不支持の感情をいったん脇に置き、政策ごとの狙いと帰結、そしてその際に生じたコストをていねいに見ていく――その視点で整理すると、次のように読めました。 まず、第一次政権期に動いた教育基本法改正、防衛庁の省昇格、国民投票法、集団的自衛権の法整備は、保守色の強いアジェンダであり、批判を招きやすい領域です。一方で、日米同盟の再定義や安全保障の現実対応として一定の妥当性を主張できる領域でもあり、賛否は“価値観”に大きく依存します。回顧録はこの価値判断の根拠(歴史観・危機認識)を提示しており、賛成であれ反対であれ、論点を可視化した点は評価できます。 第二次政権期の中心は経済政策、いわゆるアベノミクスです。金融緩和と円安が輸出企業へ有利に働いたのは事実として、同時に観光・インバウンドや地方のサービス業に波及効果があったという自己評価も示されます。ここは中道として、功罪を切り分けたい。資産価格や企業収益は押し上げられた半面、実質賃金の伸び悩みや物価・為替の副作用が家計に与えた影響、財政の持続性という宿題も残った。回顧録の自己弁護的なトーンは織り込みつつ、政策が“誰をどれだけ助け、誰にどれだけ負担を強いたか”という配分の視点を読者側で補う必要があります。 財務省との緊張関係や消費増税の先送りについても、短期の景気下支えという合理性と、中長期の信認・財政規律のバランスという課題が対になっていました。森友学園問題に関する叙述は、政権側の見取り図を知る材料にはなりますが、出来事の全体像を理解するには他資料との照合が不可欠です。ここを“官僚組織の陰謀”と単純化すると、かえって説得力を損ないます。中道としては、行政手続きの透明性、説明責任、メディア報道の検証可能性という制度面の教訓に引き寄せて評価したいところです。 総じて、左派が安倍政治を嫌った理由は安全保障観の違い、統治スタイル(トップダウンと官邸主導)、メディアとの距離、説明責任の姿勢――複数の要因が積み重なって不信が形成された、と見るのが妥当でしょう。同時に、支持側が評価したのは、意思決定の速さ、外交・安保の一貫性、景気対策の“方向性”でした。つまり、評価は“方向性と手続き”の二軸で正反対になりうる、ということです。 回顧録は当然ながら自己史観に寄ります。しかし、筆者の動機や判断の内部論理を直接たどれる一次資料でもある。中道の読み方は、①政策の目的・手段・結果を分けて検討する、②便益と負担の配分に目を向ける、③説明責任と統治手続きの適否を独立変数として評価する、の三点に尽きます。賛否の“感情”ではなく、“基準”で読む――そのとき本書は、現代日本の統治を考えるための実務的な素材として、十分に価値を持つと感じました。
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土管から飛び出てきたスーパマリオ。よく見ると安倍晋三首相ではないか。この愛すべき我が国のリーダーが暗殺されてはや3年が過ぎた。中曽根康弘氏は「政治家の人生は歴史によって裁かれる」と言った。ユーモア溢れ信念を曲げず常に国家を憂いた安倍首相の国会答弁が蘇ってくる。本書によってますます...
土管から飛び出てきたスーパマリオ。よく見ると安倍晋三首相ではないか。この愛すべき我が国のリーダーが暗殺されてはや3年が過ぎた。中曽根康弘氏は「政治家の人生は歴史によって裁かれる」と言った。ユーモア溢れ信念を曲げず常に国家を憂いた安倍首相の国会答弁が蘇ってくる。本書によってますます愛すべき稀有で偉大な首相であったことが思い出される。
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サラッと1冊の本にまとめてあるけど、これだけ多岐に渡る分野の政治的質問に、豊富な知識は当たり前かつ自分なりの信条を持って答えられる人って本当にすごいと思う。在任中は叩かれることも多かったと思うけど、様々な方面のバランスをうまく取って、憲政史上最長政権を築いた事実は評価されるべきな...
サラッと1冊の本にまとめてあるけど、これだけ多岐に渡る分野の政治的質問に、豊富な知識は当たり前かつ自分なりの信条を持って答えられる人って本当にすごいと思う。在任中は叩かれることも多かったと思うけど、様々な方面のバランスをうまく取って、憲政史上最長政権を築いた事実は評価されるべきなんじゃないかな。
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読んでいてこれが政治家だよな、と思える人間であった。 日本を想い、日本を良くするために、日本人としてどうあるのか。 そんな根底をしっかりと携えた高い視座を持った人たらし。そんな政治家であったように思う。 2025年の今読むとなお現在の腐った政府がよく見える。 あとトランプとの...
読んでいてこれが政治家だよな、と思える人間であった。 日本を想い、日本を良くするために、日本人としてどうあるのか。 そんな根底をしっかりと携えた高い視座を持った人たらし。そんな政治家であったように思う。 2025年の今読むとなお現在の腐った政府がよく見える。 あとトランプとのやりとりが面白すぎた。 スーツのボタン止めた方がいいか?とかスーパーボウルと天皇即位とどっちがすごいのか?とか トランプって面白いよな笑
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長期政権で何だかんだ言われたりしていたが、外交においては抜群のリーダーシップを発揮していたと思う。個人的には評価している。 考え方、その時の判断などが話されていたが、リーダーシップ本としても読めると思った。
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安倍元首相が、最初に首相の座に就いたのは、ご本人が52歳の時であった。政治家一家に生まれたエリート政治家は、史上最年少で首相の座に就くことになったが、しかし、第1次安倍政権はうまくいかず、ご本人の病気もあり、わずか1年で退陣することとなる。エリート政治家が初めて味わう挫折だった。...
安倍元首相が、最初に首相の座に就いたのは、ご本人が52歳の時であった。政治家一家に生まれたエリート政治家は、史上最年少で首相の座に就くことになったが、しかし、第1次安倍政権はうまくいかず、ご本人の病気もあり、わずか1年で退陣することとなる。エリート政治家が初めて味わう挫折だった。しかし、ご本人がインタビューの中で応えているように、この経験が、政治家・安倍晋三を成長させ、第2次安倍政権をつくり、そして、その第2次安倍政権も成長させ、史上最長の政権にしたのである。 本書のインタビューでは、その間の出来事について、安倍元首相が忌憚なく話しておられる。私自身は、「アベノミクス」を始めとした安倍元首相の政策に賛成するところばかりではなかったけれども、インタビューの中に現れる、安倍元首相の政治家としての資質・視野の広さ・人間力には感心させられた。本書の最後には、安倍元首相の葬儀の際の何人かの弔辞が紹介されているが、野田元首相の安倍元首相評が、的を得ている気がするので引用する。 【引用】 私が目の前で対峙した安倍晋三という政治家は、確固たる主義主張を持ちながらも、合意して前に進めていくためであれば、大きな構えで物事を捉え、飲み込むべきことは飲み込む。冷静沈着なリアリストとして、柔軟な一面を持っておられました。 【引用終わり】 インタビューで浮かび上がってくる安倍元首相の人物像は、まさにこの通りであった。 本書で、インタビュー以外に心に残ったのは、この野田元首相のものを含む、安倍元首相の葬儀時の弔辞である。野田元首相のものも、心に残ったのが、菅元首相の弔辞には、心を打たれた。悲しみと怒りと無念さに溢れたその弔辞は、安倍元首相の政策を支持した人・支持しなかった人に関係なく、心に染み入ったと思う。
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