〈あの絵〉のまえで の商品レビュー
寂しさとあたたかさが共存した、美しい物語でした。すごく勇気づけられるとかでもないけれど、心の奥にしまっていた大事なものに少しだけ触れられるような、そんな作品でした。
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美術館や芸術作品が好きな人は必読!絵を直接見に行きたい、だからどんな絵か検索するのがまんしてる。鳥籠、みてみたいなぁ。
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絵の知識がなくても気負わず読める短編集。 好きだなと思ったのは、『さざなみ』で、主人公がモネの睡蓮の絵に吸い寄せられ、睡蓮の池から寄せてくるさざなみを感じる場面。 「レース編みのように白く繊細な泡を立たせながら、やさしいさざなみは、色んなものが沈殿してぐずぐずしていた私の内側をき...
絵の知識がなくても気負わず読める短編集。 好きだなと思ったのは、『さざなみ』で、主人公がモネの睡蓮の絵に吸い寄せられ、睡蓮の池から寄せてくるさざなみを感じる場面。 「レース編みのように白く繊細な泡を立たせながら、やさしいさざなみは、色んなものが沈殿してぐずぐずしていた私の内側をきれいさっぱりも洗い流してくれた。」 なんて素敵な表現でしょう。 どのお話も主人公を取り巻く問題が解決した訳ではなくても、絵が寄り添ってくれて、前に進んでいく力をもらえるようなお話。 登場する美術館にいつか訪れてみたいです。
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2回目の読み終え。読み出すまで忘れていた。単行本で読んで手元に残っていない。読み進めるに今回はどの画が物語を支えるのかと楽しむ。絵を見るためにまた新しい出会いを感じるように。 今回は文庫本のカバーになった豊穣がよかった。豊田市美術館は先秋に行ってきたところ。 「あの絵...
2回目の読み終え。読み出すまで忘れていた。単行本で読んで手元に残っていない。読み進めるに今回はどの画が物語を支えるのかと楽しむ。絵を見るためにまた新しい出会いを感じるように。 今回は文庫本のカバーになった豊穣がよかった。豊田市美術館は先秋に行ってきたところ。 「あの絵のまえ」で立ち尽くし、時間を忘れた経験を持つ方は多くいらっしゃるだろう。そこに各編のような劇的な物語がなくとも。私にはいくつか、絵がその後、思い出を補足、と言うか彩りを加えてくれるたことがある。 東山魁夷美術館は自分が悩むと行っている。随分いけてない。白馬に会いたい。ポーラ美術館は憧れ、一度しかない。直島は四季のうちまだ冬がいけてない。大原美術館も一緒にまわる。そしてまだ行ったことがないひろしま美術館まで足が伸ばせたら、文庫本には各編に対応した解説がおさめられている。また美術館に行こう
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各作品の中に絵が象徴的に置かれていた短編集だった。絵画とともに鮮明に思い出される記憶があるってめちゃくちゃロマンティックだなと思うけど、それぐらい美術が身近にあってもいいんじゃないかと思う。だいぶほっこりしたし、あとに希望が残されている感じが良かった。〈あの絵〉はその人によって変...
各作品の中に絵が象徴的に置かれていた短編集だった。絵画とともに鮮明に思い出される記憶があるってめちゃくちゃロマンティックだなと思うけど、それぐらい美術が身近にあってもいいんじゃないかと思う。だいぶほっこりしたし、あとに希望が残されている感じが良かった。〈あの絵〉はその人によって変わるし、必ずしも美術館にあるようなものではないかもしれないけど、それが今まで多くの人に大切にされてきて、これからも続くものだとすれば、その永遠性は希望になりうるというか……。ちょっと自分でもあんまりまとまっていない言葉ではあるけど、そんなことも考えられた作品でした。 海外ももちろんそうだけど、まずは日本の美術館に行きまくらなくてはいけない…!地中美術館ぜひ行きたいです!
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一枚の絵を通して人間関係やストーリーを描けるのが凄いと思った。短編集なので、一つひとつの物語の登場人物たちについての情報が多いわけではないが、むしろその余白を使って生い立ちや性格を想像するのが楽しかった。
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絵画の歴史や背景とともに、「色々あるけど前向きに生きていこう」と読者の背中を優しく押してくれるような、ほっこりする物語が心を温めてくれました。
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色んな名画を絡ませた短編集。1つずつ、どれも素敵で就寝前に1日1話読み進めるつもりが一気読み。 全て日本国内に所蔵されている絵のようで、巡ってみたいと思った。 絵を好きじゃなくても、詳しくなくても、心に残る絵があってストーリーがある素敵な物語。
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マハさんの絵画にまつわる短篇集。 やっぱり原田マハさんの物語は、心が温まるし、希望が持てるし、何よりもこの絵が見たい!と強く思う不思議な力があります。 6作品とも日本国内の美術館所蔵のものなので、ぜひ訪れたいなと思います。
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絵の鑑賞&優しい気持ちで読める本。主人公が異なる6話の短編小説。「ハッピーバースデー」では就職活動に失敗続きの作者が母の働く姿が眩しく感じられたこと、主人公か広島原爆投下日に生まれたこと、本に登場した絵をヒントに生命の営みを感じた。「窓辺の小鳥たち」ではおれらはかごの中に...
絵の鑑賞&優しい気持ちで読める本。主人公が異なる6話の短編小説。「ハッピーバースデー」では就職活動に失敗続きの作者が母の働く姿が眩しく感じられたこと、主人公か広島原爆投下日に生まれたこと、本に登場した絵をヒントに生命の営みを感じた。「窓辺の小鳥たち」ではおれらはかごの中にいるわけじゃない、自由に飛んでいけるんだ、と恋人二人が遠く離れることに。でも二人はそれぞれに飛んでまたもう一度同じ窓辺に帰ることを予感させる。これも絵がヒントになる。原田さんの作品は絵の講述だけでも面白いが絵をヒントに分かりやすく作者の主張を捉えさせてくれ読みやすい。読みやすいことから評価を高めた。笑
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