ライオンのおやつ の商品レビュー
生きるということと死ぬということ、読みながらたくさん考えて涙を流した。 実際にこんなに素敵なホスピスで最期を過ごせたらどんなに幸せだろう 思い出のおやつ、さいごに食べたい思い出のおやつは何だろうと自分でも考えてみたけど、あれもこれも浮かんで決められない 本当に終末期を迎えた時にな...
生きるということと死ぬということ、読みながらたくさん考えて涙を流した。 実際にこんなに素敵なホスピスで最期を過ごせたらどんなに幸せだろう 思い出のおやつ、さいごに食べたい思い出のおやつは何だろうと自分でも考えてみたけど、あれもこれも浮かんで決められない 本当に終末期を迎えた時になればどうしてもこれがいいっていうのが見つかるのかな
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ずっと読んでみたいと思いつつ、積読になっていた一冊。 4年前に父を末期癌で亡くし、あまりに生々しく、手に取れなかった。 若くして癌にかかり余命宣告を受けた雫は、東京から遠く離れた瀬戸内の島のホスピス「ライオンの家」で残りの時間を過ごすことに決めた。 クリスマスの日に島に到着してか...
ずっと読んでみたいと思いつつ、積読になっていた一冊。 4年前に父を末期癌で亡くし、あまりに生々しく、手に取れなかった。 若くして癌にかかり余命宣告を受けた雫は、東京から遠く離れた瀬戸内の島のホスピス「ライオンの家」で残りの時間を過ごすことに決めた。 クリスマスの日に島に到着してから雫が旅立つまでの日々が丁寧に描かれている。 こんなホスピスが本当にあったらいいな、というのが最初の感想。 少しずつ、少しずつ、雫の体調が悪化していく様子が、父と重なった。 父も、こんな気持ちだったのかな。 どんな想いでいたのだろう。 知りたいけれど、絶対知ることの出来ないことがある。 でもこの物語を読むことで少し、想像出来て、少し、父に寄り添えたような気がした。 ホスピスでは毎週日曜日に、入居者がリクエスト出来るおやつの時間がある。 それぞれにおやつへの思い出や想い入れがたっぷりある。 何一つ蔑ろにしない、軽んじない どの生命も区別しない 当たり前のことだけれど、分かっているのに無意識に差別してしまうこともある。 ライオンの家の人々が入居者に徹底的に寄り添うのは、自分自身をまず大切にしているからだと思った。自分自身を大切に思えるから、目の前の人にも同じように大切に出来るんだ。 死が近づくにつれ、以前出来たことが出来なくなっていくにつれ、雫の心も変化していく。 もうすでにここにあった。共に在ったものに気づいていく。 わたしが20年ほど親しんでいるYOGAやここ数年学んでいるヴェーダーンタで繰り返し気づくことと同じであることに驚いた。 あぁそういうものだよね。 ページが薄くなるにつれ、気づくと涙が流れていた。 悲しいような、切ないような、それでいて心が温かくて自然に溢れ出たような涙だった。 一人で生きていると思っていても、目に見えないたくさんの様々な存在がわたしたちを支えてくれている。 父が亡くなった時、父の苦労や想いは一体何だったの、全て無駄になってしまったの、父の一生って何だったの、と苦しい気持ちが長いこと胸の真ん中でもやもやしていた。 でも今はもうそれも晴れた。 父という存在は、肉体という物質的な形が無くなっても、この世界に遍在しているのだ。父はそこにも、ここにも、この世界のあらゆるところに、何よりわたしの心の中にはっきりと存在して、わたしを支え護ってくれている。 この物語を読んで、その想いをさらに強くした。 読めて、良かった。
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死の話だけど心が重くならずに読めた。 節々でウルウルくるところがあって病との葛藤とか走馬灯のシーンとかリアルで読んでて辛い場面もあったけど、読んで良かった1冊です。
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小説は自分のペースで物語を進めることができるのが良い。「ライオンのおやつ」は読んでいると自分の人生を振り返らずにはいられない。ページを捲る手が何度も止まった。自分の生き方、親のこと、子どものこれから、あの時助けてくれた人たち。 醍醐の話し、心と体の関係、おやつとは何か、人生とロウ...
小説は自分のペースで物語を進めることができるのが良い。「ライオンのおやつ」は読んでいると自分の人生を振り返らずにはいられない。ページを捲る手が何度も止まった。自分の生き方、親のこと、子どものこれから、あの時助けてくれた人たち。 醍醐の話し、心と体の関係、おやつとは何か、人生とロウソク。 生きることと死ぬこと、死んだ後のことを前向きに考えさせてくれる内容だった。
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生きているうちに自分は何が大切なのか。知っているようで、忘れかけている小さな幸せな事について、作品を通して改めて気付かされる。 小川糸さんの生み出す本は、どれも優しい気持ちになれて大好き。
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主人公の日々変わりゆく肉体や精神をも描いていて、なかなか初めての読書体験をさせてもらった。 自分の体で感じること、それが生きていることそのものなんだなって、ハッと気付かされた。悲しいことも嬉しいことも全部今を生きてるからこそのこと。完璧でなくても精一杯命を燃やしたら、自分がやりた...
主人公の日々変わりゆく肉体や精神をも描いていて、なかなか初めての読書体験をさせてもらった。 自分の体で感じること、それが生きていることそのものなんだなって、ハッと気付かされた。悲しいことも嬉しいことも全部今を生きてるからこそのこと。完璧でなくても精一杯命を燃やしたら、自分がやりたいことを少しでも多くできたら、それでいいのかなって思えた。
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うーむ。 癌末期のとある素敵なホスピスでの話。 そこでは朝は365日違うお粥、お昼はバイキング、夜は一汁三菜。日曜日は入居者の思い出のおやつが食べられるという。 瀬戸内の穏やかな気候に包まれ素敵な人がお世話をしてくれるまさにユートピアのような場所。 きれいなお話なのだとは思うけ...
うーむ。 癌末期のとある素敵なホスピスでの話。 そこでは朝は365日違うお粥、お昼はバイキング、夜は一汁三菜。日曜日は入居者の思い出のおやつが食べられるという。 瀬戸内の穏やかな気候に包まれ素敵な人がお世話をしてくれるまさにユートピアのような場所。 きれいなお話なのだとは思うけれど、 お金の心配をせずこんな場所があればそりゃね、と厳しい現実の本を読みすぎたせいか途中から斜め読みに……。 共感を求められているように感じてしまったのかな。 現実直視型なんだろうな自分は。 若い頃に読んでたら普通に読めたかな。
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良かったです。 中盤からは涙ぐみながら、読み 進めました。 死ということを人生の締めく くりとして深く考えさせられる 物語です。 小川さんの持ち味である、おい しい食べ物と優しい文体は ただ悲しい話ではなく、生きる チカラを与えてくれる内容です。 ラストも良かった!
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泣いた。読みながらボロボロ涙が出て旦那に引かれた。ホスピスでゆっくり、でも確実に時の流れを感じる本でした。自分の今生きている時間を大事にしていこう。
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2020年 第11回新井賞受賞 人生の最期を迎える場所を自分で選択できるのなら、こんなどこかのホスピスへ一人で行きたい、と思う 死を意識して生きる時間を穏やかに暮らせる財力は残しておこうと思う
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