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汝、星のごとく の商品レビュー

4.5

2506件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1519

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    644

  3. 3つ

    196

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2022/08/05

一般文芸の第一線から恋愛小説が消えてもう何年経つ?? その間にもう自分も恋愛小説を読んで心を震わすことなんてないだろうと思っていた。 (自身の年齢的にもそうなのだろうと漠然とした思っていたともいえる) で、これか、と。 このエンタメが持て囃されるこのご時世に、恋愛小説を書いた...

一般文芸の第一線から恋愛小説が消えてもう何年経つ?? その間にもう自分も恋愛小説を読んで心を震わすことなんてないだろうと思っていた。 (自身の年齢的にもそうなのだろうと漠然とした思っていたともいえる) で、これか、と。 このエンタメが持て囃されるこのご時世に、恋愛小説を書いたんだなぁと。 しかもなんかすごいけど??と圧倒されました。 正直流浪の月は好きじゃなかったし、あの流れからの今作なのかなぁと、すこし捻じ曲がった角度から読み始めてしまったのだけれど、今回の凪良さんはきちんと引き算があった。 (流浪の月は足し算ばかりで逆にいいところを殺してたように感じていたので) 引くところは引いて、書きたいことがすっと入ってくる感じがしました。 (読んでる途中、頼むからここで先生がヤバイキャラになりませんようにと祈ってた笑 ある意味壊れてはいるけれど、引き算の壊れ方だったから安心した。彼の存在がとても良い味付けになってた) おそらく流浪の月も汝、星のごとくも『自分のために、自分の信じる愛のために、自ら間違える』という芯は同じなのだけど、今作の方がそれが無理なく入ってくる。 心が通うのも、離れるのも、捻れるのも、解けないほどに絡まってもう鋏を入れたほうがいいくらいなのに、そのまま力まかせに双方から引っ張り合うかのような繋がりの描き方が秀逸だな、と。 これぞ恋愛小説だ、と久々にハートというより肌がヒリヒリしました。 久々にこの感覚を味わったな、と。 櫂のクズ具合がリアリティあってすごくいい。女々しく通帳記入するとこも四万円要求する連絡もリアルクズで最高(ほめてる 母親の影響でどこか女をバカにしてる感じもすごく生々しくて、いっそ潔いなぁと。 そして、暁海が選んだ生き方がわたしはとてもかっこいいとおもう。 こういう作品って『ここではないどこかへ』にラストを持って行きがちだけども、暁海はどこかではなく『ここ』で生きていく。それがすごくかっこいいな、と。ある意味呪いから解放されて彼女の人生をようやく生きられるんだな、というか。 わたしも子どもがいないから親の気持ちはわからないけど、子どもとして必死に訴えるあのシーンにはグッときたな。 ここ最近、親が自分より強くて完璧な存在だと思えるうちは子どもなんだなと実感する作品が続いていて、これもそのひとつ。 親よりも先に大人にならざるを得なくて、荷物を背負って、そのうえで誰かを愛するために間違える。 そもそも間違ってるかなんてだれが決めるものでもないのだけど、その正論が罷り通らないから苦しいし、だからこそ文学があるのだともおもう。 恋愛って人間のいちばん素直な衝動で、生命活動だとも呼べるもので、だからこそやっぱり一般文芸の棚にあるべきものだよなと改めて思いました。 シンプルだけど答えがない。だからこそ、人は何百年も前からこのネタで物語を書き、読んで楽しむ人がいるんだよね。 物語の入り口にあらためて立ったような気がしてます。 わたしはまたここから、まだまだ物語を楽しんでいけるんだなと、プラチナチケットを受け取った気分です。 また書店の棚にこういう作品が増えていくといいな。 余談だけどもコレが凪良さんが受け継いだバトンなんだなぁと思うと勝手にしみじみしてます。

Posted byブクログ

2022/08/03

とても、とてもよかったです。 凪良ゆうさんの本は、読む手を止めたくなる程の悲愴感漂うパートがとても長く感じます。 今作でも、プロローグから暗雲が立ち込めていました。 ですが、やはり期待してしまうのです。雨上がりの晴れ間を。 プロローグとエピローグ、ほとんど同じ内容で、これだけ違...

とても、とてもよかったです。 凪良ゆうさんの本は、読む手を止めたくなる程の悲愴感漂うパートがとても長く感じます。 今作でも、プロローグから暗雲が立ち込めていました。 ですが、やはり期待してしまうのです。雨上がりの晴れ間を。 プロローグとエピローグ、ほとんど同じ内容で、これだけ違う感じ方をさせることができるところが凪良ゆうさんの魅力だと思いました。 登場人物たちのままならなさ、強さ、全部愛しいです。 生きづらさを抱える全ての人へ届きますように。

Posted byブクログ

2022/07/30

プルーフで読んだ。 どんどん物語に引き込まれる。 自分にずしんとくる言葉も多数あり、涙がでてくる。 うっかり電車で読んでしまったがために思いきり泣けなかった。 これから読まれる人はぜひ自宅で読んでもらって、思う存分ないてください。 装丁も美しい、ぜったい買う。

Posted byブクログ

2022/07/30

プルーフにて。 なにかあるとすぐ噂が広まるような小さな島で暮らす、息苦しくも未来に希望を委ねる十代。社会に出てからすれちがいはじめる二人の、年を重ねていくごとの変化が、読んでいてヒリヒリと痛かった。なんでこんなこと言っちゃうんだろう、とか、わかってるのに口にしちゃうって、あるよな...

プルーフにて。 なにかあるとすぐ噂が広まるような小さな島で暮らす、息苦しくも未来に希望を委ねる十代。社会に出てからすれちがいはじめる二人の、年を重ねていくごとの変化が、読んでいてヒリヒリと痛かった。なんでこんなこと言っちゃうんだろう、とか、わかってるのに口にしちゃうって、あるよなぁ。逆もまたしかり。 グサリとくる台詞や、こいつ…まじか…という展開もあったりで、すり減らされながらページをめくっていたけど、最後まで読んでよかった!というラストだと思う。 島の印象が最初と最後で変わったのもおもしろい。

Posted byブクログ

2022/07/22

北原先生が暁美を東京に送り出すシーンで泣いちゃった。「永遠に辿り着けない場所を目指して疾走するものが恋ならば、ゆったりと知らないうちに決定的な場所へ流れ着くものが愛のような気もする」

Posted byブクログ

2022/07/20

すごい物語を読んでしまった。暁海と櫂の年齢順と季節の構成がすんなり読めて素晴らしいかぎりです。読む手が止まらず一気読み間違い無し恋愛小説の最高傑作、ラストは悲しみを忘れさせてくれる終わり方でした。

Posted byブクログ