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汝、星のごとく の商品レビュー

4.5

2645件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1599

  2. 4つ

    685

  3. 3つ

    208

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    14

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2022/10/14

 なんて不器用な2人なんだろう。  高校生の暁海と櫂。親に振り回され心に孤独や諦めを抱えた2人はいつしか惹かれ合い、夢に向かって成長していくのだが、離れて暮らす2人の生活や時間が壁となって2人の前に立ち塞がる。  漫画原作家の夢を叶えるため、高校卒業と同時に東京に出て夢を叶え...

 なんて不器用な2人なんだろう。  高校生の暁海と櫂。親に振り回され心に孤独や諦めを抱えた2人はいつしか惹かれ合い、夢に向かって成長していくのだが、離れて暮らす2人の生活や時間が壁となって2人の前に立ち塞がる。  漫画原作家の夢を叶えるため、高校卒業と同時に東京に出て夢を叶えていく櫂。櫂について行きたいと願いながらも親を見放すことができずに地元に残る暁海。  遠距離恋愛の2人には、生活感などの違いからどうしてもすれ違いが起きてしまう。  暁海と櫂の章が交互に綴られていくことで、本当はお互いが相手のことを思い合っていることがわかり、お互いの不器用さにヤキモキしてしまう。  それにしても、櫂の母親にしろ、暁海の母親にしろ、子どもに迷惑ばかりかける本当にダメ親で、読んでいて辛くなるが、実際にこういう親も多く、それを負担している子どもも多いんだろうと何とも言えない気持ちになる。  『自らを生きる』。おそらくこの物語でとても大切にしているワード。自分らしく生きる。自分がやりたいことを生きる。それ以外は排除してもいいという強さを持てる自分になりたいと思った。

Posted byブクログ

2022/10/12

カフェで読み始め、一気に読み終えるまでに何度も涙をこらえた。恋愛ものという言葉が似合わない、重たくて辛くてやるせない、だからこそ心にくる1冊だった。 特に作中で描かれる親子の姿には何度も顔がゆがみ、心が震えた。自分を映しこんで読んでいた部分もあるかもしれない。 自分の力で「生きら...

カフェで読み始め、一気に読み終えるまでに何度も涙をこらえた。恋愛ものという言葉が似合わない、重たくて辛くてやるせない、だからこそ心にくる1冊だった。 特に作中で描かれる親子の姿には何度も顔がゆがみ、心が震えた。自分を映しこんで読んでいた部分もあるかもしれない。 自分の力で「生きられる」ことと、自分ひとりで生きることは違う、常に前者であるためのメンテナンスを怠るなという登場人物の言葉は、私が女性であるのも相まって背筋が伸びる思いがした。 小説は1度味わったら満足することが多いタイプの人間だが、この作品は自分が成熟してからまた読みなおしたいと思った。

Posted byブクログ

2022/10/11

切なくて、人と人との関わり方、人生という大きなものの中で自分を見つけ出していく、辛かった 辛い思いを受け取りすぎて読み終わりには、疲れました、 けどめくる手が止まりませんでした。最後まで!

Posted byブクログ

2022/10/10

暁海と櫂が想い合うきっかけも、すれ違う理由もタイミングも、そうとしかあり得ない流れで、だからこそ中盤は読んでて苦しかったが、作者の構成力に驚嘆。 たしかに、30を越え、これまでの経験をした2人でなければ、あの静謐さは生まれなかっただろう。 それでも、17で出会ってただまっすぐに幸...

暁海と櫂が想い合うきっかけも、すれ違う理由もタイミングも、そうとしかあり得ない流れで、だからこそ中盤は読んでて苦しかったが、作者の構成力に驚嘆。 たしかに、30を越え、これまでの経験をした2人でなければ、あの静謐さは生まれなかっただろう。 それでも、17で出会ってただまっすぐに幸せに突き進めた2人もあったのでは、と儚い望みを持ち、けれど、この物語はこの形が完璧だと思う。 まあ、超個人的な好みだけで言っちゃうと、北原先生だなあ。櫂は、ちょっとめんどくさい(笑)彼の優しさは人を幸せにしない優しさと何度も書いてあるけど、そのとおりだと思う。 北原先生から教えられた有形無形の心の支えがなかったら、暁海も櫂の元に行き着かなかっただろうし。 暁海=瀬戸内の海=広く強く豊か=櫂の憧れ 櫂=海、人生を航るオール。海をかき回すけど、あまり進まない。 北原先生=北極星=道しるべ、かつ、神の冷たさ すばらしい作品でした。

Posted byブクログ

2022/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

息の詰まるような瀬戸内の狭い島の中、高校生の二人は出会った。ヤングケアラーとして母親のために閉ざされていく未来、タイプは違うけれど子供に依存して食い潰していく母という業が恐ろしい。無責任な社会の目に押しつぶされていく姿から立ち向かう姿に変わっていくところ、その精神の成長に感動した。 そして北原先生の存在、こんな閉塞した島に燻銀のように輝いている。

Posted byブクログ

2022/10/09

とっても苦しい物語でした 捨てることと捨てないことは同じことで 大切なものをずっと捨てずにいるためには他のことは捨ててもいいと覚悟を決めること 守るために手放さなければならいものがあること でも本当にそう? 自分を貫くことはとても簡単でとても苦しいこと そんな気持ちになった...

とっても苦しい物語でした 捨てることと捨てないことは同じことで 大切なものをずっと捨てずにいるためには他のことは捨ててもいいと覚悟を決めること 守るために手放さなければならいものがあること でも本当にそう? 自分を貫くことはとても簡単でとても苦しいこと そんな気持ちになった物語どすえ(インチキ京都弁で台無し)

Posted byブクログ

2022/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本にどれほど入り込み、いろんな時間をその本にあてがいたいと思えるか、というのは、素晴らしい本の一つの要素だと思う。 最近だと、川上未映子さんの夏物語に続き、こちらがその類だった。 いろんな問題が有象無象していて題材として欲張りだし、切り取ればどれもありそうな感じでもあるのに、どのエピソードもバランスよく、地に足がついていて、違和感なく入り込めた。 不倫、親の呪縛を抱える子供、噂や世間の声の蝕み方、それらに対して年齢とともに向き合い方が変わったり変わらなかったり、そういう気持ちの流れ方。マイノリティな考え方や、世間から意志を投げられうる人たちが一生懸命、自分達を生きている様子。 また、プロローグとエピローグの使い方がとてもうまい。こちらの固定観念とかを試された感覚。 わたしが一番心にぐぐっときたのが、 櫂と一緒に漫画を描いてきた尚人くんの顛末。 世間に生かされ殺されそして希望を抱きながら幸せなきもちで逝ってしまうところ 現実にこんな人たちはごまんといるのだろう、と。 あとは、この物語を通して一貫している、瞳子さん、北原先生、結ちゃんの佇まい。 _φ(・_・ 親としてはいろいろあっても櫂が許してるならそれでいいんだよ。勝手に他人が決めつけてどうこう言う権利なんかない 自分がかわいそうと思わなければ、誰にそう思われてもいいじゃないですか わたしは何度櫂にさよならを告げるんだろうとおかしくなった。何度もさよならを心に決めて言い聞かせなければいけないほど、わたしは今でも櫂が好きなのだ、と思い知る。わたしにとって愛は優しい形をしていない。どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで。 愛と呪いと祈りは似ている p.269 誰が何と言おうと、ぼくたちは自らを生きる権利があるんです。ぼくの言うことはおかしいですか、身勝手ですか。でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。その誰かが正しいという証明は誰がしてくれるんでしょう。

Posted byブクログ

2022/10/09

うわぁ~~~~~ 何とも凄い本に出合ってしまった!!! なんだろう、この読後感。 ただただ、圧倒される。 読了後に「あぁ、良い本だった」と思うことはあるけれど、そんな感想では済ますことができない。 でも、今のこの感情をうまく言葉にできないもどかしさ… 凪良ゆうさんは2020年...

うわぁ~~~~~ 何とも凄い本に出合ってしまった!!! なんだろう、この読後感。 ただただ、圧倒される。 読了後に「あぁ、良い本だった」と思うことはあるけれど、そんな感想では済ますことができない。 でも、今のこの感情をうまく言葉にできないもどかしさ… 凪良ゆうさんは2020年に『流浪の月』で本屋大賞を受賞されているが、私は未読。 昨年、『神様のビオトープ』を読んだのだが、そのときは、”何とも不思議な世界だなぁ”と。 凪良ゆうさんの世界をちょっと垣間見ただけで終わっていた。 『汝、星のごとく』を読もうと思ったのはブクログとインスタがきっかけ。 最近はブクログとインスタを参考に本を選ぶことも多いのだが、ブクログの『汝、星のごとく』の評価の高さはビックリするものだった。 ブクログではレビュアーが☆5段階で評価しているが 『汝、星のごとく』の評価は 4.60 私の記憶の中では【 4.61 】なんて高い評価を見たことがない。 例えば(※私が既読の本に限って) 『お探し物は図書室まで』青山美智子著 4.35 『そしてバトンは渡された』瀬尾まいこ著 4.25 『かがみの孤城』辻村深月著 4.4 『みをつくし料理帖(八朔の月)』髙田郁著 4.32 『楽園のカンヴァス』原田マハ著 4.22 『容疑者Xの献身』東野圭吾著 4.24 上の6冊、私の個人的評価は☆5で、どれも本当に好きな本。 それらよりもはるかに高い評価。 インスタのでの評価にはさらにビックリした。 そこには「今年一番の本」「おすすめN0.1」など大絶賛の言葉が並んでいた。 これはもう読むしかない! 普段、私はあらすじやネタバレは読まないようにしてる。 読むのは、本の帯、文庫の裏表紙、出版社の本紹介など。 『汝、星のごとく』の帯に書かれていたのは その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、 愛に呪われ、 それでも私たちは生きていく。 凪良ゆうさんの公式Twitterにはこんなふうに書かれていた。 「前作からほぼ2年、ずっとこの物語に向き合ってきました。 自分はなにを選んで生きていくのか。 恋愛を通して紡いでゆく人生の物語になったきがします。 年齢や性別にかかわらず、どこか、なにか、読んでくださった方の心に触れる物語になっていれば嬉しいです」 10月5日現在、今年読んだ本はこの本で48冊目。 今年はまだ3か月ありますが… 『汝、星のごとく』は、今年読んだ本の中で”ベスト1” (もしかしたら、変わるかもしれないけど…) そして、『汝、星のごとく』は 本屋大賞や直木賞などにノミネートされるのでは…? と、思ったり。 本の装丁もとても”きれい”… 本当に読んで良かった!

Posted byブクログ

2022/10/09

久々にしっかりと読書しましたが引き込まれて夢中で読みました… 凪良ゆうさんの作品は流浪の月、滅びの前のシャングリラと読了、3冊目です。 現代社会でよく話題になる問題をたくさん詰め込みつつ、登場人物ひとりひとりの感情やキャラクターを丁寧に描かれていて、とても臨場感がある作品でし...

久々にしっかりと読書しましたが引き込まれて夢中で読みました… 凪良ゆうさんの作品は流浪の月、滅びの前のシャングリラと読了、3冊目です。 現代社会でよく話題になる問題をたくさん詰め込みつつ、登場人物ひとりひとりの感情やキャラクターを丁寧に描かれていて、とても臨場感がある作品でした。親族や狭い社会に縛られて自分を押し込める主人公にはもどかしい気持ちにもなりましたが、なんだか現代を生きる人間のリアルさを感じました。

Posted byブクログ

2022/10/09

久しぶりに本読みたいなぁと電子本サイト見ていると、期間限定で冒頭部分が閲覧できるとのこと。有名な作家で名前は存じているが、まだ読んだことがない作家。まぁ、試しにさらりと…安易な気持ちでダウンロードし読み始めた。 すらすらと読みすすめることができ、あっと言う間に無料ダウンロード分...

久しぶりに本読みたいなぁと電子本サイト見ていると、期間限定で冒頭部分が閲覧できるとのこと。有名な作家で名前は存じているが、まだ読んだことがない作家。まぁ、試しにさらりと…安易な気持ちでダウンロードし読み始めた。 すらすらと読みすすめることができ、あっと言う間に無料ダウンロード分は終わり。気になる。暁美と櫂どうなるの?!2人の幸せを願いながら、迷わず即購入し読み進めた。 あっと言う間に読み終え、いままだ余韻が続いています。苦しくて遠回りしてしまうけど、それも必要な時間だったはず。思い出しても涙が溢れます。 自分の心に正直に居たい。 私のような読書初心者でも、読むと頭の中に絵が描け人物が息づく文章を書く凪良ゆうさんの素晴らしいさをこの本で知りました。 たくさんの方に読んで知っていただきたいです。 この本に出逢えてよかった。

Posted byブクログ