腹を割ったら血が出るだけさ の商品レビュー
様々な登場人物がいて、それぞれの視点で物語が語られていく。 愛されたい女子高生茜寧(あかね)のパートは最初結構キツかった。女子高生の会話は本人たちはそりゃ楽しいんだと思うけど、聞かされる側は退屈なのよ。楽しくキャピキャピした感じの日常パート、ほんとどうでもいい。 そう思っていた...
様々な登場人物がいて、それぞれの視点で物語が語られていく。 愛されたい女子高生茜寧(あかね)のパートは最初結構キツかった。女子高生の会話は本人たちはそりゃ楽しいんだと思うけど、聞かされる側は退屈なのよ。楽しくキャピキャピした感じの日常パート、ほんとどうでもいい。 そう思っていたら段々、茜寧という人間の不可解さ、不安定さが際立ってくるようになる。 愛読書の登場人物に似ているからという理由で、他人に声をかけるという時点でちょっと飛んでいるけれど、終盤は狂気の人という感じがした。 愛されたくてどうしようもない自分を殺したくなるという感情。 それは私は味わったことがないけれど、かと言って、逢(あい)のように裏表なく生きている訳では無い。さらっと嘘をつく自分も確かに自分だという自覚がある。 茜寧は自分の外面(内面というよりこっちがしっくり来る)にずっと向き合えなかった。 自分が自分の思い通りにならないというのは、どういう感覚なんだろう。
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よく分からない話だった。 君の膵臓をたべたいからこの作者の本を大体読んでいるが、膵臓を超える本には出会えていない。
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住野さんの作品は全て読んでいる 中でも登場人物が多く、作中作品で難しかった だけど、人の生きづらさ、本当の自分を曝け出せない苦悩、伝えたいメッセージが伝わってきた 茜寧の気持ちに共感できた
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「腹を割ったら血が出るだけさ」 というタイトルが読後、すごくしっくりきた。 たしかに、腹を割っても血しかでないよね、生きづらい。 主人公の少女(私が思う主人公はやっぱり糸林茜寧)にとっての「少女のマーチ」が私にとってのこの本かもしれないと錯覚した。それも、後半に突然。 途中までは入り込めず、こんなものか、という印象で、本の中の話だし、本の中にはきっと救いがあるけれど、現実には救いなんてないし、生きづらいままじゃないかとすら思っていたけど、突然、どの部分を読んでからかは分からないけど、自分を少女に投影して、「自分もこんなふうに変われるかも」なんて最初は他人事に思ってた少女と同じような気持ちを持った。 読んだあとのこの気持ち、高揚感を忘れたくなくて、書き殴った感想だから、また足していくかも。 あと個人的に、「彼ら」で伝わる表現を「彼ら彼女ら」と現す、恋愛対象を決め込まない表現、色々なさり気ないところがすごくすき 住野よるさんやっぱり大好き
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曖昧な気持ちや絶望感を曖昧なままそれでいいよと受け入れてくれる。そのままで生きていくんだよと教えてくれる。茜寧にも樹里亜にも自分の感覚に近いものを見た。
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Amazonの紹介より 高校生の茜寧は、友達や恋人に囲まれ充実した日々を送っている。 しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。 ある日、茜寧は愛読する小説の登場人物、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢い――。 いくつもの人生...
Amazonの紹介より 高校生の茜寧は、友達や恋人に囲まれ充実した日々を送っている。 しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。 ある日、茜寧は愛読する小説の登場人物、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢い――。 いくつもの人生が交差して響き合う、極上の青春群像劇。 小説の中に出てくる人物が、現実に現れる!?というSFのような展開なのかと思ったのですが、しっかりとした青春群像劇でした。 若者達の内に秘めている嫌悪感や野望など泥臭さも交えつつ、余すことなく心情を滲み出していて、住野さんの新たな一面を垣間見たように思いました。 住野さんというと、初期作の「君の膵臓を食べたい」が印象深かったです。衝撃的なタイトルに反して感動的な作品だったのですが、新刊が出るたびに徐々に若者達の「毒」のある心情が浮き彫りになっているなという印象がありました。 内に秘めている心の叫びや嫉妬など泥臭いながらも丁寧に若者の心情をリアルに表現しているなと思いました。 この作品でも、それぞれの登場人物の言いたい事がありのまま表現されていて、初期とは違った住野さんが楽しめて、意外でもあり、一皮剥けたようにも感じました、 色んな立場から、それぞれが思う「生きる」ということ。 人によって、読んだ本の解釈は様々ですが、相手とは寛容な心をもつことが大切であると感じました。 なかなか自分と全く同じ意見を持っている人はいませんが、違う意見が出されても、イラッとせずにこういう人がいるんだという広い心を持てるような人間でありたいです。 自分が思っている相手の印象と当人が思っていることは決して一緒ではなく、群像劇なので、こう思っていたんだという新たな発見もあって、色々楽しめました。 ストーリーが進むにつれて、感情も深堀りされていき、やがて爆発されるが如く、相手にぶつけていきます。 本領発揮といいましょうか、住野さんが演出する感情爆発の表現が、とても心に刺さりました。 最初はSFチックなラブコメだと思っていたはずが、青春群像劇へと発展し、ラストはこの物語が・・・という演出だったので、この展開は面白かったです。 小説の数だけ、様々な物語がありますし、人によって印象に残るのは様々です。色んな世界が心に残るよう、色々な本に出会いたいと思います。
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一枚皮を被っていて、何らかの戒めのために舌を噛む茜寧の姿から、(うろ覚えだけれど)麦本三歩のようなものを感じた。三歩は明るい性格が全面に出ていたのでそれほどでもなかったけれど、茜寧は疲れそうだな。本人も相手をする方も。気づかなければ大丈夫なのだろうけれど、気づく人は気づきそうだ。...
一枚皮を被っていて、何らかの戒めのために舌を噛む茜寧の姿から、(うろ覚えだけれど)麦本三歩のようなものを感じた。三歩は明るい性格が全面に出ていたのでそれほどでもなかったけれど、茜寧は疲れそうだな。本人も相手をする方も。気づかなければ大丈夫なのだろうけれど、気づく人は気づきそうだ。もしかすると今の若い人たちの中には、こんな風な生き方の人って多いのかな。樹里亜のターンで書かれている、小楠なのかの「誰の会話かぼかす手法」は住野さんも使っているかなと想像した。
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最初は、違う人が書いたように感じましたが、今読み終えて、やっぱり住野さん!でした。 「君すい」は、かなり衝撃的影響をいただきましたが、このお話は、私なりに楽しめて、良い読後感を得ました。
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心理描写はとてもエグくて良かったと思う 読み取れるテーマはなんとなく理解したけど、書き方的に少しふわふわしていて読み取りづらいような感じはした(自分の読解力不足かも)
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あまり全体的な評価は高くないみたいですが、私の個人的な感想を。君膵で強烈な衝撃を受けて以来、著者の本は全て読んでます。正直なところ、なかなか君膵を超えるとこまでは行かないようにも感じるが、それでも毎回毎回著者が何か新しいチャレンジをしているように感じています。それが独特の世界観を...
あまり全体的な評価は高くないみたいですが、私の個人的な感想を。君膵で強烈な衝撃を受けて以来、著者の本は全て読んでます。正直なところ、なかなか君膵を超えるとこまでは行かないようにも感じるが、それでも毎回毎回著者が何か新しいチャレンジをしているように感じています。それが独特の世界観をかもし出してもおり、私は嫌いではありません。そんな中で今回の一冊も一人ひとりの心の闇というか、葛藤なり、弱さだったり、ずるさだったりを絶妙に散りばめながら攻めた一冊だったなと感じ、私にはなかなか面白く感じました。
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