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腹を割ったら血が出るだけさ の商品レビュー

3.3

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    12

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2022/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

住野さんの本はずっと読んでいるのでどうしても贔屓目になってしまうが、またひとつ、最大値を更新した傑作が出てきたなぁと思った。物語は四人の主要人物からなる群像劇となっているが、それぞれが思惑から外れた出来事によって感情や行動を大きく動かし、そして物語をより物語たらしめている。「物語の受け止め方と自分の重ね方」に振り回される茜寧。確固たる自分を持ち「自分を物語の登場人物と同一視すること」の熱量と心情を上手く理解してやれない逢。「自分の思い描いたストーリーと周りが解釈するストーリーの差異」に苦しむ樹里亜。「作られたストーリー」を憎み暴こうとするも、思わぬ形で影響を与え自身も影響されてしまうことになる竜彬。四人の思惑と行動は「転」の部分で相互作用し、それぞれが傷付きつつも自分のことを今まで以上に理解できるようになる。腹を割ったら血が出たが、それだけではなく自分への理解という得るものがあった、ということなのだろう。物語をテーマにする割にはリアリティがあり、物騒なタイトルの割には希望が残されているストーリーだと思った。

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2022/08/16

この作品は私には向いていなかったと読了して思いました。 もっと若年層の方とか住野よるさんのコアなファンの方向けの作品ではなかったかと思いました。 この作品は糸林茜寧(あかね)という高校生がライブハウススタッフの女装した男性である宇川逢のことを『少女のマーチ』という小説の登場人...

この作品は私には向いていなかったと読了して思いました。 もっと若年層の方とか住野よるさんのコアなファンの方向けの作品ではなかったかと思いました。 この作品は糸林茜寧(あかね)という高校生がライブハウススタッフの女装した男性である宇川逢のことを『少女のマーチ』という小説の登場人物に似ていると言って自分を主人公に見立てて、小説をなぞってみることを始めたことからスタートします。 でも、茜寧が小説の中を現実とだぶらせてしまうほどの生きる辛さとか、人から愛されたいという欲求とかが、私はもういい大人なのでよく理解できず、共感できませんでした。人から愛されることよりもっと大事なこともあることを私は知っているつもりです。 茜寧と逢の関係性はよかったと思います。 この作品のテーマは何だろうと考えてみました。 1小説にのめり込みすぎることの危険性。 2本当に人を救うのは小説ではない。他の誰かもしくは自分自身である。 3しかし、小説に救われた人がいれば嬉しい。 などが思い浮かびましたが、違っているかもしれません。

Posted byブクログ

2022/08/15

表紙がキレイ。 「愛されたい」にとらわれる茜寧。 「少女のをマーチ」という小説に出てくる登場 人物にそっくりだと思い知り合いになった逢。 男だけど美しくて女装している。 アイドルグループの樹里亜。 樹里亜と逢は、一緒に暮らしてたの? 半分以上読んでも、ちょっとわからない。 何度も...

表紙がキレイ。 「愛されたい」にとらわれる茜寧。 「少女のをマーチ」という小説に出てくる登場 人物にそっくりだと思い知り合いになった逢。 男だけど美しくて女装している。 アイドルグループの樹里亜。 樹里亜と逢は、一緒に暮らしてたの? 半分以上読んでも、ちょっとわからない。 何度も読むのをやめようと思った。 頑張って最後まで読んだ。 自殺願望のある女子高生の心理。 そう思っていなかったが、樹里亜に言われ、 気になり茜寧を探す逢。 見つかって本当に良かった。 もう読まないと思う。

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2022/08/12

感想 他者からの愛を得るために誰もが演技をする。その仮面を脱いだ時に何が起きるのか。暖かく赤い血が流れるだけ。触れれば崩れそうな筆致で紡ぐ演劇。

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2022/08/11

途中で読むの諦めようかなーと何度も思いましたが、最後まで読めば意味が分かるかもと思い何とか読み終えました。しかし全体を通して文章表現が私には難しく、何を伝えたいのか分からず読みながらストレスを感じてしまいました。

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2022/08/11

物語とは何かを考えさせられる物語。 住野さんの作品は、人と人との関係性や、それを通して見る自分について描くものが多いように思っていて、個人的には読みづらく(理解し難く)感じる作品がいくつかあるけど、本作は初読でも共感を得られる内容やった。

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2022/08/10

クライマックスまでどんな終わり方をするのかわからないまま読んで、読み終わったらこの本の主人公は自分なのかもしれないと入り込んでいた。 誰でもない人生のなんでもない日常を切り取って、こんなにも美しく表現できる本の美しさを教えてくれる作品です。

Posted byブクログ

2022/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想とかではないのですが… 最後の小楠なのか視点のところで、なんとなく「また同じ夢を見ていた」の菜ノ花と共通してるところがあるなぁ、と思いました。もちろん、苗字違うし同一人物ではないんだろうけど、黒猫とか鼻歌とかで、なんとなく。 住野よるさん、似せたのかなぁ、って。 同じようなことを感じた人、いますかね?

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2022/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

住野よるが大好きなのですぐに買った。 感想を書いていいのか分からない。 その感想は自分なりの解釈になってしまう。 しかし、作者なら「それでも良いと」と認めてくれそう。 今作では、自分を投影できる登場人物がいなかった。そして、糸林茜寧をヤバめのヲタクとして見なしてしまっていた。しかし、他の作品では、その登場人物に感情移入することが多々ある。それは、自分の経験から勝手に作品を解釈するからだ。しかし、それはそれで自分だけの作品になるのだから小説は面白い。 最後の結末はおおよそ読めていた。しかしながら、様々な登場人物が交錯する中で物語が進んでいき、それにはワクワクさせられた。糸林茜寧が報われるような最後で良かった。また、後藤樹里奈も最後は報われて良かった。彼女達のような感覚を持った人は日常の中にもいるのだろう。その日常に焦点を当ててる感じがして面白い。 最後の小楠なのかのエピローグも完璧。これは作者である住野よるの意見を反映したキャラなのだろうか。少なくとも私にはそう感じられた。

Posted byブクログ

2022/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(ネタバレしていませんが一応ネタバレ押してます)住野よるさんの作品は、よるのばけもの・また、同じ夢を見ていた・麦本三歩のすきなもの が特に好きです。新刊を心待ちにしていました。読了後、お布団に入り眠る前に思い出し、幸せを感じて涙が出ました。作者さんの想いを、私なりに受け取れた気がします。

Posted byブクログ