チ。 ―地球の運動について―(第8集) の商品レビュー
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ど、どうゆうこと? 最終59話のラファウの出現で混乱した。 『君らは歴史の登場人物じゃない』というアントニ司教の言葉がひっかかっていたし、今までになかった具体的な地名や年数が明記されていたので、こっちが史実ってことなのか? 正直、この壮絶な物語の完結巻としては消化不良だった。 しかしこれは1巻を無性に再読したくなるような仕掛けなのでは?と思っている。 59話で出てくる重要なキーワード、『タウマゼイン』 “知的探究の原始にある驚異。この世の美しさに痺れる肉体のこと。そしてそれに近づきたいと願う精神のこと。つまり「?」と、感じること。” 『タウマゼイン』に導かれるように1巻を再読することでこの壮大な物語のカタルシスを改めて感じることができた。 タイトル『チ。』が多様な意味を持つように、 地動説に託された思いも多種多様だ。 自由を託す者、知性を持って真理を託す者、感動を託す者、など 託された理由はそれぞれだけど、全ては『タウマゼイン』から始まったのだ。 これから地動説に身を投じることになる人々が歴史に名を刻むこともなく、誰も目的にたどり着かないのを知っているからこそ、 1巻でのフベルトの言葉、『不正解は無意味を意味しない。』が刺ささりまくる。 当初、地動説の行方にハラハラドキドキしていたが、そこがこの漫画のキモではない。登場人物たちの信じるものに対しての熱狂や、強い覚悟が心を揺さぶるのだ。そしてまたどこかで地動説に熱狂する人々が現れる予感を残して終わる。というか、その予感は願いなのか。これが「託す」ということなのだろう。 いやー、全8巻、熱すぎた! 宇宙、宗教、自然の摂理、哲学、倫理などなど、 色んなものが詰まっている。 そして5ページに1回ペースで出てくる熱いセリフが 漫然と生きている身には突き刺さった。 以下、8巻の胸熱セリフ 「神を失ったら人は迷い続ける。 でもきっと迷いの中に倫理がある。 これから平和が訪れるとは思わない。 次に来るのは大量死の時代かもしれない。 でも、その死の責任は神じゃなくて人が引き受ける。 だからそこにはきっと“罪”と“救い”じゃなく、 “反省”と“自立”がある。 そうやって苦しみを味わった知性は いずれ十分迷うことのできる知性になる。 暴走した文明に歯止めをかけて、 異常な技術も乗りこなせる知性になる。」 「ソクラテスだかアリストなんちゃらだかが言ってたらしいな。 すべてのモンには“アテレー”があるって。 意味は「自分の得意なこと、自分にしかできないこと」 アリストなんちゃらはこうも考えたらしいな。 「人は自分の特性を活かしている時が一番幸福だ」と 趣味ってのは神様が与えてくださった使命だ。 自分が自分でいられる場所だ。だから隠すな。 若いうちくらい浸れ。誰も文句はねぇよ。」
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真理とは 人間は神と獣の中間である。信じ、疑う。両方が許される中間の存在。神は、人がそこに存在させているのかもしれない。 思考を止めるな。人間の「アレテー」は考えられることだ。 今生きている、この奇跡に、世界の美しさに。乾杯
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信念も疑う心も結局は人それぞれ。十人十色。 神はどこかに存在するものではなくて 自分自身の中に存在するものなのかも。 人はそれを神と呼び、それを信じ生きて行く。
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他の方々がたくさんレビューされているので、いまさら書くことはないかなーと思いましたが、あえて一つだけ。 「こんなにも太字書体でかかれた名言の多いコミックスはたぶんないです。」 1巻につき10個前後あるので8巻で80個。 どれかはきっと刺さります。 以上です。
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知性の探求 「神が世界を創り、人はそれを知りたいと願った。 これ以上に尊い欲望を僕は知らない。 「私は学者だ。 誰に言われても研究を棄てるつもりはない。
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☆完(全8巻) 〜第1章〜 ・C教が力を持つ時代 ・ノヴァクは異端者を厳しく取り締まる ・12歳のラファウは異端のフベルトから地動説を聞かされる ・義父ポトツキにより監獄へ ・自殺する 〜第2章〜 ・異端者を輸送警備をしていたグラスとオクジー ・グラスは感化され異端者を解放 ・オクジーだけ生き残る ・パデーニを訪ね石箱のことを知らせる ・2人は協力者を募る ・ピャスト伯のもとで働くヨレンタが協力 ・地動説完成 ・ノヴァク襲撃 ・2人は処刑 ・パデーニは浮浪者の頭に文章を彫り同僚に伝承 〜第3章〜 ・移動民族の少女ドゥラカ ・ある本を見つける ・C教に疑われる ・異端開放戦線と出会う ・長はヨレンタ ・本を印刷しようと目論む ・ノヴァクが再び立ちはだかる ・ヨレンタ自爆 ・仲間の裏切り ・ドゥラカが司教と取引 ・ノヴァクが司教とドゥラカを殺し命尽きる ・ポーランドでアルベルトという青年が地動説の本を執筆 [総評] むずかしい。 心躍るような漫画ではなかった
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知と血と地が重なるタイトルが秀逸。知の探求、その継承を、主人公達が命をかけ、苦難に立ち向かいながらも、希望をもって次に繋いでいくストーリー。これまで、地動説解明の物語をフィクションで描いてきたが、最終章では、これまでの物語が史実に繋がっている可能性も示唆しており、夢のあるストーリ...
知と血と地が重なるタイトルが秀逸。知の探求、その継承を、主人公達が命をかけ、苦難に立ち向かいながらも、希望をもって次に繋いでいくストーリー。これまで、地動説解明の物語をフィクションで描いてきたが、最終章では、これまでの物語が史実に繋がっている可能性も示唆しており、夢のあるストーリーに昇華されていると思いました。
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漫画だし、何も考えずするする読もうと思っていたけど、刺さる部分があったので。 「歴史」「正義」「真理」「感動」「解釈」というとても抽象的なテーマを、地動説の誕生物語の中で語られている。その描き方の面白さに、まさしく「感動」した。 人はなぜ真理を求めるのか。真理を求める時に何を...
漫画だし、何も考えずするする読もうと思っていたけど、刺さる部分があったので。 「歴史」「正義」「真理」「感動」「解釈」というとても抽象的なテーマを、地動説の誕生物語の中で語られている。その描き方の面白さに、まさしく「感動」した。 人はなぜ真理を求めるのか。真理を求める時に何を犠牲するのか。何を守れて、どこまでが限界なのか。その真理を追求するにあたっての前提は、どれくらいが無意識に作られたものなのか。それは他者とどれほどの差を生んでいるのか。その差をどれくらい自分が感動できるか… 問いただされている気分。 真理を追うことの、業の深さが描かれているのが、この作品の一番の魅力だと思う。死んだ人たちがとても綺麗だったからそう思えたのかもなあ。絶望と表裏一体である感じがとてもよく伝わってくるように思う。 ヨレンタが言った、「信念は大事。ただ迷うことも大事。その中に倫理があるから。」というのは、名言。難しくて半分は実感できないけれど、大事にできたらと思う。 本当にすごく雑にまとめると、なんというか、自信のない日々だからこそ、自分の考え方に勇気をくれた気がして、読んでよかったと思えた。
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【あらすじ】 真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。 「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の...
【あらすじ】 真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。 「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 漫画ではなく、文章で集中して読みたい内容の作品でした。よくこのテーマで漫画を描こうと思ったなぁ。 物語の中心に据えられたのは「地動説」ですが、それ自体は一つの事例に過ぎず、人類の歴史の中には探究心が生み出した数々の物語が無数に生まれては消えてを繰り返してきた(そして今この瞬間も繰り返されている)のだと思います。例えその先に破滅があろうとも、誰も「知ること」への欲求は止められない。現代の社会だって、過去の時代が積み上げてきた知によって成り立っているのだから。だからどのような結果になろうとも、自分の欲求に素直に従って、知りたいことを知ろう。追究しよう。全うしよう。そして次世代へ繋ごう。 少し話が逸れますが、私は、現代の科学がいつか過去のものになる日が来るのではないかと考えています。遠い未来の教科書には「19〜21世紀の世界では『科学』という考え方が信じられていた」と記載されているのではないか、と。 真理とは何なのか。人類はいつか辿り着くことができるんですかね。
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「血」、「知」、「地」… 今生きているすべての人たちは、それまで生きてきた人たちの「チ」を、何らかの形で引き継いでいる。
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