ミシンと金魚 の商品レビュー
読ませるなあ。 老人ホームの痴呆が入ったおばあちゃんの自分語りでここまで奥行き出せるの凄い。 広瀬のねーさんが推しキャラ。
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傍から見れば脈略のないことを際限なくしゃべったり 要領を得ない答えしか返ってこなかったり。 でもカケイさんの頭の中はずっと回転している。 今見ている事 今やらなければいけない事 そして昔の事。 昔あった嫌だった事辛かった事悲しかった事 そして幸せだった事。 ...
傍から見れば脈略のないことを際限なくしゃべったり 要領を得ない答えしか返ってこなかったり。 でもカケイさんの頭の中はずっと回転している。 今見ている事 今やらなければいけない事 そして昔の事。 昔あった嫌だった事辛かった事悲しかった事 そして幸せだった事。 老いて人様の手を借りなければ思うようにもならない体の中にも間違いなくその人の人生がつまっている。 当たり前のことなのに改めて考えさせられた。 そして広瀬のばーさんはとてもカッコ良かった。
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認知症を患っているカケイ婆ちゃんの心の声を通して、彼女の人生を垣間見せられる。昭和の貧しい時代、理不尽とも思えるようなことがまかり通ってた時代、いろいろなことに耐えながらこれも人生と受け入れて生きてきた。彼女の語る言葉は優しくあっけらかんとしているのに、ただただ苦しくて切なくなる...
認知症を患っているカケイ婆ちゃんの心の声を通して、彼女の人生を垣間見せられる。昭和の貧しい時代、理不尽とも思えるようなことがまかり通ってた時代、いろいろなことに耐えながらこれも人生と受け入れて生きてきた。彼女の語る言葉は優しくあっけらかんとしているのに、ただただ苦しくて切なくなる。諦念と悔悟、絶望の人生だったとしても、幸せだったと最後にかみしめる。カケイ婆ちゃんを見送ったものがきれいな花で良かった。
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こりゃまたすごいものを読んでしまった。同じ作者の「ジョニ黒」よりも数段すごい。最近の小説は読む本読む本どれもあたりが多くて、うれしいとともに、この豊穣な世界を今まで見てなかったなんて、もったいないことをしていたなあ。この人の他の本も読んでみたいけれど、まだ二冊しか刊行されていない...
こりゃまたすごいものを読んでしまった。同じ作者の「ジョニ黒」よりも数段すごい。最近の小説は読む本読む本どれもあたりが多くて、うれしいとともに、この豊穣な世界を今まで見てなかったなんて、もったいないことをしていたなあ。この人の他の本も読んでみたいけれど、まだ二冊しか刊行されていないみたい。
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正直、読みづらい感じの文だったのでそこまで入り込めたわけではないですが、それでもリアルに人の一生を覗いたような感覚があり、切ない気持ちで読みました。どうしてこんなにリアルなものが書けるんだろうと思ったら著者さんはケアマネージャーさんなのですね。
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私も少し医療に関わっている。 デイサービスの人とも触れ合う機会もあった。 名前も忘れてしまったが、あの時のお爺さんやお婆さんの顔が浮かぶ 当たり前だけど、人には人生があり、皆必死に生きてきたはずなのだ。その人生を垣間見れると、胸にグッとくるこの感情はなんなのだろう。貴方に優しくし...
私も少し医療に関わっている。 デイサービスの人とも触れ合う機会もあった。 名前も忘れてしまったが、あの時のお爺さんやお婆さんの顔が浮かぶ 当たり前だけど、人には人生があり、皆必死に生きてきたはずなのだ。その人生を垣間見れると、胸にグッとくるこの感情はなんなのだろう。貴方に優しくした自分は誰かにわかってもらえて優しくしてもらえるのだろうか。年老いて、訳がわからなくなった時に、誰かが私の人生を尊厳をもって受け入れてくれるのだろうか
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とある女性の生涯のお話。 老女の独特なひとり語りが印象的でした。 側から見たら、主人公はどこにでもいるような女性のうちの一人なのだと思います。そんな彼女の人生がこれほどドラマチックだとは。 自分も最期の時には、手のひらに花が咲くだろうか、と思いました。しみじみと良い読書でした...
とある女性の生涯のお話。 老女の独特なひとり語りが印象的でした。 側から見たら、主人公はどこにでもいるような女性のうちの一人なのだと思います。そんな彼女の人生がこれほどドラマチックだとは。 自分も最期の時には、手のひらに花が咲くだろうか、と思いました。しみじみと良い読書でした。
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認知症の安田カケイさんの語り。 何も考えられなくなるのではなく、頭の中でこんな風に考えるのだろうか。 最後は、せつなくなった。
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カケイは、お迎えの人力車に乗り込めたのかな。チャンスとだいちゃんのアンバランスな引き手が、軌道修正するあたりの描写が、妙に細かくておもしろかった。 みっちゃんは、3才でこの世を去ったけど、不幸ではなかったんだな、と思えた。
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第45回すばる文学賞受賞 認知症のカケイさん目線の語りで、とてもリアルで胸が詰まる作品でした。 壮絶なカケイさんの人生は気の毒ですし、やはり自分も老いて呆けていくことは怖いので、楽しい気持ちでは読むことができません。 カケイさんの独特な言い回しや、ちょっとズレた思考が可笑しかっ...
第45回すばる文学賞受賞 認知症のカケイさん目線の語りで、とてもリアルで胸が詰まる作品でした。 壮絶なカケイさんの人生は気の毒ですし、やはり自分も老いて呆けていくことは怖いので、楽しい気持ちでは読むことができません。 カケイさんの独特な言い回しや、ちょっとズレた思考が可笑しかったり、可愛らしくもあるのですが、やはり胸が温まるものではありません。 認知症になるとはこういうものかと痛感し、最後まで切なく思いました。 カケイさんの語りのみで、周りの登場人物の個性がよくわかるのは興味深く思いました。
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