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ミシンと金魚 の商品レビュー

4.1

230件のお客様レビュー

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    82

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  3. 3つ

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2023/11/18

めちゃくちゃ面白かった。 認知症の塩梅がリアルすぎて。 全然大昔じゃない、ちょっと前までこういう人生を歩んだ先輩方がいたんだろうなって。 老いることや認知症、死への恐怖がで だいぶ薄らいだ気がする。 ラストは急にファンタジー全開になっていくけど、それもまた良し。

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2023/11/18

一気に読んだ。身体は老いても、今のことは覚えていられなくても、精神は死ぬその瞬間まで若いままなのかもしれないと思った。本当によくできた一人語り。

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2023/11/17

読み始めると止まらなくなり、一気に読了しました。 カケイさんの人生を思い、周りに出てくる登場人物の優しさに胸が苦しくなりました。 本当に良い作品に出会えたと思います。

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2023/11/07

なんだか、ものすごいものを読んでしまったわ・・・ はいはい、主人公のおばあさん認知症なのね なんてウカウカと読み始めてしまった私は その後の展開に圧倒されつつ、なんとも幸福でしみじみとした読書時間を過ごすことができました。 主人公の人間力、ヘルパーさんたちの優しさ 歳をとって色々...

なんだか、ものすごいものを読んでしまったわ・・・ はいはい、主人公のおばあさん認知症なのね なんてウカウカと読み始めてしまった私は その後の展開に圧倒されつつ、なんとも幸福でしみじみとした読書時間を過ごすことができました。 主人公の人間力、ヘルパーさんたちの優しさ 歳をとって色々削ぎ落とされていった先に こんな力強くて健気な命の輝きがあるなんて。 素敵な小説でした。おすすめ。

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2023/11/04

奇を衒った描写ではあるけど、それが作者と登場人物とそれぞれの世界観を絶妙に表現しているようで良かった。 分かるから辛い部分も、分からないから痛い部分も。痛くないなんてあり得ない。だから命はこんなにも辛くて、生があり死があり…人間なんだ。 だから人間は良くて悪くて、愛があり憎しみが...

奇を衒った描写ではあるけど、それが作者と登場人物とそれぞれの世界観を絶妙に表現しているようで良かった。 分かるから辛い部分も、分からないから痛い部分も。痛くないなんてあり得ない。だから命はこんなにも辛くて、生があり死があり…人間なんだ。 だから人間は良くて悪くて、愛があり憎しみがあるんだ。

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2024/01/29

胸が詰まるほどの傑作。 認知症のおばあちゃんの内面にここまで深く迫れたものはあるのだろうか。 過去の苦しみや哀しみをひとり背負いながら生きていたカケイさん。 その悲しさを分かち合えたことで救われる。 その事を心から良かったと思えた。 ...

胸が詰まるほどの傑作。 認知症のおばあちゃんの内面にここまで深く迫れたものはあるのだろうか。 過去の苦しみや哀しみをひとり背負いながら生きていたカケイさん。 その悲しさを分かち合えたことで救われる。 その事を心から良かったと思えた。 みっちゃんと今度こそ幸せになってほしいなぁ。

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2023/10/11

すごく切なくて、ずっしり感動して、本当に心に残る本だった。 認知症のおばあちゃんの一人語り口調の文体は個性的なんだけど、作者さんの力量か、すらすら読める。 ラストの「わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある。おなし分量、かならず、ある。」には、もう胸がいっぱいに...

すごく切なくて、ずっしり感動して、本当に心に残る本だった。 認知症のおばあちゃんの一人語り口調の文体は個性的なんだけど、作者さんの力量か、すらすら読める。 ラストの「わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある。おなし分量、かならず、ある。」には、もう胸がいっぱいになった。辛いこと、切ないことを耐え凌ぐばかりでも、人生ってなんていじらしく、愛おしいんだろうか。 登場人物はみんな、いい人なだけではなく、アクが強いのだけど、だからこそ時折垣間見せる優しさが沁みる。みんな天国では、心の底から安らいでほしい。

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2023/09/18

すごい本でしたが悲しすぎます。最初の数ページは別として、あとはずーっと涙目で読みました。それでも、カケイさんにしあわせでしたとこたえてもらえて、兄貴や広瀬のねーさんに見えないところで良くしてもらえていて、少しだけ救われました。帯にあるとおり衝撃の本でした。

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2023/09/14

薄い本にみっしり詰まっているカケイさんの一生。 認知症のカケイさんの一人語り、一人称でのお話 頭の中での語りなのか独り言なのか… ヒロポン中毒の兄、女郎の継母、刺青の入った兄の女…幼い言葉で語るには凄まじい一生です。 義母は認知症で施設に入ってます。 とにかく健康、健脚な認知...

薄い本にみっしり詰まっているカケイさんの一生。 認知症のカケイさんの一人語り、一人称でのお話 頭の中での語りなのか独り言なのか… ヒロポン中毒の兄、女郎の継母、刺青の入った兄の女…幼い言葉で語るには凄まじい一生です。 義母は認知症で施設に入ってます。 とにかく健康、健脚な認知症…「捻挫しようが骨折しようが歩きますよ」「介護を軽く見ると共倒れします」「とりあえず入院してその間に施設を探してください」と先生とケアマネさんに淡々と言われ感情を殺しながらバタバタバタバタと流れるように施設入居。入院先に1日おきに行くと凄まじい勢いで記憶がなくなっていくのを目の当たりにして愕然となりました。「こんにちは」「はい、こんにちは」「どちらさん?」「◯◯さんわかります?」「わたしの息子だがね」「わたし◯◯の嫁ですがね」「あゝ結婚したんやね」「お父さん待ってるから帰らんといかん」鍵のかかったフロアをグルグルグルグル…50年連れ添い苦労かけられた旦那を忘れ、3人の息子を順番に忘れ、一番可愛がってた三男が死んだことを忘れ、父親と兄弟のことを話す義母。 嫌なことを忘れて子供のように話す義母はニコニコと毎日を繰り返す。自分の思い出の中で暮らす義母は幸せなんじゃないかと思えてきます。 カケイさんと義母が重なってしまいあっという間に読了。義父が亡くなり残るは後三人…笑 さぁ気合い入れてがんばろ〜(/ _ ; )

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2023/09/03

これは凄い。途中から涙が止まらなかった。 認知症の女性、カケイさんが主人公。文中に『 』による会話は存在せず、カケイさんの語りで物語が進行していく。 老いたことで今まで出来ていた、出来ると思っていた事がどんどん出来なくなっていく悔しさや、どうしても医者や身内などに雑に扱われてし...

これは凄い。途中から涙が止まらなかった。 認知症の女性、カケイさんが主人公。文中に『 』による会話は存在せず、カケイさんの語りで物語が進行していく。 老いたことで今まで出来ていた、出来ると思っていた事がどんどん出来なくなっていく悔しさや、どうしても医者や身内などに雑に扱われてしまう感じなど、年をとることの寂しさや切なさが語りによって巧みに表現されていると感じた。 恐らく作者がケアマネージャーという職業を経験しているからこそ、言葉にし難い高齢者たちのどこか寂しい空気感を表現できるのだと思った。 ある日介護をしてくれるみっちゃんから「今までの人生を振り返って、しあわせでしたか?」と訊ねられたところから、これまでの正直常にしあわせとはいえない壮絶な人生が語られていく。 認知症が進み思い出せないことと思い出せることがある。そんな中カケイさんの中にずっといる「みっちゃん」という存在がカケイさんの人生でどのようなものだったのか。ぜひ読んでほしい。 カケイさんから語られる出来事一つひとつが苦しくて、それを描く作者の繊細な表現に心が揺さぶられた。 ミシンは主人公の商売道具であり、心の拠り所。 金魚は業。罪、罰、悔悟の象徴。 と感じた。

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