ミシンと金魚 の商品レビュー
認知症のおばあちゃんが介護され死んでいくまでの話。認知症当事者の脳内を垣間見た。決して何もかも忘れたわけではなく、人生における場面場面を思い出し、整理していた。現在の日本も高齢者が急増しているが、この物語を読む前と後では抱く印象や想いの寄せ方が大きく変わる。 最後にカケイさん(お...
認知症のおばあちゃんが介護され死んでいくまでの話。認知症当事者の脳内を垣間見た。決して何もかも忘れたわけではなく、人生における場面場面を思い出し、整理していた。現在の日本も高齢者が急増しているが、この物語を読む前と後では抱く印象や想いの寄せ方が大きく変わる。 最後にカケイさん(おばあちゃん)が思い浮かべる 「花はきれいで、今日は、死ぬ日だ」という一文には何にも形容し難い納得感があり、死に対して美しいとさえ錯覚させてしまう説得力があった。
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カケイさんの語りで始まり、カケイさんの語りで終わる。 デイサービスのみっちゃんに、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?と問われる。 そこからカケイさんの過去が語られる。 どんなに酷く、辛いことがあってもミシンを踏んで頑張ってきた。 それなのに歳をとり、認知症になったカケイ...
カケイさんの語りで始まり、カケイさんの語りで終わる。 デイサービスのみっちゃんに、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?と問われる。 そこからカケイさんの過去が語られる。 どんなに酷く、辛いことがあってもミシンを踏んで頑張ってきた。 それなのに歳をとり、認知症になったカケイさんの現状は酷い。やるせない気持ちになった。 ただ、わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある。おなし分量、かならずある。そうだと良いな。 だいちゃんとチャンスがひっぱってるリヤカ。 兄貴とみっちゃんに会えるといいね。 終わりってあっけないものなのかな。
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リアルな人の一生を読んだ感じ。 読み始めは文章が読みにくいなと感じたが、読み進めていくと話にのみこまれていくそんな感覚。
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身につまされる思い。 身近にいる母と重なる情景があり、読み進めるのが辛くなる。伝えたくても伝えられない、動きたくても動けない、思い出したくても思い出せない。過去は鮮明に思い出してしまう。 自分もそうなるのか、どんな死を迎えるのか。他人ごとではない、自分ごと。 お年寄り代弁者が語り...
身につまされる思い。 身近にいる母と重なる情景があり、読み進めるのが辛くなる。伝えたくても伝えられない、動きたくても動けない、思い出したくても思い出せない。過去は鮮明に思い出してしまう。 自分もそうなるのか、どんな死を迎えるのか。他人ごとではない、自分ごと。 お年寄り代弁者が語りかけてくる。
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高齢で認知症のカケイさんは、立ち上がるのもやっとで、聞いたこともすぐ忘れてしまう。毎日、家族やヘルパーさんなどいろんな人の介護や支援を受けている。 そんなカケイさんが突然?自分語りを始める。 記憶はとても鮮明で、彼女の一生は壮絶だった。 男たちはみんなもう退場しちゃっている。 ...
高齢で認知症のカケイさんは、立ち上がるのもやっとで、聞いたこともすぐ忘れてしまう。毎日、家族やヘルパーさんなどいろんな人の介護や支援を受けている。 そんなカケイさんが突然?自分語りを始める。 記憶はとても鮮明で、彼女の一生は壮絶だった。 男たちはみんなもう退場しちゃっている。 昔も今も、その時その時を一生懸命生きてきて、いろんな忘れられない出来事を背負ってみんな老いていく。 体も頭も老いていく。つらいけどそれが当然のこととして受け入れられる社会になるといいな。 「しゃじ」ってピンとこなくてググったらちゃんと出てきた…。
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読んでよかった本! 認知症の高齢女性が主人公で、過去も現在も直視できないものだったけど常に当人の語り口調で書かれてるのでスラスラ読めた。 幸せな時期は確かにあった、だから幸せだった?と聞かれたらつべこべ言わずに幸せだったと言ってやろう、こんな素敵な考えがあるのか! 私もこの考え方...
読んでよかった本! 認知症の高齢女性が主人公で、過去も現在も直視できないものだったけど常に当人の語り口調で書かれてるのでスラスラ読めた。 幸せな時期は確かにあった、だから幸せだった?と聞かれたらつべこべ言わずに幸せだったと言ってやろう、こんな素敵な考えがあるのか! 私もこの考え方で死んでいきたい。 そして死に際、手に花を見て、昔一緒に育った犬たちがリアカーを引いてくれて客観的に見たら孤独死でも、本人はすごく幸せな感情で死んでいったと私たちに伝えてくれるすごく優しい本でした!
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短いので数時間で読み終えた。が、なんだかものすごく胸いっぱいになった。 壮絶な人生を歩んだ認知症の女性の話。苦労ばかりの人生だが、幸せな時間が確かにあった。大事に思ってくれている家族も確かにいたのだ。 認知症の女性視点で描かれているので、子供のような幼稚さを感じるような語り口調だ...
短いので数時間で読み終えた。が、なんだかものすごく胸いっぱいになった。 壮絶な人生を歩んだ認知症の女性の話。苦労ばかりの人生だが、幸せな時間が確かにあった。大事に思ってくれている家族も確かにいたのだ。 認知症の女性視点で描かれているので、子供のような幼稚さを感じるような語り口調だが、こうまで心揺さぶられるとは。 帯にデビュー作と書いてあってびっくり。圧倒的な才能で描き切る、と書いてあったが本当にその通り。ケアマネジャーとして働きながら執筆とあり、またまた驚いた。 他の作品も読んでみたい。他の作品もあるのだろうか?
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ボケて介護サービスを利用しているカケイさんが今の状況を考えたり説明したり、その途中で過去の自分を思いだして記憶をたどったり。 なかなかに壮絶な人生のカケイさん。 忘れないように思い出して、また忘れてそして老いて老いて。そうして大事な記憶だけもって天に召されてゆくのかな。
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認知症あるあるみたいな感じかなと思い中盤まで読み進め、作者と同じ支援職としてはあるあるすぎてあまり面白くないなと思っていたのだけれど、長女の話と広瀬のばーさんの話で良い意味で裏切られた。広瀬のばーさんがパンチありすぎてカッコ良すぎて、狙いすぎだろうと逆に気に食わなくなってくるレベ...
認知症あるあるみたいな感じかなと思い中盤まで読み進め、作者と同じ支援職としてはあるあるすぎてあまり面白くないなと思っていたのだけれど、長女の話と広瀬のばーさんの話で良い意味で裏切られた。広瀬のばーさんがパンチありすぎてカッコ良すぎて、狙いすぎだろうと逆に気に食わなくなってくるレベルだ(でも好き)。最後の手形のところにやられた。終盤までは大きな出来事もないし、過去の回想が主なので、そんなに派手な話ではないのだけれど、このしみじみと切ない感じがよかった。主人公の心情描写が必要十分で、過剰じゃないところも良かった。
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受賞作品&作家さん達が推しているので、気になって読んでみたが、全然頭に入って来なかった笑笑 やはり、自分的には個人の語り口調のような作品は苦手なのかもしれない。。。 もっと、会話のあるような物語が好きなのかもしれない。。。 全然頭に入ってこなかったので、感想が全然書けていませんが...
受賞作品&作家さん達が推しているので、気になって読んでみたが、全然頭に入って来なかった笑笑 やはり、自分的には個人の語り口調のような作品は苦手なのかもしれない。。。 もっと、会話のあるような物語が好きなのかもしれない。。。 全然頭に入ってこなかったので、感想が全然書けていませんが。。。
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