流浪の月 の商品レビュー
恋人、家族、友人といった既存の枠に収まらない関係がある。しかもそれが“当人同士には確かに成立してしまう”という事実だけが先に立ち、外側の人間はそれを説明できないまま不安になる。 ″新しい人間関係の形″とは、理想的な提案というより、私たちの社会が“名前のつかない関係”を前にしたと...
恋人、家族、友人といった既存の枠に収まらない関係がある。しかもそれが“当人同士には確かに成立してしまう”という事実だけが先に立ち、外側の人間はそれを説明できないまま不安になる。 ″新しい人間関係の形″とは、理想的な提案というより、私たちの社会が“名前のつかない関係”を前にしたときにどれだけ簡単に人を裁けるか、という現実の写し鏡なのだ。 結論や救いがはっきりあるわけではないのに、聴き終えたあと、判断の癖だけが残る。
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自分の中にある普通を他人の中にある普通と同じと思い込んで、突きつける恐ろしさ、強要する恐ろしさ。自分の持つ優しさは誰かにとっては凶器にもなりうる。それらによって居場所がなくなっていく人。でも確実に存在しているということ。事実というものは解釈する人間によって形を変えるが、真実という...
自分の中にある普通を他人の中にある普通と同じと思い込んで、突きつける恐ろしさ、強要する恐ろしさ。自分の持つ優しさは誰かにとっては凶器にもなりうる。それらによって居場所がなくなっていく人。でも確実に存在しているということ。事実というものは解釈する人間によって形を変えるが、真実というものは当事者たちだけに分かる。 この様な当たり前だと思いたいことでも、人間は無意識に行動に起こしてしまい、誰かを傷つけてしまう。 本書を通して、自分の中の優しさというものを疑いたいと思った。
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世間の目や批判や憶測。真実と事実は違うのに。「普通」じゃないから、叩かれる。人は皆それぞれで「普通」じゃないのに。常識から外れた時点で叩かれて摘み上げられる。 更紗が取り調べを受けてる時が1番腹が立ってしまった。自分の想いが伝わらず他人の解釈で真実をねじ曲げられたのが許せなかった...
世間の目や批判や憶測。真実と事実は違うのに。「普通」じゃないから、叩かれる。人は皆それぞれで「普通」じゃないのに。常識から外れた時点で叩かれて摘み上げられる。 更紗が取り調べを受けてる時が1番腹が立ってしまった。自分の想いが伝わらず他人の解釈で真実をねじ曲げられたのが許せなかった。 それでも文と更紗が一緒に居てくれるのが嬉しくて泣いた。 文と更紗の名前の無い関係が壊れず、幸せでいて欲しい。
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また忘れた頃に読みたい作品。 主人公2人はお互いに過去に色々あり、今も抱えている2人。だからこそ分かり合えることもある。 犯罪をし、釈放され、大人になりその後の期間も2人とも会いたいとそれだけを思い生きる。だが、恋愛とは違う。言葉では説明できない関係。 ふたりがこれからは平凡に平...
また忘れた頃に読みたい作品。 主人公2人はお互いに過去に色々あり、今も抱えている2人。だからこそ分かり合えることもある。 犯罪をし、釈放され、大人になりその後の期間も2人とも会いたいとそれだけを思い生きる。だが、恋愛とは違う。言葉では説明できない関係。 ふたりがこれからは平凡に平和に幸せに生きて欲しいと願うばかり。
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おもしろい!馬鹿だからわかんないけど、文は結局なんの病気なの?しらべてみる。 昔は楽しかったなんて思っちゃいけない。 だって今が不幸みたいじゃないか。
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少女誘拐(?)の当事者の二人は過去に縛られ苦悩を抱えて生きづらい世の中を過ごしていく。暗くつらい内容の描写が続くが、次が気になる展開に読むのが止まらない文章力がすごい。 デジタルタトゥーの怖さが身に染みる。最後は明るく幕を閉じるのでホッとできる。
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『正欲』の種本かと思うような物語だった。 社会という顔のない巨人からの理解されなさ、変えがたい絶望の中で奇跡的に出会えた人との絆のかけがえなさ。 こういう話に弱い気がする。
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文章が丁寧でどんどん吸い込まれて、止まらなかった。 苦しくて、悲しくて、弱い自分の力ではどうにもならないツラいことばかり。だけどあの人がいるから生きていける。あの人だけがいれば他はいらない。 2人は前世から決められた運命だったに違いない。
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誰かにとっての普通は誰かにとっての普通ではない あなたの押し付ける普通が、誰かを傷付ける事にもなる 社会における多くの人がいう普通に馴染めない文と更紗がお互いの居場所を作る物語
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かつての誘拐犯・文と被害者・更紗が、時を経て再び出会う。世間が想像する関係とは違い、そこには家族愛とも恋愛とも呼べない、名前のつけられない結びつきがあった。 読む前から内容は少し知っていた。それでも、更紗の「家に置いてほしい」という願いを、文は受け入れるべきではなかったのではな...
かつての誘拐犯・文と被害者・更紗が、時を経て再び出会う。世間が想像する関係とは違い、そこには家族愛とも恋愛とも呼べない、名前のつけられない結びつきがあった。 読む前から内容は少し知っていた。それでも、更紗の「家に置いてほしい」という願いを、文は受け入れるべきではなかったのではないかと、読みながら何度も立ち止まった。文は「きちんとした人」でありながら、自分自身の病気に苦しみ続けている。その背景を思うと、あの選択もまた簡単には割り切れないものに感じられた。 15年後の物語では、文、更紗、亮それぞれが抱える歪みの背景に、幼少期の母親との関係が浮かび上がってくる。母親との関係性が、その後の人格形成に少なからず影響を及ぼしていると思うと、簡単に善悪では語れなくなる。 そして、世の中にある「事実」と「真実」は違うのだと改めて感じ、常識のズレや人との距離の取り方についても深く考えた。 デジタルタトゥーや性的被害、DV、歪んだ子育てといった現代的な問題を背負いながらも、それでも自由を求めて生きようとする二人の姿に、そっと寄り添いたくなった。 読み終えて、なんとも言えない余韻が残る。 それでも、この本に出会えて良かったと思える一冊だった。
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