ブラックサマーの殺人 の商品レビュー
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『ストーンサークルの殺人』に続く、ワシントン・ポーシリーズ第2弾。 あらすじ 6年前ポーが逮捕したカリスマシェフ、ジャレド・キートン。彼は娘を殺害した容疑がかけられ、服役している。そしてサイコパス。ところが、娘が地元に現れた。何者かに監禁されていたと証言したのだ。ジャレドは釈放される予定。また、前作でポーに恥をかかされたウォードル主任警部は張り切ってポーを捜査する。ところが肝心の娘は証言後、姿をくらませた。さら、病理学者エステル・ドイル(セクシーで優秀、変わり者)は、保護された娘から娘の血液からトリュフの成分があることを教えてくれた。監禁されているものが高級食材トリュフを食べるわけがない。不審な点がある。 ところで、ポーはハードウィック・クラフトという所に住んでいる。元の持ち主は隣人で、農場主のトマス・ヒューム。事故で亡くなってしまった。ちなみに本作で、ポーの育ての父はヒッピーだと思われていたが、数軒の店舗を所有している実業家であることがわかる。 ポーが罪に問われそうだが、相棒で分析官ブラッドショーも立ち上がる。彼女はコンピューターのプロでプロファイリングがトップクラス。行方不明になった実の娘の元彼(元落下傘部隊)が、娘とお揃いのタトゥーを入れていたことを言う。保護された娘にはなく、やはりこの娘は偽物だということがわかる。ジャレドの刑務所での様子を見てみると、別の囚人(会計士)の所に入ってから機嫌がよくなり出した。この会計士の娘を、亡くなった娘に仕立て上げていたのだった。そして結末・・・やはり実の娘は殺害されていた。その前には妻も事故と見せかけて殺害されていた。ミシュランの星のために。他には、トリュフを売り込みにきた地元男性も。発見された娘と、6年前の殺害現場にあった血液が一致したのは、刑務所勤務の医者の犯行ね。彼女が偽物の娘の腕に細工をして、当時ジャレドが保管していた血液を検体に回したのだった。 感想。面白かったー。今回は追い詰められるポーの立場にヒヤヒヤした。本当にポーはミスをしちゃったのかなあと息がつまる出だしであった。しかし保護された娘が行方をくらますところから、俄然怪しさが出てきて、安心して読めた。今回印象に残ったのは、ポーの我が家での暮らし。自然豊かで癒やされる。前作から、移動がバギー?とか四駆?とか書かれていたけれども、そのままの自然と言うか、不便でもそこで暮らしている人の様子が分かって面白かった。ポーが事件の捜査の合間に、自家発電の部品交換とか、家でのメンテナンスをしているのも面白い。また住んでいる所が自然保護地区になるというのも海外ミステリーっぽくて面白かった。次作ではお父さんのことも関係してくるのかな。楽しみ。
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結構厚みがあります、600ページ弱。 〝もはやこれ詰みじゃね?〟という絶望的な状況から始まり、冤罪事件の再捜査の行方が気になり、テンポ良く展開していくので苦じゃなかったです。 犯人は誰かよりどうやって真相にたどり着いていくかを楽しむ系
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《すきなところ》 ・前作よりも警察小説よりになった。けれどポーの推理、推察も良いところで冴え渡っている。良い案配。 ・無駄のない展開。無駄な登場人物も中弛みもない。 《気になる》 ・ポーの父親は一体何者なのか ・フリンとゾーイのことは今後何か物語に関わってくるのか ・エステル・ドイルの役割は?(好きなキャラクターなので恋人はヴィクトリアよりドイル希望) ありふれたテーマとシンプルなトリックなのに最後まで読んでいて楽しい。本当に素晴らしい筆致で構築された作品だと思う。
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第二弾も面白かった〜♪( ´▽`) 今回の敵はナルシストのサイコパス‼︎ サイコパスの職業ベスト10も気になる_φ(・_・ 「ポー、大変なことになった」何回言われたか笑 今回もずーっと大変です。 ポー&ブラッドショーそしてフリン 前回からさらに抜群のチームワークになっ...
第二弾も面白かった〜♪( ´▽`) 今回の敵はナルシストのサイコパス‼︎ サイコパスの職業ベスト10も気になる_φ(・_・ 「ポー、大変なことになった」何回言われたか笑 今回もずーっと大変です。 ポー&ブラッドショーそしてフリン 前回からさらに抜群のチームワークになってます‼︎ さて…次回作はいつですか? 早く出してください‼︎ あっ!もう出てました! 早く読まねばΣ(゚д゚lll)
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前作よりはまとめ方がスマート。展開も最初の血液の所はくどかったけど、その後はスピーディで良かった。 季節が夏なのかよくわからなかったけど、暴風雨ウェンディが来てるのはわかった。 ブラックサマーなるトリュフ、食べてみたいね。 最後、また引っ張られたので続編も読まねば。 装丁が可愛く...
前作よりはまとめ方がスマート。展開も最初の血液の所はくどかったけど、その後はスピーディで良かった。 季節が夏なのかよくわからなかったけど、暴風雨ウェンディが来てるのはわかった。 ブラックサマーなるトリュフ、食べてみたいね。 最後、また引っ張られたので続編も読まねば。 装丁が可愛くてヨシ。
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ワシントン・ポーシリーズ第二作。 過去に逮捕した殺人犯に冤罪の疑いが突然持ち上がる。 登場人物が前作から引き継がれているせいもあり、展開が前作よりもスムーズ。 短い章をつなげる構成で物語がテンポよく進む。 ブラッドショーの途中からの登場は、いかにも満を持した感じでいい。 ...
ワシントン・ポーシリーズ第二作。 過去に逮捕した殺人犯に冤罪の疑いが突然持ち上がる。 登場人物が前作から引き継がれているせいもあり、展開が前作よりもスムーズ。 短い章をつなげる構成で物語がテンポよく進む。 ブラッドショーの途中からの登場は、いかにも満を持した感じでいい。 最後のどんでん返しは不可能な謎の解明と繋がっていて、なるほどと思わせる。
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「ワシントン・ポー」シリーズの二作目である、本書を読んでいく内に、前作のことも思い出してきた。 前作はターゲットの一人とされていたポーが、今度は殺人容疑の危機に曝され、オープニングで、既に万事休すかと思わせる後々のシーンを入れているのも、作者からしたら、この後の内容に自信のある...
「ワシントン・ポー」シリーズの二作目である、本書を読んでいく内に、前作のことも思い出してきた。 前作はターゲットの一人とされていたポーが、今度は殺人容疑の危機に曝され、オープニングで、既に万事休すかと思わせる後々のシーンを入れているのも、作者からしたら、この後の内容に自信のある表れなのだろう。 実際に最後まで読んでみたら、本書も真相を巡り、二転三転する面白い展開で、科学捜査のやや専門的な知識もあるが、後半に行くほど、先が気になるような、手に汗握る展開なのは間違いないと思います。 ただ、前作と比較して、ポーやブラッドショーのパーソナルな物語が少なく感じたのは残念だったが、それだけ、事件に集中しなければいけなかったのと、彼らのコンビぶりが、前作から大きく成長しているとも捉えられるので、これはまた、今後の楽しみということにしておこう。 とは言いつつも、ブラッドショーの何気ない真面目なひと言が、このシリーズの一服の清涼剤になっていることは、相変わらず健在で、ほっとする。 ひとつ欲を言うと、犯人の真相を知りたかったのだが・・・今回のケースも、私には理解不能で、専門家に教えてもらうしかなさそうだが、そんな中にあっても、今回のポーは(私の中では)、すごく冷静に落ち着いて見えたのが驚きだった。 前作は、かなり必死で、無茶していたように思ったんだけどね。 そう、ワシントン・ポーは、本書から読んだ人でも実感できるように、常人では想定しづらいような辛苦の重石を背負いこんで、人生を生きている。 特に、彼の母親の事実に関しては、私もどうしていいか分からないくらい、怒り狂いたくなる心境に駆られる。 そんな時、ふと、病理学者の「エステル・ドイル(ドイルの名はいかにも・・)」のポーに対する言葉を思い出した。 『あんたは永遠の落ちこぼれってこと。それがあんたをかき立て、ほかの人がやらないようなことをやる力になっている』 私も、過去に似たようなことを他人から言われたことがある。 ただ、この台詞から推察されるのは、落ちこぼれという言葉が、必ずしも悪い意味ではないということ。 要するに、ワシントン・ポーが、これからも自分の生きたいように人生を歩み続けてくれれば、それだけ、私を含めた、落ちこぼれと感じている人々も、声高く、堂々と人生を歩んでいけるのではないか、ということ。 ちなみに、三作目の「キュレーターの殺人(仮)」の邦訳も決定したそうなので、また、ポーやブラッドショーに会えることを夢見つつ、楽しみに待とう。
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前作で久しぶりにおもしろい海外ミステリーに出会えたことが嬉しく、続けて2作目に突入。 テンポの良さは前回と変わらず、 自然とこちらの読む速度まで上がった。 ただ、今回の謎の部分は…うーん。。 かなり猟奇的な殺人で気持ちが悪かったし、 最後バタバタと都合よく終わり過ぎたような印象。 次作はティリーがもっと活躍しますように。
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前作「ストーンサークルの殺人」でドハマリしたワシントン・ポーシリーズ第2作。 本作も期待を裏切らない内容でした。 かつてポーが刑務所送りにしたのはカリスマシェフのジャレド・キートン。 彼は実の娘を殺害したとしてポーに刑務所送りにされたサイコパス野郎です。 逮捕から6年、そこに現れたのは殺されたはずの娘。 知らない男に誘拐され監禁されていたと言い、血液検査から得たDNA判定にてキートンの娘であることが証明されます。 その結果、冤罪として釈放されることになるキートン。 その後行方をくらます娘、そしてポーの車からはその娘の血痕が発見され、ポーは一転容疑者となってしまう。 キートンがサイコパスだと疑わないポーは前作でW主演として活躍したバディのティリー、上司にあたるフリンと共同し事件の謎に挑みます。 残されたタイムリミットは僅か、果たしてポーはDNAの謎を解き、キートンの犯した罪を証明出来るのか‼︎ って、もちろんラストでは出来ちゃうんですが、巻頭のポーが警察に捕まるシーン、そして時間が戻り本編のクライマックスが近づいてきた後半に全く同じシーンが再登場してきますが、思わず身震いしちゃいそうなぐらいウマイって思わされちゃいました。 そして最終章、そこで登場したのはポーの父親。 さてさて、シリーズ第3作でどんな展開が待ち受けているのやら。 本作では前作ほど目立たなかったティリーの活躍、期待しちゃいますよね。 登場人物の名前の付け方に茶目っ気を感じますが、著者であるM・W・クレイヴン、間違いなく本物です☆ 説明 英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー受賞作『ストーンサークルの殺人』につづく 〈ワシントン・ポー〉シリーズ第二作 ついに登場! カリスマシェフは冤罪か。それとも殺人鬼かーー? 刑事ポー、絶体絶命! かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。 彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した! キートンは無実なのか? あらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。強烈な展開が読者を驚倒させる、英国ミステリ・シリーズの第二作。解説/三橋曉
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ワシントン・ポーのシリーズ第二弾。 過去に「実の娘を殺害した」として彼が逮捕したカリスマシェフ、ジャレドキートン。だが6年後にその娘が生きて姿を現した。冤罪を起こしたとして追いつめられるポー。 序盤のあらすじが、なんというかわかりやすく惹きつけられる。結構コテコテのミステリって感じでとても好みです。「あー、あの伏線がここで来るのかー」とニコニコしながら読みました。最近の海外ミステリは好みのものが多くて嬉しいです。社会情勢だのなんだのを盛り込んで「考えさせられる」とかそういうのいらないんだよ。ベタでストレートなミステリが読みたんだよ、と。 ただDNA検査ごまかした手法は・・・なんか無茶じゃね?と思ったら史実なんですね。後で調べてみた。なんかピンとこないけど・・・ホントに可能なのか?まあ、採血した人物がグルであれば・・・・うーん。。
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