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線は、僕を描く の商品レビュー

4.2

228件のお客様レビュー

  1. 5つ

    89

  2. 4つ

    76

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2024/11/17

水墨画の話でしたが、これほど興味がない題材で面白く読めたのはこの作品だからかもしれない。 経験もない素人が水墨画の才能を見いだされ、苦悩葛藤しながらも、丁寧に基礎を重ねることで成長していくものがたり。 登場人物の性格や考え方、気持ちの裏側を描くのがとても興味を惹かれました。 個...

水墨画の話でしたが、これほど興味がない題材で面白く読めたのはこの作品だからかもしれない。 経験もない素人が水墨画の才能を見いだされ、苦悩葛藤しながらも、丁寧に基礎を重ねることで成長していくものがたり。 登場人物の性格や考え方、気持ちの裏側を描くのがとても興味を惹かれました。 個人的に面白かったのはやはり主人公の人と関わりを避けていた故に身に付けた常人にはない超感覚。 視力を失った人間の聴力や嗅覚が常人のそれよりも優れたものになるのと同じことが起きているのを物語で感じられるゾワゾワ感が凄い。

Posted byブクログ

2024/11/03

 水墨画を通した人のドラマが書かれていました。こういうジャンルは個人的にツボなので、高評価なのかもしれませんが、最初から最後まで心にくるものがあり、読み終えた後に、また明日からも自分の人生を頑張って、誠実に生きようと思えます。良い作品です。感謝。

Posted byブクログ

2024/10/31

言葉にできないようなあやふやで繊細な心の様子をうまく表現している。 水墨画はよく分からないけど、一本の線を通して心の内側が、言葉より良く相手に伝わる描写にはとても感動した。 主人公は先生から褒められるものの、褒められる絵を描こうとするのではなく、ひたむきに絵と自分の心と向き合い続...

言葉にできないようなあやふやで繊細な心の様子をうまく表現している。 水墨画はよく分からないけど、一本の線を通して心の内側が、言葉より良く相手に伝わる描写にはとても感動した。 主人公は先生から褒められるものの、褒められる絵を描こうとするのではなく、ひたむきに絵と自分の心と向き合い続けるところがすごいと思う。 自分だったら褒められたいと思い、褒められるようなお手本に似せた絵を描きたくなると思う。 周りにある素晴らしいものに気づける心、そして他の人の想いや幸福によって自分の心も満たしていける心を持てるよう生きていきたいと思った。

Posted byブクログ

2024/10/30

漫画「ピアノの森」を読んだ時、音の世界を画と文字で伝えられるってすごいと思い、蜜蜂と遠雷を読んだ時、今度は文字だけで音を伝えるのかと驚いた。 今度は、水墨画の世界を文字だけで伝えている、伝わってくる。 モノトーンで、強さも儚さも動きも一瞬で決まってしまう、後戻りのできない絵画。...

漫画「ピアノの森」を読んだ時、音の世界を画と文字で伝えられるってすごいと思い、蜜蜂と遠雷を読んだ時、今度は文字だけで音を伝えるのかと驚いた。 今度は、水墨画の世界を文字だけで伝えている、伝わってくる。 モノトーンで、強さも儚さも動きも一瞬で決まってしまう、後戻りのできない絵画。 そんな世界があって、そこに情熱をかける人たちがいる。 お話は、再生とそれを包み込むやさしいものでした。

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2024/10/07

2024年、150冊目 臨場感あふれる表現が秀逸。 まさにそこで見ているような書きっぷりだった。 水墨画に興味を持たせる良作、映画も気になる。

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2024/10/06

映画を先に観て静粛の使い方が絶妙だったので原作を読みたくなりました。 水墨画を描くシーンを文字だけでどのように想像させるのか興味がありましたが臨場感のあるすばらしい描き方でした。 当然ながら各登場人物がより深掘りされていて背景が良くわかりました。ただし、静粛の裏返しでラストに向け...

映画を先に観て静粛の使い方が絶妙だったので原作を読みたくなりました。 水墨画を描くシーンを文字だけでどのように想像させるのか興味がありましたが臨場感のあるすばらしい描き方でした。 当然ながら各登場人物がより深掘りされていて背景が良くわかりました。ただし、静粛の裏返しでラストに向けて盛り上がりは控えめです。

Posted byブクログ

2024/10/05

水墨画ってそんなにいきなり描ける?と思いながらも気持ちよく読了。もう少し挫折も欲しい所ではあるけど、その辺りは続編の「一線の湖」に期待。千瑛のイメージは完全に今田美桜だね。

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2024/10/01

綺麗。そして多幸感。 ここまで綺麗な小説に出逢った事がなかった。物語の構成、言葉選び、登場人物の言葉、登場人物の心(解説にもあるが、とくに主人公の素直さ)のすべてが、緻密で、繊細で、意地の悪さが取り払われた、一切の濁りを含まない清水のような小説だった。 読んでいて常に心地が良...

綺麗。そして多幸感。 ここまで綺麗な小説に出逢った事がなかった。物語の構成、言葉選び、登場人物の言葉、登場人物の心(解説にもあるが、とくに主人公の素直さ)のすべてが、緻密で、繊細で、意地の悪さが取り払われた、一切の濁りを含まない清水のような小説だった。 読んでいて常に心地が良く、ここまで快いものを描ける著者の技量と精神に脱帽した。 私自身は、自分の生を全うすることをどうでもいい(あるいは辞めたい、止めたい)と思いはじめたときのことを思い出すと、「真っ白」というよりかは、どちらかと言えば出口の光が見えない「真っ黒」な空間にいる感覚がした。たぶん、大事なものを失って目の前が白紙になるというのと、他人の悪意や自分の過ちによって先の人生が見えず真っ暗になるというのは絶望の種類が違うんだろうなと想像する。ゆえに、両親を亡くして心が真っ白な部屋に閉ざされてしまった主人公が、どんな感覚の痛みを身体に抱え、もがき、克服していったかについては想像してもし尽くせないし、すべて共感できたかといえば嘘になる。しかし「命」について粘り強く向き合い、他人と、そして自分が「命を生きること」(=生命)の意味を理解していく主人公によって綴られる言葉、また、そんな主人公へ惜しみ無く与えられる湖山先生の教えの一言ひと言は、「人生に疲れている」私の胸にも深く突き刺さり、読むたびにボロボロぼろぼろと涙が止まらなかった。 命とか人生を語るにはあまりにも綺麗過ぎて、きっとこれが全てではないだろうと捻くれた感情も抱きつつ、(それは私が捻くれた人間なせいであって、この作品のせいではない)こんなにも心地良い他者の著作を読む事ができて、幸せだと思った。作者に心から感謝したい。

Posted byブクログ

2024/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「勇気がないと線なんて引けない。一筆だって間違っちゃいけない場所に、勇気を持って挑んでいくのが水墨画」 たった一筆を表現する言葉のなんと緻密なことよ。目の前で描かれていくような、緊張感と臨場感。本来目で楽しむ水墨画の魅力が文字でいきいきと余す所なく描かれていて、書道を始めたい私には、同様の世界観にワクワクが止まらなかった。 映画の方も是非見てみたい。

Posted byブクログ

2024/09/19

第6回ビブリオバトル全国大会inいこまオンライン予選会4で発表された本です。 https://www.youtube.com/watch?v=UDHFwzeI8_I 2021.2.21

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