ある男 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再婚した夫が急逝したことも衝撃だったが、戸籍交換して別人になってたのはもっと衝撃だった。 小説としては、ハラハラする展開でとても読み応えのあるものだった。 他の人になりすまして生きる理由はよくわからんが… せっかく幸せな人生を手に入れたのだから、その人生を全うしてほしかった。
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哲学的な話が多く、読みづらさはあった。 ただ内容は面白い。 城戸の達観とした性格は羨ましさもあるし、生きづらそうだなとも思う。
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ある男が最後の最後に幸福な人生を生きることができて良かった、と読了後心の底から思った。男の人生そのものをあたたかく美しく描かれていて栄養になった。 ナルキッソスの神話を絡めていたのも魅了されたし、死刑囚の絵画などこの一冊を通して新たに興味を惹かれるものに出会えた。
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人物像を深く掘り下げ、一見無関係なエピソードたちに想像力を掻き立てられる。見逃しがちな日々の感覚がこれでもかというほど書き込まれていて、気づくとそれに共感せざるを得ない状態だった。どっぷりはまっていくのが楽しくもあり、苦しくもあった。
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何とも言えない難しい本だったな。 生まれてくる場所や環境、それによって生じる境遇は選択の余地なく、パーソナルルーツとして刻み込まれ、自身から離れることはない。人生をやり直そうとしたら『(自分で)死ぬ』か『(自分を)殺すか』のいずれか。この作品からは、その選択肢をも越えた生き方に人...
何とも言えない難しい本だったな。 生まれてくる場所や環境、それによって生じる境遇は選択の余地なく、パーソナルルーツとして刻み込まれ、自身から離れることはない。人生をやり直そうとしたら『(自分で)死ぬ』か『(自分を)殺すか』のいずれか。この作品からは、その選択肢をも越えた生き方に人間の生への執念を感じた。幸い私は日本という国で、小さな悩みをちょこちょここなしながら、何の苦労もなくここまで生きてきた。誰かの人生と比較しながら暮らすのはストレスだとは理解しているものの、きっと自分の境遇は恵まれていて、他と比較しても優位な立場にあると感じているからこその、この何とも言い難い読後感なのかも知れない。この感覚に幾許かの羞恥を感じる。
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ルーツを知ることが、幸せなのか? 今を生きることが、幸せなのか? 幸せとは、なにか? ズーーーンと考えさせられる本だと 思った。 誰かの人生を生きることで、 自分の人生に向き合える。 そうゆう新鮮な視点を得られた1冊。
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映像化されて話題だったので手に取った。 題材は面白かったけど、文章が読みづらくて好みは分かれそう。 朝鮮人の話も、遺伝子や人種がその人そのものになるのか、という意味で必要なんだろうけど、なんかくどかった。
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数奇?な人生を送った男についての物語。その男目線ではなく、その男を追った主人公の視点で語られ、自分の姿と重ねながら自分の運命を考えていく。 自分を自分たらしめるものは何なのか、過去があるからその人を愛せるのか、、考えさせられる本でした。
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★★★★☆映画を見ていますのであらすじは分かっていました。映画が面白くて原作も読みたくなりました。映像からでは分からなかった登場人物の微妙な感情や気持ちがよくわかりました。映画を思い出しながら読み進められて面白かったです。
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初めて読んだ平野啓一郎作品。 とっっても良かった、、! 文学的言い回しがとても美しく品があり、二十歳の私には少し難しい、大人の貫禄もあった。 『愛にとって、過去とは何だろうか。』 その過去の重みによって変わる、自分にとっての相手の過去の許容範囲は、むしろ反比例なのかもしれな...
初めて読んだ平野啓一郎作品。 とっっても良かった、、! 文学的言い回しがとても美しく品があり、二十歳の私には少し難しい、大人の貫禄もあった。 『愛にとって、過去とは何だろうか。』 その過去の重みによって変わる、自分にとっての相手の過去の許容範囲は、むしろ反比例なのかもしれない。 些細な過去では却って拒絶反応が出てしまうような事でも、とても大きく、その人の人生に大きく関わってくるようなものであればある程、支えてあげたいと思ってしまうのではないか。というのが私の正直な答えかな。 要所要所で、平野作品への伏線回収や伏線と言われるようなものがちらほらと見え、一貫した平野啓一郎の社会や、愛に対しての向き合い方が垣間見えた気がする。 正直、今の私にはなかなか理解の及ばぬ、難しい箇所もあって、文学的言い回しにもピンとこない場所もあったけど、家庭を持ち自らも同じ立場になった時、再び読んでみたいと感じさせる作品だった。 春の優しい日に読了したことが、尚更優しい気持ちにさせたのかな(´-`).。o♡
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