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ある男 の商品レビュー

3.8

525件のお客様レビュー

  1. 5つ

    108

  2. 4つ

    205

  3. 3つ

    152

  4. 2つ

    24

  5. 1つ

    8

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2024/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年本屋大賞ノミネート作品(5位) これまでに読んだ平野啓一郎作品の中で一番面白かった。 妻が先に映画を見て褒めてたので、先に小説を読み、あまりに面白かったので、間5分で映画を見始めて今観終えた。 消したいけど消せない過去は、新しく塗りつぶすしかない、という動機で行われる戸籍交換。戸籍制度がない国だと、もっと簡単に(違法仲介者無しに)人生をやり直せるのだろうか? 「人殺しの子」と言われることの辛さや、「自分もそうなってしまうのではないか」、という恐怖は、想像は出来ても、おそらく本人にしかわからない感情だろうが、平野啓一郎の筆にかかれば、そうでもないのか?と思ってしまう。 美涼と城戸がうまく行きそうでそうならないのは、木戸の社会的地位故か。 (この辺りの木戸の葛藤を映画では追加のラストシーンで仄めかしがあって、これはこれでよいエンディングだった。映画の方の感想となるが。) 原誠の最後の4年弱が幸福に満ちたものだった事実そのものが大きな救いだ。

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2024/08/31

海外の本屋で見つけて小生初、平野啓一郎さん。今は芥川賞の選考委員をされているんですね。死刑についてとか戸籍の話など、法学部卒業生を惹きつける内容ですね。

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2024/08/19

映画を観て原作も読みたくなったので、読んでみた。 正直、登場人物たちに感情移入できる部分が少ないというのが本音。 (気持ちは分かるが、そこまでするか…?) ただ、その人の過去はどうでもいいと言えばどうでもいいし、どうでも良くないと言えばどうでも良くない。。。こういうことを考えさ...

映画を観て原作も読みたくなったので、読んでみた。 正直、登場人物たちに感情移入できる部分が少ないというのが本音。 (気持ちは分かるが、そこまでするか…?) ただ、その人の過去はどうでもいいと言えばどうでもいいし、どうでも良くないと言えばどうでも良くない。。。こういうことを考えさせられた一冊で、読んだことのない人は、一度読んでみることをお勧めします!

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2024/08/12

名前と人生を別人として生きたある男の物語。 ある男の正体を解明するように話が進み、探偵小説みたいで読みやすかったにも関わらず、「愛とは人生とは」「何がその人をその人たらしめるのか」といった哲学的な問題を考えさせられる物語で非常に面白かった。

Posted byブクログ

2024/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再婚した夫が急逝したことも衝撃だったが、戸籍交換して別人になってたのはもっと衝撃だった。 小説としては、ハラハラする展開でとても読み応えのあるものだった。 他の人になりすまして生きる理由はよくわからんが… せっかく幸せな人生を手に入れたのだから、その人生を全うしてほしかった。

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2024/08/12

哲学的な話が多く、読みづらさはあった。 ただ内容は面白い。 城戸の達観とした性格は羨ましさもあるし、生きづらそうだなとも思う。

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2024/08/12

ある男が最後の最後に幸福な人生を生きることができて良かった、と読了後心の底から思った。男の人生そのものをあたたかく美しく描かれていて栄養になった。 ナルキッソスの神話を絡めていたのも魅了されたし、死刑囚の絵画などこの一冊を通して新たに興味を惹かれるものに出会えた。

Posted byブクログ

2024/08/10

人物像を深く掘り下げ、一見無関係なエピソードたちに想像力を掻き立てられる。見逃しがちな日々の感覚がこれでもかというほど書き込まれていて、気づくとそれに共感せざるを得ない状態だった。どっぷりはまっていくのが楽しくもあり、苦しくもあった。

Posted byブクログ

2024/08/10

何とも言えない難しい本だったな。 生まれてくる場所や環境、それによって生じる境遇は選択の余地なく、パーソナルルーツとして刻み込まれ、自身から離れることはない。人生をやり直そうとしたら『(自分で)死ぬ』か『(自分を)殺すか』のいずれか。この作品からは、その選択肢をも越えた生き方に人...

何とも言えない難しい本だったな。 生まれてくる場所や環境、それによって生じる境遇は選択の余地なく、パーソナルルーツとして刻み込まれ、自身から離れることはない。人生をやり直そうとしたら『(自分で)死ぬ』か『(自分を)殺すか』のいずれか。この作品からは、その選択肢をも越えた生き方に人間の生への執念を感じた。幸い私は日本という国で、小さな悩みをちょこちょここなしながら、何の苦労もなくここまで生きてきた。誰かの人生と比較しながら暮らすのはストレスだとは理解しているものの、きっと自分の境遇は恵まれていて、他と比較しても優位な立場にあると感じているからこその、この何とも言い難い読後感なのかも知れない。この感覚に幾許かの羞恥を感じる。

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2024/07/30

ルーツを知ることが、幸せなのか? 今を生きることが、幸せなのか? 幸せとは、なにか? ズーーーンと考えさせられる本だと 思った。 誰かの人生を生きることで、 自分の人生に向き合える。 そうゆう新鮮な視点を得られた1冊。

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