ある男 の商品レビュー
1つの作品の中にこんなに数々の社会問題が詰め込まれた考えさせられる内容。 過去は変えられないが戸籍を変えることで違う人の人生を生きる、、が、根本は変えられないというのも奥深い。ただ、過去を知っていたらそれでも愛せるのか?と自分に置き換えてみるとなんとも複雑な気持ちになるのもまたし...
1つの作品の中にこんなに数々の社会問題が詰め込まれた考えさせられる内容。 過去は変えられないが戸籍を変えることで違う人の人生を生きる、、が、根本は変えられないというのも奥深い。ただ、過去を知っていたらそれでも愛せるのか?と自分に置き換えてみるとなんとも複雑な気持ちになるのもまたしかり。 本当に奥深い、ただ実際社会にはこういった様々な問題があるのも事実。 とても考えさせられる内容でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
期待していたより普通の展開でちょっとがっかり。 「寧ろ」という漢字が何度も使われていたのがなんだか印象に残った。 なぜ主人公が、在日であるものの、特段差別を受けて育ったわけではないのに、ある男の身の上にそんなに惹かれたのか、ちょっと共感しにくかった。
Posted by
理枝は息子を失い、離婚そして父の死を経験していた。 実家に帰り家業を手伝っているとある平凡そうな男と出会い、共感し合い、結婚し子供にも恵まれ、再び彼女の下に幸せが訪れるのだが、ある日突然夫が事故で命を落とす。 悲しみに暮れる中、その夫が『別人』であった事を知らされる!? 別人...
理枝は息子を失い、離婚そして父の死を経験していた。 実家に帰り家業を手伝っているとある平凡そうな男と出会い、共感し合い、結婚し子供にも恵まれ、再び彼女の下に幸せが訪れるのだが、ある日突然夫が事故で命を落とす。 悲しみに暮れる中、その夫が『別人』であった事を知らされる!? 別人とはどういう事なのか? 幸せな日々は幻だったのか? 夫とは一体誰だったのか? ある男の人生を逆から追っていく物語 読み手は一気に物語に引き込まれてしまいます。
Posted by
平野啓一郎氏の小説は「マチネの終わりに」に続きまだ2冊目ですが、現在に繋がる過去について、過去が変わると現在やそれに繋がる未来は変えられるのかと言った主題が今回も根底にあると思った。 最終的には「愛に過去は必要なのだろうか?」と読者に語りかける形で締めくくられている。 別人になっ...
平野啓一郎氏の小説は「マチネの終わりに」に続きまだ2冊目ですが、現在に繋がる過去について、過去が変わると現在やそれに繋がる未来は変えられるのかと言った主題が今回も根底にあると思った。 最終的には「愛に過去は必要なのだろうか?」と読者に語りかける形で締めくくられている。 別人になってまで過去を変えたい人、それを知らずに関わる人。過去を変えなければ本当に幸せにはなれなかったのか、本当の過去を知ってたら愛せたかどうか、少なくとも知らない時は確かに幸せだった、でも。。など答えはないが、自分ならどうかと考えさせられた。 主人公の息子が父の死やその過去を知って成長していく姿には心を打たれたし、弁護士の城戸が「在日」である事など現在日本が抱える社会問題についても考えるきっかけになったのも良い。 「ある男」に関わった城戸やその家族、本物の谷口大佑や美涼など登場人物の人間模様や心情の表現も巧みで、未来がどうなっていくのだろうと、想像させるところもまたとても面白いと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
登場人物が魅力的だった。城戸先生も、美玲さんも、原誠も、みんなこの人と話してみたいって思わせるような味わいを持っていた。 原誠が父親みたいに、最後まで誰かを傷つけることがなくて良かった。 人間は本来は多面的である。
Posted by
率直な感想としては、感動しました。 今まで読んできた平野啓一郎作品のなかで、1番の感動作だと思います。この作品は、様々な社会問題を軸に描かれていて、「戸籍問題」「夫婦問題」「差別問題」「家族問題」等、そのどれもが一般社会の誰もが経験する深刻な問題であって、どう乗り越えていくか、ど...
率直な感想としては、感動しました。 今まで読んできた平野啓一郎作品のなかで、1番の感動作だと思います。この作品は、様々な社会問題を軸に描かれていて、「戸籍問題」「夫婦問題」「差別問題」「家族問題」等、そのどれもが一般社会の誰もが経験する深刻な問題であって、どう乗り越えていくか、どう立ち向かうのか、その葛藤がこの作品を通して、読者に訴えているような気がします。是非読んで考えてみてください。
Posted by
相手を信頼してる自分がいればそれでいいんだ、と思いたい。みんな言わないだけで、いろんなことを抱えてるんだし。 真の悲観主義者は明るい!にものすごく共感。真ではなく、たいていは悲観的風だからこそ、卑下してよりよいものもの求めてしまうのかも。
Posted by
【愛したはずの夫は、まったくの別人だった――】弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から「ある男」についての奇妙な相談を受ける。人間存在の根源に迫る、読売文学賞受賞作!
Posted by