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ある男 の商品レビュー

3.8

525件のお客様レビュー

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    108

  2. 4つ

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  3. 3つ

    152

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あらすじに惹かれて読んでみたけど、色んな人の過去、立場、社会問題が複雑に絡み合ってて理解しながら読み進めるのに時間がかかってしまった...。 自分の身内が「〇〇人はろくでもない」「あの学校の子は不良しかいない」みたいな言い方をよくする人だったので、城戸さんのカテゴリ化する/されるのが嫌って考え方は共感したし印象に残った。 大きな属性だけでひと括りにしてここに所属してる人はこう!みたいなのって結構ありふれてるけど、ダイレクトに差別に繋がる考え方だしなるべくしないようにしたいな...結局人なんて一人一人違う生き物なので (よくTwitterで嫌われてる「主語がデカい」に通じる話かも) 自分に罪は無いのに殺人犯の息子として後ろ指指される人生、苦しすぎる。 彼を知る人の話からは良い人だったのが伝わってくるし、最後の数年が幸せそうで本当に良かった...。もし事故で亡くなってなければ、いつか自分の過去を告白して"原誠"として愛される未来もあったのかな〜原誠視点の描写は無かったから本人の考えは分からないし、墓まで持っていくつもりだったのかもしれないけど。 結局愛に過去は関係無くて、出会ってから何を積み重ねてきたかだと感じた。もし自分が愛する人の過去が他人のものだったとして、これまで過ごした時間は消えないし一緒に未来を歩んでいければいいんじゃないかな〜と思う。 重いし難しいし文体が自分の好みじゃない部分はあったけど、内容を咀嚼しながら読み進めるのが面白い一冊でした。

Posted byブクログ

2024/09/17
  • ネタバレ

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「ただ忘れようとしても、忘れられないですよ。嫌な過去がある人は。だから、他人の過去で上書きするんですよ。消せないなら、わからなくなるまで、上から書くんです。」 平野さんの『私とは何か』を読んで、辛く苦しい状態も、自分を構成するたくさんの分人の一つが経験しているものにすぎない、と捉える分人主義的思想を知った。 ただ、その「辛く苦しい状態」が本人の存在を揺るがすほど大きなものであった場合、分人の一つどころか土台となってしまい、その後生じる新たな分人はどうあってもその影響を免れない。そこで必要になるのが、その土台を上書きできる別の人生、ということになる。上書きに利用できるような別の人生は当然、同様の重い過去を伴うが、その捉え方は千差万別、折り合いがつくものを得たところで落ち着くのだろう。しかし、引き受けた他人の過去を細部に至るまで慎重に反芻し言動に反映するその後の人生は、ともすれば浮き上がる自分自身の過去を必死に削いでは繕う、という作業の反復に思え、やるせない。

Posted byブクログ

2024/09/16

差別や犯罪、社会について考えさせられるお話でした。ストーリー自体も面白く、登場人物の考えや行動がリアルで読み応えがありました。

Posted byブクログ

2024/09/10

自分自身の対人コミュニケーションにおける考え方の根幹に影響を与えそうな面白い小説でした。 映画もNetflixで配信しているようなので、どのような描かれ方をしているのか観るのが楽しみです。

Posted byブクログ

2024/09/08

ストーリーに必要?と思う登場人物がいて、話をややこしくしているイメージ 歳のせいか登場人物が大人多い作品が苦手 一度メモりながら読んでみようかな

Posted byブクログ

2024/09/06

平野啓一郎は私には合わないと察した 内容も面白さと単調さがあって読み進むのも時間を要しました 好きな人は好きな表現なんかなぁ。 映画を見てみようかと思います

Posted byブクログ

2024/09/04
  • ネタバレ

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谷口が誰なのかという真相よりも、「それを追う城戸が谷口を知る中で、自分を顧みる」という物語を読者が読むことで「読者自身が自分を顧みる」という構造に気づいたとき、序章をもう一度読み返していた。 他人の人生にどんなことがあって、どう感じたか?を自分に起きたことと捉え直したとき、自分だったらどう行動して何を感じるか?考えさせられる話だった。 ストーリーが面白かったというよりかは、構造が面白く、深い話だなと感じた。 子どもの寝顔をみているとき「これが幸福なんだ」と確信するところはめちゃくちゃ共感した。幸福について日常的に考えることはほぼないが、これは個人的には確信して幸福と言えると思う。 あと細かいが、城戸は里枝と再婚した風に読んでしまったが、私だけだろうか? 意味はわかるものの、読み方がわからない漢字が多く、全体的に硬い印象だった。

Posted byブクログ

2024/08/31

私には難しい、聞いたことない言葉が多かった印象。面白かったのだけど、最後すっきりせず終わっちゃった。城戸さんの話が中途半端でもやった。

Posted byブクログ

2024/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美涼の言葉が残った  誰かをすきになるとき、その人の何をみて好きになるのか。 現在のその人を好きになって、その人の過去も好きになる。  その過去が他人のものだとしたら生まれた愛はどうなるのか? 「わかったってところから、また愛し直すんじゃないですか? 一回、愛したら終わりじゃなくて、長い時間の間に、何度も愛し直すでしょう? 色んなことが起きるから。」 三勝四敗 人生そんなものだよなと思った     最後奥さんが浮気していたのがわかったけど 特に触れずに終わった 自分の人生を自分より上手にいきられる他人はいたらおもしろい 私も自分の人生を上手に活かせるかな

Posted byブクログ

2024/08/26

(他)人の人生について考えさせられる要素が多く、個人的には好きな系統の小説だった。実際に同じことが自分に起こったらと思うと、どんな感情になるのか想像もつかないが、戸籍を変えてまで、別人として生きなければならない事情を知った家族を思うと胸が痛くなる。家族とは何か、人を愛することとは...

(他)人の人生について考えさせられる要素が多く、個人的には好きな系統の小説だった。実際に同じことが自分に起こったらと思うと、どんな感情になるのか想像もつかないが、戸籍を変えてまで、別人として生きなければならない事情を知った家族を思うと胸が痛くなる。家族とは何か、人を愛することとは何か考えさせられる一冊。

Posted byブクログ