1,800円以上の注文で送料無料

護られなかった者たちへ の商品レビュー

4.3

600件のお客様レビュー

  1. 5つ

    238

  2. 4つ

    255

  3. 3つ

    70

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2023/11/05

kindle unlimited で読了。 prime video も見ました。 映画の内容と本書では、登場人物が多少違っていました。 本書でも、中山七里、得意のどんでん返しがあります。 生活保護申請をしても受けられず餓死した弱者にたいする、福祉保険事務所の対応に憤った犯人は、...

kindle unlimited で読了。 prime video も見ました。 映画の内容と本書では、登場人物が多少違っていました。 本書でも、中山七里、得意のどんでん返しがあります。 生活保護申請をしても受けられず餓死した弱者にたいする、福祉保険事務所の対応に憤った犯人は、その担当職員と上司を拉致し、餓死させます。 以前に生活保護費の不正受給が問題になり、世間を騒がせました。その実態を何もしらない二世三世のお坊ちゃん育ちの、ある政治家はカップラーメンの値段さえも知りませんでした。 本書はフィクションですが、そんな為政者が国を治めている今の日本では十分あり得ることだと思いました。

Posted byブクログ

2023/11/03

映画を見てたので大筋は分かりつつ読んでいたのですが、そもそものテーマが映画と異なっていたので新しい物語として新鮮に読めました。

Posted byブクログ

2023/10/28

面白かった!小説として。 読んでよかったと思う、 いやもっと早く読みたかった。 ちょっと読み始めたら、止まらなくて。 今日も仕事なのに、夜更かしして読みきってしまった。 とにかく、こちら側とあちら側の気持ちが交錯して、揺さぶられる。 生活保護の話だけど、これは人ごとじゃなくて...

面白かった!小説として。 読んでよかったと思う、 いやもっと早く読みたかった。 ちょっと読み始めたら、止まらなくて。 今日も仕事なのに、夜更かしして読みきってしまった。 とにかく、こちら側とあちら側の気持ちが交錯して、揺さぶられる。 生活保護の話だけど、これは人ごとじゃなくて。そう遠くない自分の将来を想像して震えた。 私はこれからどうしたらいいんだろう。

Posted byブクログ

2023/10/25

生活保護という制度の意味や、その制度がもっとも良く運用される、とすれば、それは具体的にはどのように?という際限のない疑問を提示するところに力点。謎解きはむしろ背景だし、終盤の駆け足は、構成上少し気になる。

Posted byブクログ

2023/10/13

物語の舞台は東日本大震災から9年後の仙台。 拘束した状態で餓死させるという連続殺人事件が発生した。捜査線上に浮かび上がったのは、過去の事件で捕まり8年の服役の後に仮釈放中の利根勝久だった。 社会派ミステリーというのだろうか、社会福祉とか生活保護といった制度に対する社会問題を真っ...

物語の舞台は東日本大震災から9年後の仙台。 拘束した状態で餓死させるという連続殺人事件が発生した。捜査線上に浮かび上がったのは、過去の事件で捕まり8年の服役の後に仮釈放中の利根勝久だった。 社会派ミステリーというのだろうか、社会福祉とか生活保護といった制度に対する社会問題を真っ向から問う内容になっていて、担当捜査官の苫篠目線で物語が進む。 本来公的な生活保護が無ければその日の生活もままならない様な人の申請が、政府の予算不足による水際作戦で却下されたり、或いは申請すら自身への不甲斐なさから躊躇し断念している人がいる一方で、保護を受ける資格の無い人が不正受給している。更には、お上の顔色ばかり窺い、強欲に至福を肥やしている役人もいる。一体何の為に、我々は税金を払っているんだ!と読み進めるにつれて、憤慨したくなった。近年問題視された生活保護について、まざまざと現実を突き付けられた感覚がした。 社会保障制度が決められていても、現場で執行するのは役目を担った一公務員だ。それ故の不条理さでもあるから、問題は一筋縄ではいかないのだろう。ただ、人の生死が関わっているという緊迫感や責任感は決して無くさないで欲しいと思った。 前半は被害者が善人であり人格者であるという側面が強調されるのだが、徐々に物語の趣が変わってくる。この辺りの展開がとてもスムーズで読む手が止まらなくなる。 真相が明るみになるにつれ、笘篠や蓮田と同様に、どうしても加害者の肩を持たずにはいられなかった。 そしてついに最後の復讐の幕が明けるのだが… 遠島けいさんが自室の襖に書き遺した遺言で涙腺が崩壊した。 タイトルの『護られなかった者たちへ』 最後に笘篠刑事が語った言葉が胸に刺さった。 「皆、自分の護るべきものを必死に護ろうとした。運命の転び方で、その結果が犯罪になったかどうかの違いだけだ」 笘篠のように震災で護るべき者を失った人も大勢いる。 震災復興における問題提起も随所にあり、社会派ミステリーの奥深さを感じた。 中山七里さんは初読みだったが、とても良い作品だった。是非他の作品も読んでみたいと思った。 しかし一点引っ掛かるのが、何故真犯人は連続殺人を起こすのがこのタイミングだったんだろう… 彼なら復讐を開始するのに十分時間があったのでないだろうか… そうは思いたくないが利根の仮釈放に合わせたのだろうか。伏線の裏側のこの部分については納得出来る解釈が欲しかった。

Posted byブクログ

2023/10/11

震災後の仙台市復興と生活保護の現状の話。殺人は絶対に起こしてはいけないけど、自分はどうしても加害者の肩をもってしまう。 過去の話と思うんじゃなくて、今もずっと続いていて、苦しんでいる人がいるということを忘れてはいけない。作中の、お金に余裕はないが娘を塾に通わせたい家庭が自分の中で...

震災後の仙台市復興と生活保護の現状の話。殺人は絶対に起こしてはいけないけど、自分はどうしても加害者の肩をもってしまう。 過去の話と思うんじゃなくて、今もずっと続いていて、苦しんでいる人がいるということを忘れてはいけない。作中の、お金に余裕はないが娘を塾に通わせたい家庭が自分の中で印象的だった。子どもの権利について目を向けるのは児相だけではないのだなぁ。

Posted byブクログ

2023/12/07

お話として面白いだけでなく、生活保護やそれにまつわる貧困や格差社会などの社会問題について触れるきっかけになり読んで良かった。 まず感じたのは自分は運が良かったということ。 生まれが貧しかったら、親に真っ当に育ててもらっていなければ… 今ある日常が当たり前に続いていく保証もない。...

お話として面白いだけでなく、生活保護やそれにまつわる貧困や格差社会などの社会問題について触れるきっかけになり読んで良かった。 まず感じたのは自分は運が良かったということ。 生まれが貧しかったら、親に真っ当に育ててもらっていなければ… 今ある日常が当たり前に続いていく保証もない。 作中に出てきた様々な状況で生活保護を求める人達の姿は、決して小説の中の縁遠い世界ではないと思った。 増税は苦しいけれど、社会保障費の財源であることを考えるときちんと払わなきゃなと思うとともに、いや、でもまずは適切に使ってほしいな…とも思ったり。

Posted byブクログ

2023/10/03

映画を見てから原作を読みました。 目を伏せている社会の矛盾を改めて考えさせられる内容だと思いました。

Posted byブクログ

2023/09/30

すごく考えさせられる話。犯人はなんとなくわかったけれど、終盤にそこがそうだったのかと最後まで おもしろく読めた。 ただ、原作読んだ後に映画見ると「??????」ってなる

Posted byブクログ

2023/09/29

中山七里さんの作品を手にしたのは初めてでした。もちろん中山さんのことは存じ上げていましたが、読む機会を逃していました。ブクログの皆さんのおかげで読んでいないことに気づきました。 読み終わっても、やり場のない憤りが燻ってしまう。 本作品は、東日本大震災から数年を経てかなり復興し...

中山七里さんの作品を手にしたのは初めてでした。もちろん中山さんのことは存じ上げていましたが、読む機会を逃していました。ブクログの皆さんのおかげで読んでいないことに気づきました。 読み終わっても、やり場のない憤りが燻ってしまう。 本作品は、東日本大震災から数年を経てかなり復興してきた仙台方面を背景にしたストーリー。全体的に震災の痛ましい影がストーリーの至る所に見えてくる。 そして生活保護という社会保障制度。本来、該当するすべての人たちに行き渡らせないといけない制度だけれど、悪用する人間が出てくる以上一定のルールは必要。その受給資格についてどこで線を引くのか?誰が決定するのか?本来受給されるべき人々が受給されなかった場合、一体誰が責任を取るのか? 結果として護られなかった人が出てきてしまう。 一体誰を責めればいいのか?難しい問題です。 もちろん犯罪は犯罪です。ただ、「このやろう!」といった感情は誰にでも、その時々の状況によって胸の中に込み上げてくることがありますよね。震災も同じでしょう。どこにもぶつけようが無い。 感情が湧き上がっても根本的な解決策が見つからずどうしようもないと、「やり場のない憤り」が燻り続けてしまいます。この作品を読み終わっても、この燻りは消えません。 犯人と目される人物とその人物を追い詰めていく刑事の、主に二人の目線でストーリーは徐々に核心に向けて進んでいく。やり場のない憤りを拡散しながら。 中山さんは解決することが難しい社会の歪みを「これでもか!」という感じで描かれていました。良い作品と出会うことができました。

Posted byブクログ