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護られなかった者たちへ の商品レビュー

4.3

600件のお客様レビュー

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    238

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/09/12

胸が苦しくなる。考えさせられる。 ケイさんの言葉で、 「厚意とか思いやりなんてのは、一対一でやりとりするようなもんじゃないんだよ。 それじゃあお中元やお歳暮と一緒じゃないか。 あたしやカンちゃんにしてもらったことが嬉しかったのなら、あんたも同じように見知らぬ他人に善行を施すのさ。...

胸が苦しくなる。考えさせられる。 ケイさんの言葉で、 「厚意とか思いやりなんてのは、一対一でやりとりするようなもんじゃないんだよ。 それじゃあお中元やお歳暮と一緒じゃないか。 あたしやカンちゃんにしてもらったことが嬉しかったのなら、あんたも同じように見知らぬ他人に善行を施すのさ。そういうのが沢山重なって、世の中ってのはだんだんよくなっていくんだ。 でもね、それは別に気張ってするようなことでも押しつけることでもないから。機会があるまで覚えておきゃあ、それでいい。」 大切な事だと思った。

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2023/09/08

2023.9.8. 読了 生活保護をテーマにした事件。この本のおかげで、生活保護の現状について知ることができた。でも、この本を読まなければ、生活保護について私は知らないままだったのだと思うと、私は社会を全然知らないことを少し怖く感じた。 働いてお金を稼ぐことが当たり前にできてい...

2023.9.8. 読了 生活保護をテーマにした事件。この本のおかげで、生活保護の現状について知ることができた。でも、この本を読まなければ、生活保護について私は知らないままだったのだと思うと、私は社会を全然知らないことを少し怖く感じた。 働いてお金を稼ぐことが当たり前にできている人に生活保護は必要のないことだけど、それができずに生活に困ってい人はたくさんいる。そんな人たちを1人でも多く救うためにある生活保護についてもっと多くの人たちに知ってもらうことが必要だと感じた。

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2023/09/06

久しぶりの中山さん! 里帰りしたような気分ですが、うー、なかなか重かった、切なかった 生活保護制度の様々な問題が取り沙汰される 前半話が平行状態となり、なかなか発展しないので少々だらけ気味となる しかし、利根とけいとカンちゃんの話に入った途端、読む手が止まらなくなる 温かい三人...

久しぶりの中山さん! 里帰りしたような気分ですが、うー、なかなか重かった、切なかった 生活保護制度の様々な問題が取り沙汰される 前半話が平行状態となり、なかなか発展しないので少々だらけ気味となる しかし、利根とけいとカンちゃんの話に入った途端、読む手が止まらなくなる 温かい三人の仲睦まじいやり取り そして、けいの飢えの極限状態の描写は、なかなかキツイものがあった 飢えを凌ぐ為にティッシュを食べる! ガスも電気もとめられ、水も出ない 世の中には、こうして飢え凌んだ末、飢餓状態で死んでいく人がいるんだと思うと本当につらい 話はフィクションだからなのか、どうも生活保護受給の実態とは少し違う所があるようだ 生活保護の問題点は沢山あるようだが、私が一番気になるのは、生活が苦しいのに保護を受けていない人がいるということ しかもその理由が生活保護という制度を知らないという事 生活保護は申請主義のため、申請がなければ福祉事務所はどうする事も出来ない  国は税金は容赦なく徴収するのに、支給する方は申請しないと出さない だから誰かが手を差し伸べてあげなければ、死活問題に発展する 生活保護が本当に必要な人に支援が行き届かないというのは、命に関わる大きな問題である 「生きているだけでお金がかかる」 「お金って本当に大事」 「働けるうちに働こう」 「困らない様に勉強しておこう」 これは日頃の私の心の声である ラストは中山さんらしい展開 どんでん返しとまでは言わないが、明かされる真相に納得=(^.^)= そこから持って来たかあ!?

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2023/09/01

これまでに支払った額の計算なんてしたくないほど、日々徴収されている税金。 その使い途について、私はあまりにも無関心であったと、読み終わってまず感じた。 人口減少が拍車をかけ、どこかで負荷をかけなければ増えることのない財源から、誰かを救うためにその税金が使われる時、より厳しい規則...

これまでに支払った額の計算なんてしたくないほど、日々徴収されている税金。 その使い途について、私はあまりにも無関心であったと、読み終わってまず感じた。 人口減少が拍車をかけ、どこかで負荷をかけなければ増えることのない財源から、誰かを救うためにその税金が使われる時、より厳しい規則が必要になる。 しかし、どんなに細かく厳しい規則であったとしてもそれを取り扱う人間によって、恣意的な選択は生まれるし、規則をうまくかいくぐろうとする利用者も出てくる。 本当に助けが必要な人の元へ、税金が使われるためには、それぞれの立場から、小さな声をあげ続け、より現実的な制度にしていくしかないのだろうな、と気が遠くなる思いがした。 政治家でもなんでもない一市民の私だが、1つの声として、毎回の選挙には誠意を持って向き合おうと思う。

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2024/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画化もされており、気になって購入。 読み進める内に止まらなくなり一気に読了。 震災が主題になっていると思ったが、最初から最後まで「護ろうとした者」と「護られなかった者」が主題であり、そこに震災や生活保護といったテーマが折り重なった話だった。 ミステリという前提もあったが、殺人の犯人を探して当ててスッキリすることがこの本の目的では無かったように思う。事件の犯人は分かっても、根本の主題に関する解決は掴めないまま。 誰が犯人かではなく何が問題だったのか、皆何を護ろうとして何を護れなかったのか。 登場人物それぞれに護りたいもの、護りたかったもの、護れなかったものがあり、その理由や解決策もまたそれぞれで、理不尽なものも多くある。 面白かったというには語弊があるかもしれないが、読む手が止まらない作品だった。

Posted byブクログ

2023/08/26

映画を何度か観たので、原作も気になり購入。 生活保護を扱った社会派ミステリーであり、自分なりに生活保護について考えるきっかけとなる小説だと思う。 世の中には生活保護を不正受給している人もいるし、生活保護を受けなければ死んでしまうかもしれない人が、泣き寝入りしてしまうことが...

映画を何度か観たので、原作も気になり購入。 生活保護を扱った社会派ミステリーであり、自分なりに生活保護について考えるきっかけとなる小説だと思う。 世の中には生活保護を不正受給している人もいるし、生活保護を受けなければ死んでしまうかもしれない人が、泣き寝入りしてしまうことが多くあるのだと思う。 人を殺すことはいけないが、この話に出てくる保健事務所の3人の対応は最低だったなと思う。 私は教育者を目指しており、学校現場には家庭で生活保護を受給している子どもが多くいる。子ども自身がそれを恥ずかしいと負い目を感じているケースも多い。 教育者として生活保護について話をすることになった時、自分ならどう話すのか、今一度考えたいと思う。 #夏の読書感想文

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2023/08/24

自分から手に取るタイプの作品ではないのだが、機会に恵まれたので読んでみることに。 仙台市内で、拘束したまま餓死させるという手口の殺人事件が発生。その残酷な殺害方法から、刑事である笘篠と蓮田は怨恨の線で捜査を進めるが、被害者である福祉保健事務所 保険第一課課長・三雲忠勝の周囲から...

自分から手に取るタイプの作品ではないのだが、機会に恵まれたので読んでみることに。 仙台市内で、拘束したまま餓死させるという手口の殺人事件が発生。その残酷な殺害方法から、刑事である笘篠と蓮田は怨恨の線で捜査を進めるが、被害者である福祉保健事務所 保険第一課課長・三雲忠勝の周囲からの評判は"善人"そのもので、容疑者が全く浮かび上がらない。捜査が進まない中、同じ手口による他殺体が発見されるが、そこからも怨恨による容疑者は浮上しない。"善人"、"人格者"が残酷な手口で殺害されるこれらの事件の真相とは―――。 ラストの展開と真相が予想どおりだったので、勝利宣言(?)を上げようとしたのだが・・・あと一歩及ばず。まさかそこが繋がってくるとは全く予想出来なかった。。。 現代日本のとある社会問題をテーマとしたミステリー作品。完成度が高く十分に良い作品ではあったが、個人的には「なぜ"善人"や"人格者"が殺されなければならなかったのか」という流れを最後まで貫いて欲しかった。そちらの方が、テーマとした社会システムの問題点を、より明確に伝えることが出来たのではないかと愚考する。

Posted byブクログ

2023/08/19

中山七里さん続けて2作品 世の中は不公平で不平等 どうしようも無いけど でも、私は恵まれている方と感じる 日本で見てもだし、世界で見れば更に 氏神さんに貼ってあった言葉を思い出した 『努力する人は希望を語り  怠ける人は不満を語る』

Posted byブクログ

2023/08/15

面白かったです。社会保障制度が国家の杜撰さによって本来の目的とした事も本末転倒に終わりそれによって事件が開示されていく。此の作品を見せるべきは腐った政治家が一番適任かと。

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2023/08/14

犯人は途中で分かった。設定はすごく現実に即していて読んでいて辛くなるほどだった。生活保護は社会的に大きな課題で、どうにか解決を試みないと、というか既にこんな悲劇がどこかで起こっているのかなと社会課題にまで思いを馳せることとなった。

Posted byブクログ