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百花 の商品レビュー

3.6

195件のお客様レビュー

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    34

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  3. 3つ

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2026/04/21

 ここまでではなかったけど、自分も年老いた母を看取った経験があるので、比較しながら読みました。特別な一年が母子に最期までのし掛かってしまったのがつらかったですね。

Posted byブクログ

2026/04/11

百花 著者:川村元気 認知症を患った母とその息子の話。 重いテーマを携え、母と息子2人の「記憶」を丁寧に描きながら進行していくのが特徴的だった。 次第に忘れていく百合子と忘れていた思い出が蘇る泉の対比的な描写に胸が苦しくなる。 誰もがいずれ訪れる死について、 大人になる...

百花 著者:川村元気 認知症を患った母とその息子の話。 重いテーマを携え、母と息子2人の「記憶」を丁寧に描きながら進行していくのが特徴的だった。 次第に忘れていく百合子と忘れていた思い出が蘇る泉の対比的な描写に胸が苦しくなる。 誰もがいずれ訪れる死について、 大人になるということはなにか、 を問われ続けていた気がした。 時間を目で捉えることは出来ない。 けれど時の流れを肌で感じる瞬間は、確かに日常に存在している。 日捲りカレンダーを破る時、歯ブラシを交換する時、金曜日のプラスチックごみの収集。 そうして積み重ねた瞬間が日々をつくり、年齢をつくり、死へと繋がっていく。 当たり前に理解していることが、なぜかピンとこない。 遠くの空に浮かぶ雲を眺める時、水蒸気の集合体だと感じないことと似ている気がする。雲は雲であり、大人は大人で、死は死でしかない。 地続きのはずなのにどこか自分とは分断されているような。 ーーーーーーーーーー 「その時気づいたんだよね。失っていくということが、大人になるということなのかもしれない」p266 「あなたはきっと忘れるわ。みんないろいろなことを忘れていくのよ。だけどそれでいいと私は思う」p301 あんなに嬉しかったのに、どうして忘れてしまったんだろう。p302 ーーーーーーーーーー 病状が進行していくと共に、百合子の記憶や時間や体力が失われていく描写が印象的で、「大人=無になっていく=死」というイメージが強かったが、最後のシーンで、失うことへの優しい肯定的な意味が込められていると感じた。 失うことは手放すことであり、他者に与え、与えた先に違う形で残っていくということ。 ーーーーーーーーーー 「花火ってなんか悲しいよね。終わったら忘れちゃうじゃん。どんな色だったとか、形だったとか」 「そうかもね‥‥‥でも色や形は忘れても、誰と見て、どんな気持ちになったのかは思い出として残る」p300 赤ん坊が、泉の人差し指をぎゅっと握った。小さな体からは想像もできない力強さで握りしめ、大きな声で泣き始める。体を震わせながら、今ここに生きていると宣言するかのような泣き声を聞いた時、泉のからだの奥底から得体の知れないなにかがこみ上げてきて涙が溢れた。担当医や看護師たちが見ているただなかで、声を漏らし、恥じらいもなく嗚咽した。p292 ーーーーーーーーーー 子供が生まれた瞬間に、突然に親になるわけではない。それは大人になる、ということと共通しているのではないかと感じた。 大人になるとは、完成することではなく、未完成なままでもどう生きるかを選び続けること。 その選択の中で人は何かを失って気づくことがあったり、何かを手放し与えたりするということなのかもしれない。 今ある関係や時間にどう向き合うかを考えたくなる、じんわりとあたたかさが残る作品だった。

Posted byブクログ

2026/03/08

祖母までが認知症になったり、親元を離れて少ししか帰らなかったり、主人公の感じている後ろめたさに自分も共感する部分があった。 誰にも迷惑をかけず、自分として真っ当に生きられたら。 これが叶わないのが、一生なのだと思う。 病気も、恋愛も、それがきっかけで変わってしまう人が多くいる...

祖母までが認知症になったり、親元を離れて少ししか帰らなかったり、主人公の感じている後ろめたさに自分も共感する部分があった。 誰にも迷惑をかけず、自分として真っ当に生きられたら。 これが叶わないのが、一生なのだと思う。 病気も、恋愛も、それがきっかけで変わってしまう人が多くいる。そして、それを止めることはできない。 でも、誰も踏み外したくてしているわけではない。幸せになりたい。しかし、ままならない。 「どうしてこうなっちゃったんだろう?」 という百合子の言葉に、その恐怖を想像して涙が止まらなくなった。

Posted byブクログ

2026/02/18

 歳を重ねると物忘れが多くなったり、身体が痩せ細って小さくなったり、自己中心的になったり。ある時を境に、まるで逆再生するかのように赤子の姿へと近づいていく気がする。  死というあまりにも無防備な姿へと成り果てる前に、万人から愛される赤子の姿へと変容していくことで、周りの人に自分を...

 歳を重ねると物忘れが多くなったり、身体が痩せ細って小さくなったり、自己中心的になったり。ある時を境に、まるで逆再生するかのように赤子の姿へと近づいていく気がする。  死というあまりにも無防備な姿へと成り果てる前に、万人から愛される赤子の姿へと変容していくことで、周りの人に自分を預けていくのかなと思ってしまう。

Posted byブクログ

2026/01/28

病に侵されている心情や描写がやるせない気持ちで溢れて読み進めていく中でとても苦しくなった。 しかし、解説にも書いてあったようにその個人は痛いほど、悲しいほど、愛おしいくらいにその人であり続ける ということ。徘徊、見たかった花火 も全ては息子を想う気持ちや母にとっての大切な思い出。...

病に侵されている心情や描写がやるせない気持ちで溢れて読み進めていく中でとても苦しくなった。 しかし、解説にも書いてあったようにその個人は痛いほど、悲しいほど、愛おしいくらいにその人であり続ける ということ。徘徊、見たかった花火 も全ては息子を想う気持ちや母にとっての大切な思い出。 記憶を失っていく反面、息子は母親の記憶を元に、幼少期の記憶を思い出していく場面では、病と葛藤する悔しさ悲しさ、母への複雑な想いがある中2人の思い出を甦らせる母親からの2度目の愛のプレゼントのように感じた。 花火は、忘れちゃうからこそ素敵… 形は忘れても気持ちは残るということ。自然や人間の儚さ、尊さを表現されているようで、「忘れる」「失う」事が全て欠点に繋がる事では無いように思った。 ‪⚪︎失っていくということが大人になるということ ‪⚪︎どの花火が良かったのか、それが何色で、どんな形だったか。全部忘れちゃう。だから、花火って素敵だなって思うの ‪⚪︎色や形は忘れても、誰と一緒に見て、どんな気持ちになったのかは思い出として残る

Posted byブクログ

2026/01/25
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いずれ自分の母親もこうなるのかもしれない…と考えながら読んだ。 そうなった親を見て「俺の母親はこんなんじゃないはずだ」といつか私も思ってしまうのかもしれない。 百合子が未婚で泉を産んだ挙句不倫で消えて、それをなかったことにして香織との結婚を嘆く、みたいなところ、私は嫌悪感があった。 あと映画のキャストで泉が菅田将暉と知って、ずーーーっと菅田将暉がチラついてなんか読みづらかった…別に嫌いとかではないんだが…

Posted byブクログ

2026/01/10

幼少期から両親にとっていい子でいたかった 我儘言えず本音で話せず 年に何度も会えるわけじゃないから このままいい子ちゃんでい続けることにしよう 英語でgoody two shoesというそう ーーー 「あと何回、あるのだろうか。十か二十か、三十を超えるということは難しいか...

幼少期から両親にとっていい子でいたかった 我儘言えず本音で話せず 年に何度も会えるわけじゃないから このままいい子ちゃんでい続けることにしよう 英語でgoody two shoesというそう ーーー 「あと何回、あるのだろうか。十か二十か、三十を超えるということは難しいかもしれない。とうに折り返し地点を過ぎた親子であることに気づく。」 「迷子の母を探しながら、泉は思い出した。あの頃、わざと迷子になっていた。泉はいつも、母に探して欲しかった。」 「なんだか大人になったなって思った。そのとき気づいたんだよね。失っていくということが、大人になるということなのかもしれない。」

Posted byブクログ

2026/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「人間は記憶で出来ている。」 作中の語である「記憶」と「花火」を結びつけて読んでみました。「花火」を写真や動画に残して「記憶」しようと毎度試みるけど、上手く振り返られないもので…。 自分自身、記憶はできる限り詳細に残したい。 何故なら本来生きて何かを感じたはずの時間が、 記憶の喪失する度合いによって、「空白」が大きくなってしまうから。何も残っていない空間が非常に怖い。 「記憶」は、譲り渡し、手放していくものである。それが大人の証拠と言うなら僕はまだ誰にも譲り渡したくない。 百合子の楽しそうに記憶を譲り渡していく姿をみると愛着と悲哀を同時に感じる。自分もいずれはそうなるのだろうか。 とにかく、百合子の姿が辛い…。 激痛を伴う病気と同等に「認知症」への恐怖を感じた。どうか記憶を手放さないで生きて欲しかった…。 #令和8年一冊目

Posted byブクログ

2025/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私の祖母が認知症で、名前は忘れられていないものの、私のことを孫ではなく曾孫と言ったり、話しかけても反応が鈍かったり少しずつ進行しているのが分かる。 本書の母と照らし合わせて、認知症が進行していく様子が辛かった。 母は健康なので、そういった意味での没入感はなかったが、自分の母が認知症だったら、または認知症になってもおかしくない年齢だったら、読む人の環境や年齢によって評価が変わりそうな本だった。

Posted byブクログ

2025/12/11

認知症(アルツハイマー)の母と息子の物語 認知症って難しいよな 今の時代の話ではないんじゃないかという感じ 物語的に面白いというよりふーんっという印象 淡々とした話であったかなー

Posted byブクログ