百花 の商品レビュー
泉の忘れている記憶と百合子の覚えている記憶がうまく重ならない部分には悔しい気持ちになった。泉が覚えてて欲しい記憶を百合子が徐々に忘れていく描写も胸がとても苦しくなった。何かを失っていくことが大人になることという言葉が心に残った。記憶は人間の宝物だと思う。読み終えた後喪失感いっぱい...
泉の忘れている記憶と百合子の覚えている記憶がうまく重ならない部分には悔しい気持ちになった。泉が覚えてて欲しい記憶を百合子が徐々に忘れていく描写も胸がとても苦しくなった。何かを失っていくことが大人になることという言葉が心に残った。記憶は人間の宝物だと思う。読み終えた後喪失感いっぱいになったが、自分の今生きている時間や、関わってくれている家族友人全ての人を大事にしたいと感じる一冊だった。
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認知症になったことを息子に隠して生きている母と、そのことに違和感を感じつつも日々の生活の忙しさに流され後回しになり、気付いた時には症状が進んでいる。 母が息子をどれほど大事に想っているか知れば知るほど、当の母は記憶を失っていく。 認知症って本人も辛いけど、周りの人も辛くさせてしま...
認知症になったことを息子に隠して生きている母と、そのことに違和感を感じつつも日々の生活の忙しさに流され後回しになり、気付いた時には症状が進んでいる。 母が息子をどれほど大事に想っているか知れば知るほど、当の母は記憶を失っていく。 認知症って本人も辛いけど、周りの人も辛くさせてしまう…
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記憶を失っていく母 記憶を取り戻していく息子 認知症の母を息子の視点で記憶をめぐる。 人間は記憶でできている。そうかもしれない。さまざまな記憶を身体中に宿し、忘れたり思い出したりしてバランスをとっているのかも...記憶を失うのは怖い 失ってしまえばわからないのだからまぁいっか‼...
記憶を失っていく母 記憶を取り戻していく息子 認知症の母を息子の視点で記憶をめぐる。 人間は記憶でできている。そうかもしれない。さまざまな記憶を身体中に宿し、忘れたり思い出したりしてバランスをとっているのかも...記憶を失うのは怖い 失ってしまえばわからないのだからまぁいっか‼︎
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結婚育児に介護に仕事 マジで大変なんだろうな ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 失っていくということが大人になるということなのかもしれない
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認知症になった母と息子を中心に広がる話。 介護の本人や家族の葛藤などが描かれていて、一日一日や記憶を大切にしたいと思える。 過去・記憶を、振り返りながら介護・病気に奮闘する。親子の絆や思い出の会話などリアルに描かれている。
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※このレビューにはネタバレを含みます
中学二年の時に一年間母から“捨てられた”過去があるというのに、戸惑いながらも息子の泉が献身的で優しい。戻ってきた母を受け入れた当時も、認知症になった母を徐々に受け入れていく現在も精神が落ち着いた大人だな。 テーマの「記憶」より、親と子の立場や役割は時間が経つにつれて逆転していくのだと、その関係性の変転をしみじみ感じる。 子を残して出奔する行動は理解し難いが、認知症になった百合子が常に息子のことを心配し姿を探している不安定な気持ちには同じ母として胸が痛くなった。 息子の記憶に残るのはどんな自分なのだろう。 映像化作品は見ていないが、読みながら百合子は原田美枝子さんのイメージですぐ脳内で再現できた。泉のイメージはなぜか最初から最後まで星野源さん。
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『億男』や『4月になれば彼女は』なども書かれている川村元気さんによる母親の認知症介護をテーマにした小説。 ぼく自身、祖母が認知症で介護をしているため不安や怒り、やるせなさ、悲しさといったありとあらゆる感情に共感しながら読めました。 小説の中で認知症の母親は1度、主人公であ...
『億男』や『4月になれば彼女は』なども書かれている川村元気さんによる母親の認知症介護をテーマにした小説。 ぼく自身、祖母が認知症で介護をしているため不安や怒り、やるせなさ、悲しさといったありとあらゆる感情に共感しながら読めました。 小説の中で認知症の母親は1度、主人公である息子「泉」を捨て不倫相手のもとへ行ってしまい、1年間帰ってこなくなります。それが直接の原因ではありませんが、母との思い出を極端に思い出せなくなる泉。そんな折に母親の認知症が発覚。 母親は自分のことを忘れていきますが、なぜかそれと引き換えかのように、泉は幼いころの母親との記憶が蘇ってきます。 自分と母親の『今』に向き合う、考えさせられる内容となっています。 今読めてよかった。心の底から、そう思いました。
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映画化され、話題なっていたので。 揺さぶれるものはなかったけれど、いつか私も直面するかもしれない場面を思い浮かびながら読みました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ロング・グッドバイ 母と息子、ふたりで生きてきた。ある時を除いては。すべてを置いて母は遠ざかってゆく。混乱し、おぼつかない足取りなのに、道を戻ることは決して無い。ユリコのさよならは比較的早足だったようだ。 認知症というよりも、親子関係に重きを置いて書かれている。流れるような文章だったが、母子の入り組んだ感情がよく伝わってきた。私自身はこのような思いはしたことが無いが、私の父と祖母には似たような空気が流れたのかもしれないと思った。 最近、人間にとっての「母」という存在の大きさを考える事が多い。大体は慄き、立ち尽くすことになる。気がつけば「母」達に囲まれて生きていて、皆よく知っている人たちなのに、絶対に分かち合え無い属性。それを少し垣間見た気持ちになる。
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認知症は辛いな。忘れていくことと、昔の記憶を思い出す息子。映画を見たくなった。原作も監督もするんだな、作者。多彩。良い小説だった。
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