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百花 の商品レビュー

3.6

162件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    58

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    2

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2023/12/03

映画を観ているような色鮮やかな表現で、薄暗さや肌寒さも感じるほど。 自分でも意外なくらい感情移入した。未知な生命が宿った不安、自分に課された役割から逃れられない不安、大切なものを忘れていく現実を自覚する不安…。シンママと息子の愛情物語かと思ったら、女のもがきとかもあって、深かった...

映画を観ているような色鮮やかな表現で、薄暗さや肌寒さも感じるほど。 自分でも意外なくらい感情移入した。未知な生命が宿った不安、自分に課された役割から逃れられない不安、大切なものを忘れていく現実を自覚する不安…。シンママと息子の愛情物語かと思ったら、女のもがきとかもあって、深かった。 自分の記憶に最後まで残るのは、どんなことかなぁと、考えさせられる。

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2023/11/17
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泣きすぎてしまった。 とても優しくてお互いに愛しみ合っている親子という印象だっただけに、ふたりの空白の一年が衝撃だった。 結局いざという時には、愛する男よりも子どもの顔が浮かぶんだなとも思った。

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2023/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母と息子。アルツハイマーの母の介護。息子の泉が中学生の時に突然居なくなった母。一年後に帰宅し何事も無かったかのように振る舞う母。空白の一年を埋めるべく母の日記を読んで理解しようとする息子。日記…読まれたくないよね。記憶がなくなる前に処分しなくてはいけないものの筆頭だね。日記と手紙は。結局母を責めたり問い詰めたりということも無く、でも理解したいという気持ちが母の日記を読むという行為に結びついたのかなと。「失っていくということが大人になるということなのかもしれない」「人間は体じゃなくて記憶でできている」という言葉が印象的だった。ただ阪神大震災のところ、あの日冬の夜明け前で、停電して真っ暗だった中、外歩ける状態では無かったのではないかと思いました。そこだけ気になりすぎた。

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2023/11/08

毎日だんだんと 記憶を失っていく母とそれを見守る息子 その人生背景には 母子家庭で、母、息子たった2人で生きてきたこと。 空白の1年があったこと。 その空白の1年は、なかったことにして 再生した家族だったことがあった。 なのに、どこまでも母思いの息子に 胸が苦しくなる。 散らかっ...

毎日だんだんと 記憶を失っていく母とそれを見守る息子 その人生背景には 母子家庭で、母、息子たった2人で生きてきたこと。 空白の1年があったこと。 その空白の1年は、なかったことにして 再生した家族だったことがあった。 なのに、どこまでも母思いの息子に 胸が苦しくなる。 散らかった部屋から出てきた メモ書き。 忘れたくなくて書き留めていたメモ書きに 「息子の名前は泉 甘い卵焼き ハヤシライスが好き」 と書いてあった。 親子という因縁が苦しくもあり、でも どこまでいっても母の愛を求め、 最後は、こどものようになっていく母を 母のように守る愛 苦しくも綺麗な重い愛の話

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2023/09/30
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同じ子を持つ母として百合子には理解できない部分ばかりだった。 百合子もきっと色々なことがあって、一人で全て抱えて生きてきて、 ふと全てを手放したくなったんだとは思う。 装丁やタイトルからキレイなストーリーを予想していただけに 裏切られた気分。 記憶を失っていく母と、母に昔捨てられた過去を持ちながらも、賢明に母に向き合おうとする息子。 この捨てられた過去にはやむを得ない事情があるんだな…と思っていただけに、いざ蓋を開けて見たら妻子持ちの人と不倫関係でしたというオチで残念だった。 以下お気に入りのフレーズ。 ◎失っていくということが、大人になることなのかもしれない 私も母になってたくさんのことを手放したけど、得たもののほうが多いと感じる。あまり共感はできなかったけど記憶に残ったのでメモ。 ◎寂しさは私をなかなか自由にしてくれない キレイな表現だなと思った。

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2023/09/23
  • ネタバレ

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花火について。 そうかもね。でも、色や形は、忘れても、誰と一緒に見て、どんな気持ちになったのかは思い出として残る。 私も、癌だった母が、秋の花火を見て、手を合わせてとても、喜んでくれた事…。あの光景は、一生忘れないだろう。

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2023/08/16
  • ネタバレ

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「百花」という題名は、大切な人と見る花火のことなのかな、それとも、家で飾っていた一輪の花のことなのかな……。 とにかく、〝記憶〟〝思い出〟について、考えさせられる作品だった。 花火について、どんな形だったか、どんな色だったか、……詳細は忘れてしまっても、誰とどんな気持ちで見ていたかという〝記憶〟は残る、というような言葉が印象に残った。 誰かと、どんな思い出を残していきたいか、考えさせられる作品だった。

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2023/07/26

人の記憶、一人一人が大事にしている記憶が何なのか? 生きている今、知りたいな。と強く想いました。 言葉が変に綺麗に飾りつけられていなくて、そこがまた心に響きました。 大切な人の大事な記憶は何なのだろう?

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2023/07/17

認知症が進んでいく様子はとても辛かったが、希望したホームに早々と入れたり、泉がりんご飴を一人で買いに行っちゃったり、ストーリーの流れが受け入れられない場面が何度かあった。 空白の一年の真相も、なんかちょっと嫌だった。 お母さんのメモは泣けた。

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2023/07/13

認知症の人と関わる仕事をしているからなんとなく気になり手にした本。 少しずつ認知症の症状が現れてくる母が細かく書かれていて、読むのが辛くて時間がかかってしまった。 冷蔵庫に賞味期限の切れた食材、散らかった部屋、小銭の増えた財布、徘徊、失禁、、、子供のようになる母。忘れないようにと...

認知症の人と関わる仕事をしているからなんとなく気になり手にした本。 少しずつ認知症の症状が現れてくる母が細かく書かれていて、読むのが辛くて時間がかかってしまった。 冷蔵庫に賞味期限の切れた食材、散らかった部屋、小銭の増えた財布、徘徊、失禁、、、子供のようになる母。忘れないようにと書いたであろうメモ。認知症と戦っていた母の姿を想像すると何とも言えない気持ちになる。 今まで知っていた人が知らない人になっていくって怖いよな。仕事、家族、介護たくさん背負っている泉が壊れないかと心配になった。 そんななか泉が見つけた母の日記。息子を捨てた1年間の記録。震災をきっかけに何事もなく帰ってきた母。このことがきっかけで少し距離のある家族になった親子。あの1年間のことや父親のことを聞きたくても認知症になってしまった母にはもう答えられないだろう、、 最後の母の願いだった半分の花火を見たい。母が亡くなった後に1人で見た半分の花火は切なさとか後悔、母との思い出が浮かんできて複雑な感情。 そして父親を知らない泉はどんな父親になるのだろうか。 2023.07.03〜07.13

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