二人の嘘 の商品レビュー
美しい、という形容詞がやたら使われる礼子さん、そんなに恵まれてたらとことんメリット使い果たすのに、と凡人の私は思うのですが、そうはならないのが小説ですね。彼のこと、知らなければよかったのに、もったいない!と思うのですが、彼女には幸せだったんでしょうね。
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なんとも言い難い小説です。天才判事と元殺人犯の恋愛の話と言ってしまえばそうなんですが、出会い方も物語の進み方も突飛でありながらスムーズ。古典的な悲恋小説の趣もありながらあまり読んだ事が無いケースの話です。 想定が非常に美しく、作者の名前聞いた事ない上に妙な名前だし、引っかかる要素...
なんとも言い難い小説です。天才判事と元殺人犯の恋愛の話と言ってしまえばそうなんですが、出会い方も物語の進み方も突飛でありながらスムーズ。古典的な悲恋小説の趣もありながらあまり読んだ事が無いケースの話です。 想定が非常に美しく、作者の名前聞いた事ない上に妙な名前だし、引っかかる要素が満載で案の定引っ掛かりました。 美女ロボットとあだ名がつきそうなくらい完璧な女性「礼子」。過去最高得点で司法試験をパスした上に女優も裸足で逃げ出す美貌の持ち主。しかし母に捨てられ叔母の元で育ち、安定を求めて同期と結婚。妻というより嫁としてこき使われながらひたすら判事の仕事をこつこつ行う礼子。そんな彼女が遠い昔に判決を書いた元殺人犯が裁判所の前で時間を過ごしている事を聞く。 恨みを向けているというよりかは、静かに悲しみを湛えてたたずんでいる。なに?なんなの?私何かミスった?という所から感情が加速していく訳です。感情を知らないロボットに血が通っていくように次第に感情を取り戻していく・・・。それに伴い完璧だった判事、妻としての生活にほころびが・・・。 先が気になって仕方が無い小説でした。 これは評価が分かれるような気がしますね。ラストも含めて好き嫌いもあれば、解釈の違いもありそう。バッドエンドと取るかハッピーエンドと取るか。。。
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虚しく切なく、何ともやり切れない読後感が、、、 裁判所や判事の生活など、知らない事を知ることが出来た。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
お友達のオススメ。 すごくこう…切ないというか、なんというか、でも、すごく良かった。 自分の居場所はここではないんじゃないかって、そういう気持ちになることは誰にでもあるんじゃないかな…。
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図書館で借りた本。 優秀な成績で判事になった礼子の前に、判事になって2年目に担当した殺人事件の被告、蛭間が現れた。何をするでもなく、ただ裁判所を見つめていた。来る日も、来る日も。判決に不満があったのかと礼子は蛭間の事が気になって仕方がなかった。蛭間の事件を調べていくうちに蛭間自身...
図書館で借りた本。 優秀な成績で判事になった礼子の前に、判事になって2年目に担当した殺人事件の被告、蛭間が現れた。何をするでもなく、ただ裁判所を見つめていた。来る日も、来る日も。判決に不満があったのかと礼子は蛭間の事が気になって仕方がなかった。蛭間の事件を調べていくうちに蛭間自身に惹かれていく。
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好き!と嫌い!の両方の気持ちを揺さぶられる作品。 好きだなぁという描写もあれば、反吐が出るほど嫌悪感を感じる部分もある。 でもそれだけ魅力的な作品だとおもう。 正直、蛭間にも礼子にも共感もしないし選んだ答えにもまじかよって感じなのだが、それでもいろいろと考えさせられるものはある...
好き!と嫌い!の両方の気持ちを揺さぶられる作品。 好きだなぁという描写もあれば、反吐が出るほど嫌悪感を感じる部分もある。 でもそれだけ魅力的な作品だとおもう。 正直、蛭間にも礼子にも共感もしないし選んだ答えにもまじかよって感じなのだが、それでもいろいろと考えさせられるものはある。 わたしはむしろ蛭間より礼子に同情を覚えた。 不遇な境遇なのは蛭間なんだけど、礼子のほうが『かわいそうな人だな』と感じてしまう。それはわたしが礼子と同じ性別だからかもしれない。 そもそも完璧な女ってこういうのじゃなくない?と思ったり…わたしには不完全な女にしか見えなかったが?美貌と才色があればいいってわけでもないだろ。いろいろ欠落しすぎ。 胸糞わるい殿方がうじゃうじゃ出てくるので三分に一度はこいつら去勢してやりたい。裁ち鋏どこだっけ?と思います。 そう思わせるのもすごいことだよな、としみじみ。 わたしはこの出版社があまり好きじゃないのでこれをここからねぇと思うところはありますが、話題になるのは納得できました。
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美人で頭脳明晰で、でも感情と欲望をどこかに置いてきたような主人公。 彼女が過去に裁いた1人の男。 彼女と、何もかも持ち合わせているけどモラハラな旦那と、何もかも持ち合わせていないのに彼女の感情をむき出しにできる男。 そんな急接近の仕方えるかなぁ、と思いつつもそれが違和感に思え...
美人で頭脳明晰で、でも感情と欲望をどこかに置いてきたような主人公。 彼女が過去に裁いた1人の男。 彼女と、何もかも持ち合わせているけどモラハラな旦那と、何もかも持ち合わせていないのに彼女の感情をむき出しにできる男。 そんな急接近の仕方えるかなぁ、と思いつつもそれが違和感に思えない作品の空気感。 彼女の塞いでください、とその後に続く おれの手は、いつも間違える にこの作品の空気感がキュッと詰まっているように思う。 彼も彼女も感情はほとんど表にでないし、距離もいつもとっている。その距離がなんか余計に2人の秘密感があってたまらん。 あの最後はなんか2時間ドラマの終わりのような印象は受ける。他の選択肢は絶対にあった。 でも、この作品の終わらせ方としては悪くないのかなぁ。 2022.3.12 37
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章立てを読まずに読むことをおすすめします。 主人公の片陵礼子の描写にはちょっと反感ありますが、夫婦の関係上しょうがないのかも。 物語の本筋は怒涛のごとく一気読みできるものです。よかった。 本筋とは関係ないですが、セキュリティの甘さはまだ存在しているのかなと他人事ながら心配でした...
章立てを読まずに読むことをおすすめします。 主人公の片陵礼子の描写にはちょっと反感ありますが、夫婦の関係上しょうがないのかも。 物語の本筋は怒涛のごとく一気読みできるものです。よかった。 本筋とは関係ないですが、セキュリティの甘さはまだ存在しているのかなと他人事ながら心配でした。民間企業では最近はで物理的な持ち帰りできなくさせているはず。 裁判員裁判の弱いところも突いているのではないかと思いました。 この本でも出てくる司法の窓はネットでも読めますね。最近のは芸人さんも登場してびっくり。柔らかな裁判所を演出しているのかなとも思いました。
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一気読み 映画化!とも思うけど、主人公の言葉にならない現実と夢との狭間の葛藤を文章じゃなく表現するのは相当難しそう。本だから故のグッとくる感じってこういうことなのかと。 悪人も映画を見れていないし、人間のもどかしさみたいなものは本がいいなー。 お見事すぎる綺麗な文章。テーマも多く...
一気読み 映画化!とも思うけど、主人公の言葉にならない現実と夢との狭間の葛藤を文章じゃなく表現するのは相当難しそう。本だから故のグッとくる感じってこういうことなのかと。 悪人も映画を見れていないし、人間のもどかしさみたいなものは本がいいなー。 お見事すぎる綺麗な文章。テーマも多く深くとも読みやすい素敵なお話だった。
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初めての作家さん。 十年に一人の逸材と言われる超美人判事、片陵礼子と、彼女に有罪判決を受けた蛭間。 礼子は幼い頃に二人で暮らしていた母に捨てられ、それ以後、本能を捨て、間違えることを避け続けてきたが、服役を終えて出てきた蛭間が毎日のように外から裁判所を見上げ見つめているのを知...
初めての作家さん。 十年に一人の逸材と言われる超美人判事、片陵礼子と、彼女に有罪判決を受けた蛭間。 礼子は幼い頃に二人で暮らしていた母に捨てられ、それ以後、本能を捨て、間違えることを避け続けてきたが、服役を終えて出てきた蛭間が毎日のように外から裁判所を見上げ見つめているのを知り、私が判決を間違えたのでは?と翻弄され出す。そして、二人の関係は驚きの方向へ…。 プライドが高いマザコン弁護士の旦那の描写が面白かった。以前、男社会で働く知り合いの女性に、「男のプライドや嫉妬は、女のよりよほど陰険で厄介よ」と教えられたのを思い出した。 礼子が、恋をして本能を取り戻し、恋人と金沢に旅行に行く場面は、世界に一気に色がつき、動き出した躍動感があり、こちらまで心が躍った。何度か寒いやりとりを我慢しなければならない時もあるけれど… 礼子はなんて素敵な恋愛をしたんだろう、とハッピーエンドでなくとも感慨深く、法廷ストーリーとしても面白い作品でした。
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