二人の嘘 の商品レビュー
一雫ライオンさん著「二人の嘘」 自分にとって初めて読む作家さん。 自分の経営する居酒屋のお客さんに薦められて読んでみる事に。 物語はジャンルとしてラブサスペンスというべきだろうか。物語が展開されていくにつれて複雑に二人の距離感と感情と真実が絡みあっていく。その複雑さが全てにおい...
一雫ライオンさん著「二人の嘘」 自分にとって初めて読む作家さん。 自分の経営する居酒屋のお客さんに薦められて読んでみる事に。 物語はジャンルとしてラブサスペンスというべきだろうか。物語が展開されていくにつれて複雑に二人の距離感と感情と真実が絡みあっていく。その複雑さが全てにおいてお見事で読む手が止まらなかった。 主軸の礼子の突発的に思える感情の揺れ方に多少戸惑いを覚えたが、過去に愛情へのトラウマを抱える女性キャリアならばそういうものか?と納得しながら読み進めた。 蛭間の被った罪の真相が明らかになっていくにつれて、礼子の気持ちも変わっていく。それを「愛」だと気付きながらも立場が2人を止まされる。2人はお互いの「愛」という感情に触れてお互いの過去をしっかりと受け止め、見つめる事ができたのではないだろうか。 帯に「恋で終わればこの悲劇は起きなかった」と書かれていたが、蛭間にしてみれば最後に礼子と金沢•能登で恋人の様に過ごせた2日間があったからこそ過去を精算でき、その意味は何よりも換えがたいものであったに違いない。 悲しい結末で余韻をかなりひきずっている。最後に珠洲の陶芸体験で蛭間が作った物が礼子の手元に届く。 きっと蝶をあしらったものだろうと予想。 蛭間の手は確実に礼子の手を捉えていたはずだ。両手に妹と礼子の手を固く繋いだ蛭間のその両手が作り出した礼子への最初で最後のプレゼントだろう。「バタフライ」で間違いないはずだ。 礼子はその段ボールを開けて手に取るか?礼子が蛭間との過去をしっかりと過去として受け入れられる日が来るまで開けないだろう。その日はいつか?蛭間の無罪が証明されるその日までだろうと推測。 礼子が亡き蛭間にしてあげられる唯一のプレゼント、その無実という証明を引き換えとしてその時こそその段ボールを開けるのではないだろうか… 最後の金沢•能登の二人旅の模様は鳥肌物で余韻と推測が限りなく溢れてくる。 とても素晴らしい作品だった。
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何と切ない話だろうか。 元服役囚と判事、二人の物語の行方とは。 推理小説の要素を満載しながら進む傑作ラブストーリーである。 美人で経済的にも安定していたとしても全て満たされているとは限らない。人間が惹かれる美しさなど所詮は上辺だけのものでしかない。 それを悪戯に弄り回されネタにさ...
何と切ない話だろうか。 元服役囚と判事、二人の物語の行方とは。 推理小説の要素を満載しながら進む傑作ラブストーリーである。 美人で経済的にも安定していたとしても全て満たされているとは限らない。人間が惹かれる美しさなど所詮は上辺だけのものでしかない。 それを悪戯に弄り回されネタにされるのはどれだけの苦痛なのだろうか。 ゆるりと、しかし着実に一歩ずつ進んでいく二人の物語は一言では語れない。淡々としているが人の激情を活写する文体がいい。苦悩の果てに答えを見出す過程は愚かだが、一笑に付す事はできない……。 じわりとしみ入る小説である。
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すっと入ってきて気づいたら読み終わってた 行動や感情に人間味がすごいあって、リアルだし物語にひきこまれた 本1冊でしっかり恋愛した
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会社の先輩におすすめとして紹介いただき読了。 今年1番かもしれない。 没頭してなかなかのボリュームだったが あっという間に読み終えた。 妹が出て来たところで そういう感じか〜なんて軽く考えてたら とんでもなく切ない終わり方。 負の連鎖って本当にあると思う。 貧しさから脱却するのは難しい。 出てくる登場人物のセリフが ガンガン胸に来る。 夫も胸糞悪くて礼子が殴られた時は 私が代わりに殴ってやりたいと思ったわ 笑 マザコン男め。 蛭間さんも最期の旅と決めていたんだね。 どこかで生きていて再び運命的に 礼子と再会して幸せに暮らして欲しかった。 とにもかくにも映画化されるんじゃないかな。 見てみたい。 最高に沁みる物語でした。
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太田愛さんもそうだが、やはり脚本家と言われる人たちは、良い話を書くね。読んでて、常に頭の中に情景が浮かび続ける。決して、くどくどと説明の羅列ってわけでもないのに、自然にそうなるような文章。 一雫ライオンさんはあんまり小説作品数はないようだけど、新刊がもし出たら読んでみたいと思わせ...
太田愛さんもそうだが、やはり脚本家と言われる人たちは、良い話を書くね。読んでて、常に頭の中に情景が浮かび続ける。決して、くどくどと説明の羅列ってわけでもないのに、自然にそうなるような文章。 一雫ライオンさんはあんまり小説作品数はないようだけど、新刊がもし出たら読んでみたいと思わせるような作家さんです。
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なんというか。。。ミステリーと思い、真実が明らかにされていく。ふつうはそれで終わりなんだけど、この物語はそこから始まるんですね。心の一番奥底で通い合う人と巡り合えて良かった。哀しい話には違いないけど。心の奥が響いた作品でした。「― むきあってしまえば、目を見てしまう。目を見てしまえば、真実を語りたくなってしまう ―」。能登の冬の鉛色の空と海。じ~んと、じ~んと。
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ミステリーとして読むには面白かったが、純愛を謳われるのはいささか疑問が残る。 あまりにも急に情交シーンが入り「作者は男性では?」と思ったら案の定だった。礼子のことを責め立てるつもりはないが、一人の男性を愛するに至る礼子の心の過程があまり描かれていないので少し白けてしまった。愛とい...
ミステリーとして読むには面白かったが、純愛を謳われるのはいささか疑問が残る。 あまりにも急に情交シーンが入り「作者は男性では?」と思ったら案の定だった。礼子のことを責め立てるつもりはないが、一人の男性を愛するに至る礼子の心の過程があまり描かれていないので少し白けてしまった。愛というより、ある種の執着を愛と勘違いしてしまった女性ではないだろうか。 登場人物も醜悪を煮詰めたような人間ばかりで、正直家に置いておきたい本ではない。が、ミステリーとしては面白かったので⭐︎3評価です。
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本が分厚かったので読めるか不安だったけど、一日で一気読みしました。 私の場合は、一気読みせずに分けて読むとたぶん頭に入ってこないかもしれない(汗) プロローグを読んでみて、「あ、このお話の最後は悲劇で終わるんだろうな」と思い、目次見たら最終章のタイトルが「悲劇」…! もう明かし...
本が分厚かったので読めるか不安だったけど、一日で一気読みしました。 私の場合は、一気読みせずに分けて読むとたぶん頭に入ってこないかもしれない(汗) プロローグを読んでみて、「あ、このお話の最後は悲劇で終わるんだろうな」と思い、目次見たら最終章のタイトルが「悲劇」…! もう明かしてくれるのね(涙) そうなると知っていても、読んでいくとゆっくりとお話に入り込めていけて、最終的に思ったのは読み応えがあって面白かった。 時間をかけて登場人物のこと知れば知るほど奥行きが出てハマりました。 アメリカでいういわゆるspicyなシーンが何度かあったので大人向け(笑) 心苦しくなるけれど、、素敵な恋愛ストーリーでした。 格差社会についても触れられ、生きづらさを感じた。 どれだけ裕福でもお金では代えられないものがある。 蛭間(ヒルマ)さん、、、!! 装画:金子幸代 著者:一雫ライオン(ヒトシズク ライオン) 1973年生まれ、東京都出身。
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十年に一度の逸材と言われる美貌の女性判事、礼子。最高裁判事も確実視されキャリアに一切の汚点もない。真実を偽証した元服役囚と出会ったことで、知だけを頼りに情操が欠けている礼子に変化が起きる。礼子が傾いていく動機が少し弱く、礼子の心の内面をもう少し掘り下げてほしかった。少し冗長な部分...
十年に一度の逸材と言われる美貌の女性判事、礼子。最高裁判事も確実視されキャリアに一切の汚点もない。真実を偽証した元服役囚と出会ったことで、知だけを頼りに情操が欠けている礼子に変化が起きる。礼子が傾いていく動機が少し弱く、礼子の心の内面をもう少し掘り下げてほしかった。少し冗長な部分もあったけど、総じて読みやすく面白かったです。
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私ならそこで怒るぞ!とか殴るぞ!とか唾吐くぞ!と思うところがたくさんあったから、あまりにも感情の起伏がない礼子がじれったく感じた。 たしかに「十年に一人の逸材」なのかもしれないけど、私には生きるのが下手くそな人にしか見えなかったなぁ。 二人が惹かれ合う描写が多いほど、この先に悲しい結末があるんだろうなと想像できてしまい、苦しい。 あぁ、ほんとに、ただただ悲しい。 金沢の市場で食事を楽しんでる二人がとてもとても可愛くて、そこだけがこの小説での唯一の救いだと思いました笑
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